26.アルファ4(4) 新天地の現状(4)
現在のアルファ4の拠点をロイの作った街に移すことになった。
町の名前は、議会全員一致で『ロイタウン』に決まった。
指導者のガロイ、ダロイ、ロイ の共通項を取ったとも言える。
近くで住んでいた者は全て街に収まった。メイン道路によってピザカットされた8区画の使い方はほぼアルファ・フォーと同じ。
まだ余裕はある、分散していた近隣4つの衛星都市?が合流予定だ、残りは結構遠方に拠点を構えているので、この拠点を中心に開発を進めていっても大丈夫だ。
それでも移住者の十分の一程度だ。他の大陸に着陸した者も多い。この拠点だけレベルが上ってしまい格差が生まれてしまったが公平化するために手放す理由は微塵もない、このまま拠点を発展させていく。ロイにはここだけだと釘を刺されているので、どうやって発展させていくかが問題だ。
ロイタウンのレベルが高くて同じものは出来ない。ロイタウンでは集合住宅だったので、周辺に戸建ての住宅地を作る事にした。ロイから聞いた『ベッドタウン』という形で広げる事にした。
ここで問題が生じた、今まで建設に携わっていた人員をどうするかだ、一部はベッドタウン建設に関わるが、今や急務では無い。そこでこれもロイから聞いた『冒険者ギルド』という組織を新設して、登録者を色々な仕事に使う様な仕組みを作ることにした。
このロイタウンは上下水道設備を完備しているが、下水道はどうしても汚れるので定期的な清掃が必要だ。この場合、街の役所が予算を使い、冒険者ギルドに依頼を出す、登録者がギルドから受注して差し向けられるという形になる。いわゆる派遣会社みたいなものだ。何処が冒険なのだろうと思うが、色々な職業に冒険するのである。
街の維持管理は色々と大変だ、ごみ処理もその一つ、ごみ収集する人員も必要だし、道路をきれいに保つにも人員が必要だ。火事のときの対応として火消しも必要、治安維持に衛兵も必要だ。問題を起こしたものを交流する施設。怪我人や病人が出た時の治療院も必要だ。
交通手段も必要だ、街は結構広いので移動するのが大変。馬は居なかったので、ダダチョウのような野生の大型鳥を飼いならして荷台を曳かせたダダ車を主要道路に巡回させる事にした。
次の年には作物も収穫でき、食糧事情も改善していった。
こうしてロイタウンは急速に発展していった。
これは他の拠点に行った人たちの嫉妬を買った。そうして物資の奪い合いが起きはじめると、各都市は自分の縄張りを主張するようになり、対立はますます激しくなっていった。
そして、当初一つだった難民国家は幾つかの分断した国家を形成するようになり、いわゆる戦国時代となっていった。
ただ、ロイタウンは余りにレベルが違ったため他の追随を許さず一強を保っていた。
ロイ帝国の誕生である。
ロイ帝国は更に力をつけ、統一国家を目指して挙兵した。一国、そして一国と併合を繰り返し、遂には統一をなすのであった。
これは、争いの原因を作ったロイの黒歴史として記録されることになった。
中途半端な人道主義が引き起こしたとも言える争い、だが、多くの人命が失われた反面、別の多くの人命が救われたことだけは確かである。
本来は、ここは『破滅の新天地』なので、手を加えず、破滅させるのが道理であるが...
ロイ的には失敗だったと言える




