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02.来訪者の再来(1)

皆と執務室に移動した。

そこで、ライディから報告を聞く。


「ロイ様が眠りに就いてから3年後、アルファ4のドラゴンサットで監視していたのですが、

 また、宇宙船の大量建設が始まりました。

 そして昨年、アルファ4が崩壊しました。

 住民の一部は宇宙空間に避難出来た様で、宇宙船団がこの星に向けて移動を開始したようです。

 ただ、その後の様子はわかりません。アルファ4の崩壊でドラゴンサットの軌道も無くなり何も観測できなくなりました。

 そして今年に入って、先遣隊として、また艦隊が現れました。

 現在、帝国が窓口になり対応中です」


どうやらちゃんとした動画映像記録技術開発に成功したらしく、その時の様子を見ることが出来た。


「帝都に向かう!」


母船に乗り込み帝都に出発した。


「敵艦隊の現在位置と規模は?」

「前回と同じ、イーストチャイ沖10km、戦艦1、巡洋艦2です」

「以前より小規模だな」

「敵船団の映像は?」

「ドラゴンサットの視界にはまだ入っていません」

「ウノ、何か意見はあるか?」

「連絡を取っているわけではないので詳しい状況はわかりませんが、

 おそらく、アルファ4の崩壊を予測して移住計画を進めたのではないかと思います。

 観測した限りでは移民船が殆どで戦艦は少ない様です。侵略にしては戦力は少ないですね。

 想定した船速で計算した結果では、船団の到着は約3ヶ月後だと推測します。」

「敵船団というより難民船団か、より厄介だな」

敵なら殲滅すればよいだけだが、難民となると扱いが難しい。目覚めていきなりの難問だ。


到着までに、眠りに就いてからの帝国の科学技術の進み具合を確認する。

鉄道は予定通り衛星都市を結ぶ路線は開通、発電所は各衛星都市の中間地点に設置し、稼働している。

映像技術は画像センサーの開発に成功、一般に普及するほどではないがドラゴンサットなどには採用済みで各種センサー類も搭載している。録画技術も確立し動画映像の記録保存が可能になっている。

コンピューターは元の世界の8ビットCPU(Z80)程度の能力を部屋一つぐらいのサイズで実現できていた。映像の記録と同様にデジタル記録も可能になった。ソフトウェアはまだ機械語レベルだったので、とりあえずOSの概念とC言語の仕様と構造化プログラミングの仕様を勧めておいた。

帰化組のウノ、ドス、トレスの努力には感服した。今後は小型化、高速化、大容量化をめざしてもらいたい。だが、これでも当時のアルファ4のレベルと同等レベルだとの事、あちらがどの程度進んだかはわからないが科学技術レベルではまだ及ばないという事だ。ただ、製造技術に関してはこちらの方が環境重視の開発のため、より高度に発展していける余地があるらしい。彼らには更に頑張って欲しい。


「アルガ、着いたら皇帝との会合をセッティングしてくれ」

「わかったわ」


会合まで少しありそうなので、街を歩いてみる。

10年も経つとかなり発展してきた様に見える。メイン道路には街灯が設置されている。店の種類も品も増えている様だ。電気が普及して、電車も開通して各地の交流が活発になった影響だろう。

環境重視の考え方も浸透してきていて、以前の様にゴミ放出し放題からは改善してきていて自然が守られている感じがする。まだまだ元の世界のレベルでは無いけれど。

以前アルファ4で見たどんよりとした世界とは全く違う発展を実現できていると思う。まあ、彼らはこの星よりも厳しい環境からのスタートだったろう事を考えると無理もないかとは思うが。



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