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呪い屋本舗4 (もはや題名は無意味だ)  作者: ぽしょなれ


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31.ベータ5経過観察(2) 求人

しまった、ベータ5の人族には干渉しないはずだったのに。


1週間後商業ギルドに行くと、応募者が200人ほど居るらしい。

そんなに条件良かったかな?

ギルド員に聞くと衣食住が確保できているだけで好条件になるらしい。

今回は衛兵は呼ばれていないようだ、張り込みも居ない、

前回はギルドから領主に報告が行ってしまいで衛兵が来てしまったが、今回はギルドが業務のじゃまになると判断し排除したらしい。その代わり権力者の手下みたいなやつが彷徨いていた。もちろん応募者の中に手先が紛れ込んでいるだろう。


こちらは面接だけに専念できそうだ。

会議室を借りてまず「自然と精霊に関する」テストだ。

なんと、テストの結果一気に5人になってしまった。

これを民度が低いというのだろうか。


一人目、孤児だったが、なんとか職を見つけたもののリストラにあったそうだ

二人目、現在教員として働いているが、教育レベルの低さに嫌気が差して応募した様だ

三人目、専業主婦だったが、夫・子どもに先立たれ、身のフリを考えていた時に募集広告を見たそうだ

四人目、飲食店に努めていたがこれもリストラにあったそうだ

五人目、結婚歴はなく両親の面倒を見ていたが、両名とも死亡して職を探していたそうだ


さて、ギルドの簡易嘘発見器があるので嘘を言っているものは居ないが、

面白そうなので

「あなたは潜入員ですか?」

と質問してみた。

全員が違うと答えたが、一人目と五人目が嘘と判定された。ちょっと挙動不審になってたし。ちゃんと機能しているんだな凄い。


一人目は商業ギルドをクビになっていた。働きによっては復職も有りって言うことで。こいつは復職するメリットを無くせば問題ない。五人目は貴族の回し者らしい、情報を流すのには好都合だ。

隠しても無駄だ、ナビくんに聞けば一発でどこの潜入員と判かできる。


予定人員を超えたが5人全員を採用とした。


孤児院への専用ゲートを設置した。何も持ち込み持ち出し出来ない様に人体以外は通れなくしたので、前室は更衣室になっている。出入りできるのはこの5人限定にした。

体内に埋め込んだり食べたものはどうなるかな?体内の食品や異物は強制排除にした。更衣室は飲食スペース併設となった。消化器系の残留物も自動的に排除されるのでお腹減るからね。デトックスになって健康にも良いと言ったら喜んでいた。

これって、例えば弾丸とか鏃とかの取り出しに利用できるね。

病原菌を持ち込んだり持ち出したりしたらまずいよね。ウィルスフィルターも付けよう。

これって、病気をしてもここを通れば治るって事かな?

いろいろまずい気もするが、5人だけなら良いだろう。

孤児院の子どもがこれ以上増えると困るので、このゲート以外全ての人族が出入り出来ない様に変更した。


あっ、教科書とかどうしよう。適当に古本屋で見繕ってもらい大量に購入して持ち込んでおいた。


孤児院の名前は『恵まれし子らの楽園』どこかで聞いたことがある様な名だな、微妙に違うのがミソだ。


本人が恵まれているというより、環境が恵まれている、まさしく自然の楽園であろう。人の楽園ではない。


孤児院の運営はこれまで通り精霊と妖精に一任した。今回採用したのはあくまで一般常識の教員だ。

雇用期間は10年としたが、孤児が自立して旅立って行くまでは雇う。孤児は成人したら精霊の里のゲートから出ていく事は出来る様になっているのでどうするのかは自由だ、戻れないけど。


ーーーーー 商業ギルド


潜入は上手くいったか

「はい、大丈夫です」

「中はどの様になっている?」

「自然あふれる楽園です、ただ文化的なものは教会と孤児院のみです

 食べ物は豊富で衣食住は満足です。移住したいぐらいです」

「精霊とか妖精は?」

「精霊は実体化しない限り見えませんが、妖精は見ることが出来ます。とても美しい存在です。」

「子どもたちは?」

「元気です。以前は建物がなかったので雨風に困っていましたが、孤児院が出来て快適な暮らしになって満足している様です。精霊と妖精の教えが優先されるので、我々の教育の仕事は外の世界の話になります。

 ほとんどの子が外に出たがっていません。外ではひどい目にあった子がほとんどですから」

「報酬は?」

「はい、毎月かなりの量の果実をもらえます。我々教員が直接持ち出しできないので、妖精が外に出してくれた物を受け取ることになります。

 先日、それを売ったらギルドの月収の半年分ぐらいの金額になりました。」

「わかった、また報告を頼む」

「私、もう移住しようと思います、外の世界の未来が見えません」

「そうか」


ーーーー とある貴族


「潜入結果を報告しろ」

「はい、天国でした、自然の一部として暮らせる場所です子どもたちも元気に過ごし教育環境も完璧です

 自然との共生が可能な場所です」

「利用できそうか?」

「いえ、何も持ち出せません、持ち込みも出来ません

 持ち出せるのは現物支給の果実だけです。

 あそこは手を出してはいけないサンクチュアリの様な場所です」

「わかった果実は買い取ろう。また報告を頼む」

国にはそのまま報告するか

報告書『精霊のサンクチュアリの件』...




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