01.ロイとアイスの目覚め
神界での長い修業を終え、神力の補充も完了したロイと新たな女神となったアイスは目覚めて元の世界に戻る事になった。神界での時間と元の世界の時間の流れが異なるので、長い修業といっても元の世界では10年である。残った仲間はまだ存命のはずだ。眠りに就く前にティムした者も含めて歳も取っていないはずなので見栄えも変わらないだろう。
そのまま神界に残るという考えもあったが、やはり仲間の事が心配なので戻ることにしたのだ。
修行も終わり、よほどのことがない限り再度眠りにつく事は無いだろう。
目覚める前に従魔たちには知らせたので、目覚めに立会いに来てくれるはずだ。
お世話になった女神様に別れを告げて、アイスと手をつなぎ共に目覚めの時を待った。
急に時間の流れに押し流されるような感覚を覚え、目を開くと、『眠りの間』でアイスと手を繋いでいた。
しばらく光りに包まれていたが、光が収まり周りを見渡すと、そこには仲間と従魔たちが列んでいた。もちろん眠りに就く前の服装とは異なるが姿形はほとんど変わらず、みんな元気のようだ。
何億年も神界で修行していたが、元の世界に戻ると、不思議と記憶が戻り当時の記憶が新しい。
「「「「ロイ様のお目覚め、心待ちにしておりました」」」」
「みんな元気そうでなによりだ」
「早速ですがロイ様、取り急ぎ報告があります。」
ライディが少し思い詰めた様な表情で語りだした。
「どうした?深刻な顔をして?」
「現在、この世界は危機に遭遇しています。
以前撃退した来訪者が再びやってきたのです。」
「分かった、状況を詳しく聞かせてくれ」
もう来るな、と置き手紙まで残してきたのに残念な結果だ。滅ぼしておけばよかったのかな?
場所を執務室に移して状況を詳しく聞くことにする。
歩ける?
歩けた。からだも問題なく動く。
状態保存されていた様で、運動していないのに筋肉は萎縮していないみたいだ。
良かったリハビリが必要かと思った。