17.アルファ・フォー(1) 自由民
「「「俺達は断固抗議する、待遇に差が有りすぎる」」」
アルファ・フォーで抗議運動が起こった。
まあ、そう思うよね。
でも、仕方ないんだよ。
じゃあお前やってみろって事だ。有言不実行の害虫は何処にも居る。
言うだけ言って、実行は他の者に押し付け、俺の役目は終わったって逃げるやつ。
俺はそういう奴は嫌いだ。よって対応は冷ややか。
「分かった、此処では無理だ、別の所に行ってくれ」
彼らは眠りの呪で意識を失う。
「ちょっと捨ててくる」
と言い残しガロイのところへ行く。
ーーーーーアルファ4
「また不要物が出た、引き取って自由に使っていいよ」
「わかった、自由民として受け取ろう」
「何その自由民って?」
「おっ、言ってなかったか、『自由に使って良い民』略して自由民だ」
「なるほど、その略し方誤解を生みますね。」
「納得させるのに都合が良い」
「俺もそう呼ぼうかな、不適合者って言うと悪いイメージがあるし
『自由民募集!新天地を目指せ』とか言ったら沢山片付けられるかなぁ
不適合者まで養う余裕は無いからな、引き取ってくれてありがとう。
アルファ・フォーも5万人ぐらいになったらもう少しやりやすいんだけどなぁ」
ーーーーー
「なんだ、この扱いは、我々は自由民だぞ」
「ああ、聞いてないのか、自由民は言わば奴隷だよ」
「奴隷は認められていないぞ」
「今は、緊急特例処置で、不適合者に対して認められているんだよ
安心しろ、特別処置なので子孫には及ばない」
「こんな所逃げてやる」
「ああ、やめたほうが良いぞ、逃亡は犯罪者になる、自由民の犯罪者は廃棄物島送りになる」
「知るか、こんな所に居られるか」
逃げ出した。
「あーあ、可哀想に」
バリバリバリ
「んぁーー」
バタッ
俺も上手くなったな。
「おいっ、こいつ廃棄物島行きだ、コンテナに放り込んでおけ」
ーーーーー廃棄物島
「...んっ?ここは?」
「おう、来たな新人犯罪者くん」
「逃げ出せたのか?」
「バカかお前は、逃げ出して捕らえられて廃棄物島送りになったんだよ。
大丈夫、犯罪奴隷になっただけだから」
「どこが大丈夫なんだよ」
「そりゃ、1日12時間も働いてりゃ1日1食は食べられるし、夜は獣に怯えず安心して寝られるんだぜ
今日死ぬこともない」
「前の所よりも待遇悪いじゃないか、戻してくれ」
「無理だな、犯罪奴隷は奴隷のままだし、ここから逃げる方法も無い
前の所で従順にしてりゃそのうち開放されたかもしれんのになぁ。」
「そうか、アルファ・フォーは天国みたいな所だったなあ、抗議なんかしなければ良かった
あいつはこれを知っていたのか」
「いや、よくここに捨てに来るやつだろ、あいつは知らんぞ、たまに話すが、手に余る奴を引き取ってくれると言うだけで嬉しいらしい。
こちらは代償無しで労働力が得られる WinWinだ
やつはお前らに無関心なだけだ、大丈夫、抗議したことなんかで恨んでなどいないと思うぞ
単に引取先を探して奔走しているだけみたいだ。
あいつのお陰で全滅を回避できたし、こうして新天地まで用意してくれたんだ我々は感謝すべきだな」
「この状況を知ったらもしかして」
「無駄だな、内政不干渉だそうだ、手伝いはするが口を出すことは無いらしい
そんな他力本願なお前にアドバイスがある。
壊れるな、そういう奴をいたぶるのが好きなやつかいるからなぁ
大丈夫だ、大切な労働力だ、殺したり虐めたりはしないさ、俺はね」
「あいつのせいで」
「恨むなら己自身を恨むんだな
もうひとつアドバイスだ
奴を悪く言わない方が良いぜ、奴は救世主だ、奴を悪く言えば言ったほうが悪になる。
更に待遇が悪くなること確約だ」




