20.アルファ4(1) 新天地の現状(1)
自領が安定してきたので、新天地の現状が少し気になった。
「ガロイさん、元気?」
「おお、久しぶりだな。
大陸に何箇所か拠点を作ったんだが、ようやく街が形になってきた。
だが食糧事情はあまり良くないな、なんといっても人が多すぎる。」
「何か他に困った事はある?」
「そうだな、あちこちに強力な魔獣がいて、被害が出ている」
「そう、ちゃちゃっと倒して来ようか」
「頼む」
「場所と種類とか教えて」
「この沼に10mぐらいの巨大なカニーニが、この海岸に50mほどの巨大なウミヘビが、
この山に、20mほどの巨大なトカーゲが報告されている...」
地図で示された場所にメモをしていく
「倒した魔獣はどうします?」
「食料用に近くの街に置いてきてくれ」
「了解、行ってくる」
母船を出して狩りにいく
「アイス、艦砲射撃でちゃっちゃっと倒して、近くの街に持っていこう」
「ラジャー」
ぱぅん、ぱぅん、ぱぅん
「えっ? この距離から狙い撃ち?」
「敵討伐完了、
誘導弾を使いました。
回収に向かいます」
「あっ、ああ、頼む」
終わってしまった。速いな。
「ガロイさん! 終わった」
「速いな」
「ああ、大した事無い」
「感謝する」
「元の星にはああいうの居なかったの?」
「巨大な動物は居なかったな、こちらの持っている銃では全く効かなかった」
「ふぅーん、じゃあ討伐も馴れて無いんだ
なんか武器要る?」
「そうだな、何か適当なものはあるか?」
「あまり高度なものだと維持管理が難しいから
巨大バリスタとかは?」
「なんだそれは?」
「原始的な武器だけど、巨大なボウガンみたいな物だよ
ここにある資材で作れるよ。台車に乗せれば持ち運びできるし」
「よし、やってみよう」
直ぐに部下に指示を出して作る様だ。
「ところで、こちらの星より科学技術が発達しているはずだけど、強力な武器は持って来なかったの?」
「人を乗せるのを優先して小火器しか持ち込まなかった。武装していたのは護衛艦だけだ」
「弱かったけどね、あと聞きたかったんだけど、魔法とかは使わないの?」
「魔法は失われた技術だ」
「精霊とかは?」
「おとぎ話だ」
「なるほどね、だから不適合者が多かったんだね。
念の為に、教えておくよ
この星には、精霊も居るし、妖精も居る、そして魔法も存在する
それを蔑ろにすると、おそらくまたこの星が無くなると思う」
「なんだと、崩壊の原因を知っているのか?」
「さあ、知らない、研究者を紹介してくれたら調べられるかも」
「わかった、呼んでくる」
うん、そういう人はアルファ4側にいると思った。アルファ・フォーには居なかったからね。




