こんぺいとう 『ほろ苦いコーヒーが甘くなる時』
物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります
手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています
関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております
小説は毎朝6時に投稿いたします
ぜひ、ご覧下さい♡
Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい
hhtps://www.instagram.com/iroit0
最近のハマりごとは、お菓子作り
必死に本を見ながらカップケーキを今日は作っている
単純な私は、彼氏に『美味しい♡お菓子作れるってすごいね♪毎日食べたいくらい!』と言われたのが、きっかけでそれからハマっているのだ
『そうだ!ホイップクリーム付けるほうが美味しそうよね♪』
初めは美味しいって言われたくて作っていたのだが、だんだん追求するようになり今は、自分の為に作っている事が多くなった
ピンポーン
家のインターホンが軽快に鳴り、インターホンの画面には手を振る彼氏の姿が映し出されていた
時計を見ると、12時を指している
カップケーキに夢中で時間を確認するのを忘れていた私は慌ててカップケーキとお昼ご飯の準備をおいて『こんぺいとう』を結び直しながら玄関に向った
『いらっしゃい!』
『おっ♪いい香りする!またお菓子何か作ってたの?』
『今日はカップケーキ♪ホイップクリームたっぷり乗せれるよ♡』
『おぉ!!』
玄関に入るなり、しっぽを振りながらキラキラしたお目々でキッチンを見つめる大型犬のような彼を見て、私はくすりと笑ってしまった
『ごちそうさま!』
『君は料理が上手だね。まっ俺が好き嫌いなく何でも食べれるだけなのかもしれないけどー』
『一言多い!もうカップケーキあげない!』
『はは。いつもありがとう』
そう言いながら、ふくれっ面の私のほっぺたを人差し指でつついてくる
彼とは1年程前から付き合っている
まだお互い新入社員だった頃からの付き合いなのだが、丁度1年前に同じプロジェクトチームになったのがきっかけで今に至る
お腹いっぱいになっても甘いものは別腹で、たっぷりのホイップクリームを付けて二人並んで仲良く食べていた
『俺さ、仕事変えようと思うんだ』
『え?辞めるってこと?』
『うん。ちょっと縁があって東京の会社に来ないか?って言われてるんだ』
『・・・遠距離になるね?』
『そう・・・だな。』
コトリと置かれたコーヒカップを見つめながら、彼はすでに決めていた答えを静かに言葉にした
甘いカップケーキと苦いコーヒーが口の中でゆっくり混ざりあう
『遠距離でもすぐ遊びに帰って来れるよ、休みの日が来るまで・・・待っててくれる?』
苦いコーヒーが口の中に広がっていた私の口元に、スプーンから零れそうな程に乗せたホイップクリームを近づけながら彼は私の返答を待っていた
『・・・待てないって言ったら?』
『うん。俺も待てないし、一緒にいこ!』
あんぐりあけた私の口の中に甘いホイップクリームが押し込まれた
『それって!?』
『突然だけど、俺と結婚して下さい!毎日俺の為にお菓子作って欲しい』
『・・・はいっ!喜んで♪』
甘く優しいお菓子の香りに包まれた空間は、これでもかと言うくらいに甘く優しく二人を抱きしめた
しばらくして『こんぺいとう』を結び直した私は洗い物をキッチンへと運んでいった
終
最後まで読んで下さり、ありがとうございます
色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです
また明日、6時にお会いしましょう♪