13.難民キャンプ(2) 新天地サイド(1) お手伝い(1)
「ガロイ様、素晴らしい星ですなあ、こんな星を準備できるなんて、ロイ殿はすごい、まるで神ですな」
「そうかもしれんが、我々にとってはこれからが正念場だ」
「なぜです、こんな良い環境、他には無いですよ」
「どうやって降りるんだ」
「あっ、あーそうですね、つい見惚れて失念しておりました
どうしましょう、シャトル100機も無いですよ
約90万人として、20人乗りで450往復ですよ、そんなに燃料が無いですよ。
せいぜい2〜3往復ですよ」
「そうだな、では第1陣で燃料確保調査部隊中心で、第2陣は採掘部隊中心で、第3陣は燃料精製部隊中心で、
機材と技術者優先だ」
「はっ、早速取り掛かります」
「急げ!食料が尽きる前に降りなければならん」
幸運にも第1陣で、鉱脈を見つけられ燃料確保の目処がついた。それでも燃料精製には時間がかかり全員が降りるには半年はかかる計算だ。間に合わない。
それにしても、順調に事が進み先祖の故郷に戻れたとしても、今よりも危機的な状態になっていたはずだ、無理難題の計画だ。しかもたどり着いた先では難民を受け入れられないので立ち往生だ。現在の状況は考えられないぐらい好条件、にもかかわらず危機的な状況である事には変わらない。
故郷に向かった奴らも似たような状況のはずだ。どうしているだろうと一瞬思ったが直ぐに現実に戻った。
「元気ーーガロイさん」
「おお、ロイ殿」
「アルファ3で人を降ろすのに苦労したから、こちらは更に大変かなって思って見に来ました」
「そのとおりだ。既に危機的な状況になっておる」
「本当は手助けする気は無かったんだけどちょっと手伝おうかなって」
「既にかなりの借りを作ってしまっているが、幸運が重なった上に最大限の努力をしても半年かかってしまう。元々無理な計画だったのだ。
どうか、援助願いたい」
「そうだね、こちらの輸送船で500人送れるから、とりあえず20往復ぐらいしようか
1日2往復で10日。一万人の人選しといて
こちらも大変だからまた日を開けて」
「感謝する」
「そのかわり、こちらで新たに発生した不適合者を送りつけるから引き取ってね、どう扱ってもらっても構わないから」
ただひたすら船団と地表を往復する10日。飽きた。帰ろう。
船単位で纏めてくれていたので効率が良く、1日3回往復出来た。
それでも1.5万人ぐらい。次はアルファ3で使っている輸送船も回せるだろうから、もう少しこなせるかな。
本当は、マイワールド経由で送れば早いのだけれど、これは彼らが乗り越えるべき試練だ、あまり邪魔をしてはいけない。かれらには自分の星を崩壊させたという大きなツケがあるのだ。そして俺には彼らを助けてしまったという責任がある。絶滅させない程度にちょっぴり手助けをするに止めよう。
あと2回手助けすると言い残し去った。悲しそうな顔をしていたが知らない。こちらも大変なんだよ。
10万人ぐらいは下船させられるだろう。
物資までは面倒見きれないな。




