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第三十九話「取り立て屋 ジョエル・カロリントン」

「それに話ってなんだ、ジョエル・カロリントン。俺は今、忙しいんだ。後にしてもらえるか?」


 アレスはそう言って、先ほどと同様、扉の取っ手を強く引っ張り続けていた。


「おい、無理矢理扉をこじ開けようとすんな! 商品価値が下がるだろうが!」


 ジョエル・カロリントンと名乗る男は、アレスに対して強くそう警告した。人様の所有物をまるで我物であるかのように主張するジョエル。そんな身勝手極まりない発言に、当のアレスが黙っているはずもなく……。


「お前、ここ俺の持ち家だぞ。売り物じゃねえぞ。失礼にもほどがあるだろ。

 ……っていうか、玄関の取っ手に鎖をかけたのもこんな張り紙を張ったのも、全部お前の仕業か。ジョエル・カロリントン!」


 当然のことながら、アレスは激怒した。

 そんな怒り心頭なアレスを前にしても、ジョエルは一切うろたえることなく、続けて言葉を返す。


「当たり前だろ。だってよお、この屋敷の所有権はあんたから俺に移ったんだぜ。それも1ヵ月近く前に」


「1ヵ月近く前!? それって時期的に、俺が中央銀行で保安騎士団に逮捕されて、牢獄にぶち込まれた辺りだよな?

 俺が留守にしている隙に、お前は俺の屋敷を乗っ取ったってことか」


「乗っ取ったって、人聞きが悪いな。乗っ取りじゃなくて、権利があんたから俺に移っただけのことだ。……言いがかりはやめてもらっていいすか?」


 ジョエルはまるで鳩のような動きで前後に首を振りながら、そう述べた。明らかな挑発行為だ。

 彼は自分勝手な正論を振りかざし、自身の主張を押し通そうとしている。他の人の意見に一切耳を傾けないタチの悪い人間がこの世の中に一定数存在するが、まさに今のジョエルはそれに近しい物を強く感じさせた。


「所有権は俺にあんだから、別に玄関に鎖をかけようが、張り紙をしようが、何したっていいじゃないか。元所有者のあんたに、つべこべ言われる筋合いはないね。

 ……これ以上、減らず口を叩くようだと、ただじゃおかねえからな」


 途端に表情をガラッと変えるジョエル。拳の関節をポキポキと鳴らしながら、玄関先に居るアレスの方に向かって近づいていく。

 おそらく実力行使に出るつもりなのだろう。ジョエルの取り巻き達も肩を回したり、首を左右に捻りながら彼の後に続いた。


「改めて自己紹介してやろう。俺の名はジョエル・カロリントン。取り立て屋を生業にさせてもらっている。ちなみに、さっきも言ったと思うが、あんたの保釈金を出してやったのはこの俺様だ。

 牢獄に居るあんた宛てに手紙を出したのも、この俺だな」


 殺気立った雰囲気を醸しながら、凄むようにそう述べるジョエル。


 ジョエルの発言を聞き、アレスは慌てて懐から例の手紙を取り出した。手紙を広げると、アレスは目の前に居るジョエルご本人の顔と手紙に書かれた文字を交互に見比べ始めた。


「おいおい、手紙の時のイメージと全然違うじゃん。医者でも弁護士でもなければ、真面目そうな時計職人でもねえ。こんな丁寧で綺麗な文字を書ける人間が、まさかこんな闇の稼業をしてる極悪人だったとは。……この外道め」


 手紙の時の彼と目の前に居てる彼とのギャップの凄さに、アレスの口からは率直にそのような感想が漏れ出ていた。


「外道も何も、俺がやってることは立派な商売だ。これで飯を食わせてもらってんだから、別に良いじゃねえかよ」


 アレスの言い分に、ジョエルは呆れたように肩をすくめる。


「まあ俺が外道かどうかをお前と議論したとて、時間の無駄だ。この先も仕事の予定が詰まってんだ。今日もあと、もう何件か取り立てしなきゃならねえ。

 だから先に用件だけ言わせてもらうぜ。……俺がお前さんをムショから出すために出してやった、保釈金500万を全額返してもらおうか。今日中に」


「きょ、今日中!? 待て待て待て。いきなりそう言われても、500万ゼニーなんてすぐに用意できねえぞ。……そもそも俺の家を勝手に奪っておいて、保釈金も首揃えて返せってか。良い根性してるな、おい」


 ジョエルの図々しい要求に、アレスは思わずそう声をあげる。


「良い根性も何もこれも立派な商売だからな。言いたいことはそれだけか?」


 アレスはそう詰められると、何も言い返すことができなかった。ジョエルの圧にすっかり屈してしまった様子だ。

 それからしばらく沈黙が続いた後、ジョエルは再び言葉を続ける。


「……じゃあ言葉を返すようであれだが、もう一遍、その手紙を隅から隅まで見返してみろ。別に俺は、ボランティアでお前に保釈金を出してやったわけじゃねえ。

 保釈金の返済義務がないなんて、手紙には一言も書いてないはずだ。

 誰が善意で人を助けるかよ。こっちとしたら商売なんだ」


 ジョエルからの指摘を受け、再度手紙に目を通すアレス。一通り目を通したところで、アレスは顔をあげると次のことを述べた。


「確かにそれはお前の言う通りだな。まずあの牢獄から出してくれたことには感謝してる。こうして自由の身になれたのも、ジョエルあんたのおかげだ」


「そうかそうか。じゃあ、そう思ってんなら、ちゃっちゃと500万ゼニー返してくれや。感謝しているなら行動で示しな。それが人様に対する礼儀というものだぜ」


 そう言ったジョエルは、彼の背後に居る取り巻き達に、何やら目で合図を送りだした。


「承知しましたぜ、親分」


 ジョエルの意図を汲みとった取り巻き達は、懐からメリケンサックを取り出し、各々拳に装着し始めた。装着後、彼らは口角をあげ、微笑んでいた。おそらくアレスの歯を1本ないし、2本ほどへし折る心づもりなのだろう。


「おい、そんな物騒な物はとっととしまってくれよ。流石に待ってくれ。今は500万ゼニーを用意できるだけのアレがないんだ。

 いずれは返すつもりだった。でもさすがに今日は無理だ。

 ……どうしても今日じゃないとダメか?」


「ダメだ。こっちとしたら商売なんだ。500万ゼニー、耳揃えて返してもらおうか。今日中に。ニコニコ現金払いでな。

 ……でなければ、二度と固い物を食べられなくさせてやるぞ」


 ジョエルは、断固として即日返済の意思を曲げる気はないようだ。

 アレスの手元には、現在3万少々しか持ち合わせがない。元々、屋敷内にある家財道具を換金しようと考えるほどの状況だったアレスが、即日500万ゼニーのお金を用意することなど、到底不可能なことだった。

 唯一今、このような状態で換金できる物となると、アレス自身が身に着けている衣服等々だけだ。それらを古着屋に行って、買い取ってもらう。要するに丸裸になること以外に、換金する手段は残されていない状況だったのである。


「待ってくれ。そう早まらないでくれよ」


 そう言ってアレスは少しの間、考え込む素振りを見せた。丸裸になること以外に、何か他に返せる算段がないかどうか、考えを巡らしている模様だ。

 しかし結局、いくら頭を捻ったところで、よい考えは思い浮かばなかったようで、アレスは諦めのこもった溜息をつきながら次のように答えた。


「でもやっぱり何度も言ってるように、さすがに今日は無理だ。500万ゼニーはいずれ用意させてもらうから、それまでちょっと時間をくれよ。

 いきなり500万ゼニーを返せっと言われても、はいわかりましたなんて答える奴、常識的に考えて居るわけねーだろ。あんた、取り立て屋やってるんだろ? わかるだろ、そのくらい」


「まああんたの言ってることにも、確かに一理あるな。じゃあ仕方なしに、少しばかり支払いは待ってやる」


「おー、ありがとう。そうしてくれると助かる」


「……ただし、いつまでだ?」


「はっ? いつまでって?」


「期限を区切れって話だ。期限を区切らなかったら、ダラダラと先延ばしするだろ? 人間ってなあ、そういう生き物なんだ。いついつまでって明確な基準がなかったら、平気で先延ばししやがるんだ。

 俺は長年、この仕事をやってるから、そこのところよーくわかるんだ」


「ちょっと待てよ。とは言ってもよお、今ここで期限区切れって言われても、今言われてパッと決断できるかよ。

 ましてや、俺は今日釈放されたんだぞ? 何が何でも急すぎやしないか?」


「御託ばっかりうるせえぞ。こういう時はな、期限を区切らねえとダメなんだ。どーせぐーたらやって、先延ばしすんだから。お前みたいな人間は特にそうだ。

 自分の人生にトコトン無責任なんだよ」


「それとこれとは話が違うだろ。論点すり替えるなよ」


 どこまで言っても聞く耳を持とうとしないジョエル。ジョエルはアレスのことをある種のステレオタイプにはめ込み、それありきで強引に結論付けようとしていた。


「この商売を長年やってる身からすると、そうやって結論を先送りにする奴ほど、人間がだらしないって言うか、いい加減なんだよ。だからとっとと期限を区切ってくれや。

 いつまでだ? いつになったら、金返してくれんだ?」


「待ってくれ。そうは言っても、無理なモンは無理だって。話を聞いてくれよ」


 ジョエルはこのような押し問答にいい加減飽き飽きしてきたのか、捲し立てるように次のように述べた。


「やっぱり埒が明かねえ。……ならばこうしよう。ひとまず今日から10日間までは支払いを待ってやる。10日後までに500万ゼニー耳揃えて返してくれたら、利息はなしだ。でも返済が1日でも遅れたら、利息を5割増しだ。

 まあ要するに、10日5割だな。10日以降は、元本の500万ゼニーに利息としてプラス250万ゼニーを返してもらう形になるな。そうしよう」


「おい待て! それ明らかに暴利じゃねえか! なんだよ、その価格設定。おかしいだろ」


「いいやダメだね。いつまで経っても、期限区切らねえお前には、明確にこっちから条件付けてやらねえと。そうでもしねえと、意地でも返そうという気にならねえだろ?」


「な訳あるか! 無理矢理、そんな条件付けられたら、余計返す気が失せるわ」


「せっかく俺が返済待ってやるって言ってるのに、何て口の利き方だ。お前、自分の立場わかってるか? 借金背負ってるんだよ。俺様に借りがあるんだよ。その辺、ちゃんとわきまえてもらわないと困るね」


「るっせえー! お前が勝手に押し付けてきた借金だろ。わきまえろもクソもあるか!」


「気に入らないことがあったら、すぐ怒鳴り立てる。良くねえ性格してらあ。元Sランク冒険者だからっていって、調子に乗るなよ。

 ……まあそんな性格と態度をしてるから、お前はかつての仲間から見捨てられるんだよ」


 話の流れで当然、ジョエルはそのような旨の発言をしだした。思いも寄らないジョエルの言葉に、表情が固まるアレス。


「んっ? 今、何て言った? よく聞こえなかった。もう一度言ってくれ。

 ……確か仲間から見捨てられたって言ったよな? どういう意味だ。保釈金500万ゼニーとその話に何の因果関係があるんだ?」


 アレスはジョエルに問いただす。

 対するジョエルは眉間に皺をよせ、説明するのも面倒といったあからさまな態度を示したものの、少し間を置いたところで次のように述べた。


「いけねえ、思わず口を滑らせてしまった。……まあいい。軽く経緯だけ話してやらあ。

 この際、特別に今回の手口を、あんたに教えてやるよ。感謝しな。わざわざ取り立て屋がこんだけ懇切丁寧に自分の手の内を明かすことなんてないからな。

 耳の穴かっぽじってよく聞きな。

 ……そもそもの話、今回、こうして俺が取り立てにやって来たのも、プロポリスの旦那からある依頼を受けたからなんだ」


「依頼? あの筋肉馬鹿がお前に?」


「そうだ。依頼の内容は、あんたアレス・ゴットバルトが保有している資産を絞れるだけ搾り取って欲しいといったものだ。

 理由としては、今後の新生ヒポクラーンの活動資金に充てたいから、だそうだ」 


「活動資金に充てるだって? それも俺の金を? 窃盗じゃねえか! 犯罪だぞ! いくらあいつでも、そんな非人道的なことをするわけないだろ! あー見えて、あいつは仲間想いの良い奴なんだぞ」


 ジョエルの発言は、まさに耳を疑うものだった。あまりにも突飛すぎる内容に、アレスは気持ちの整理がついていない様子だった。あの生粋の筋肉馬鹿のプロポリスが、仲間を売った事実がにわかには信じられなかったのだろう。


「それは表向きにはだろ? 意外と本当の奴の顔はそうじゃないぜ。あれはあいつの見せかけだ。バカだけど根はまじめで、仲間想いといったキャラを演じているだけに過ぎない。

 世渡りが上手い奴ほど、案外、絶妙なバランスで、自分に危害が加わらないよう華麗に立ち回ってるんだよ。

 ……お前が見えている世界ほど、あてにはならないもんはないぜ」


「ふざけんな。プロポリスと俺はずっと同じパーティーで行動を共にしてきた仲だぞ? 確かに不平不満ばかり俺にぶつけてくるところは、再三、目に余ったけどよお。でもそれを差し引いても、あいつは全幅の信頼を置ける人間だった。間違っても仲間を売るような奴じゃない。

 ……ぽっと出のお前に、あいつの何がわかるってんだ」


 ジョエルはアレスの発言を滑稽に思ったのか、含み笑いを浮かべていた。


「おい、何がおかしいってんだ!」


 笑いを堪えるのがやっとという表情に、アレスは苛立ちを覚えたのか、思わず声をあげた。


「ハハハハ、何でもない。話を戻すぞ」


 ジョエルは咳ばらいを1つしてから、次のように言葉を続けた。アレスの問いには、一切取り合わないようであった。


「ひとまず俺は、プロポリスの旦那から依頼を受けてから、早速、中央銀行の幹部の連中にあるお願いをしてきた。お前が中央銀行管内で保有している預金口座から全ての金を引き出し、そのお金をプロポリスの旦那の口座に移し替えてから、最終的にあんたの預金口座の凍結と抹消をするようにね。

 そうしてあんたが中央銀行に来るそのタイミングを見計らって、保安騎士団を向かわせて、色々と適当に罪状をつけたりして、お前を現行犯逮捕させたってわけよ。

 要するに全部、シナリオ通りってことだ」


 ジョエルは、以上の内容を息をつく暇もなく喋りたてた。


「ちょっと待て。情報が盛りだくさん過ぎる。矢継ぎ早にいきなりそんなことを言われても、頭が追い付かねえって。……何だよ、預金口座から金を引き出して、プロポリスの野郎に丸々金を移し替えた?

 出鱈目言うな! 銀行がそんな暴挙に出るわけねーだろ。そんなのが明るみになったら、大問題だぞ。銀行がそんなリスキーなこと、やるわけねーだろ。ハッタリはよせよ」


「これがそうでもないんだな。俺は普段、取り立て屋を稼業でやらせてもらってるんだが、まあ仕事の都合上、色々と表沙汰にはできないことがたくさんあるんだよな。あまり多くは語れねーけど、俺にはな、色々とお偉いさんを始め、パイプってものがあるんだ。

 こういった一見、暴挙に思えることも、案外、簡単にやれちゃうんだよなー。

 ……要するに、あんたぐらいの人間なら、簡単に罠に嵌めて、取り立てすることぐらい造作もねえってわけだ。国のお偉いさんのツテを借りたら、楽勝よ。

 ましてやSランク冒険者ですらなくなったあんたなんて、最早社会にとって何の価値もない。落ちぶれた人間に、世間は容赦ないんだぜ? 何したっていいし、かけてやる慈悲もない。

 まあ信じるか信じないかはあんた次第だけどな」


「ふざけるな。ハッタリはもう聞き飽きたぜ。俺だって、銀行のお偉いさんとは仲良くさせてもらって、繋がりはたくさんあるんだ。銀行がお前とグルなわけねーだろ。

 陰で顧客のお金を勝手に使って、あれこれしてるって話なんて聞いたことねえぞ。お前の言ってることは噓八百だ」


「だからそれは表向きの顔なんだって。あんたみたいな人生の酸いも甘いもロクに知らない甘ちゃんに、そんな裏の界隈の情報にアクセスできるわけねーだろ。

 ……結構、銀行の幹部連中はあんたが知らないだけで、むごいことやってるんだぜ? 

 あんた、あの幹部連中が何も悪いことはしてないって、言い切れるか? その自信あるか?」


「さ、さあ。そう言われても、何とも答えようが……」


 ジョエルからの追及を受けて、自信なさげにそう回答するアレス。


「けど、その話をいくらお前から吹き込まれたところで、10日5割の話なんて飲まねえからな。まあ今日のところは、とっとと帰ってくれ。ここは俺の家だぞ。いつまでも居座ってんじゃねえ。帰った、帰った」


 厄介払いをするかのように、手で払いのけるジェスチャーをするアレス。

 アレスがそのような行動を取った瞬間、ジョエルの瞳に鈍い光が走った。


「おおっと。そうかいそうかい。まああんたが、500万ゼニーを本日までに支払ってくれたら、それで万事解決だったんだがな。

 それも拒否と来たか。そうかいそうかい。であるなら、覚悟はいいな? アレス・ゴットバルト」


 ジョエルはそう言うと、取り巻き達と同じく、彼もメリケンサックを拳に装着し始めた。


「最後の忠告だ、アレス・ゴットバルト。500万ゼニーを10日以内に支払え。それだけだ」


「何度も言ってるだろ。金を払うつもりはない。論外だ。一銭も払う価値なし!」


 ここに来てもなお、強気の態度に出るアレス。


「そうか、ならば力ずくだ。……それはそうと、女神の加護を授かってから、あんたはステータスオール1のクソ雑魚にされたんだよな?

 圧倒的弱者に落ちぶれた癖に、相変わらず威勢だけは良いんだな。

 ちなみにその情報は、ちゃんとプロポリスの旦那から聞いてるぜ。まあ早い話、今なら、実力行使できるってことだ」


 アレスが女神からステータスオール1の悪魔の呪いを授かったことは、一部の人にしか知られていないはずの情報だった。しかし残念なことに当のジョエルには、何であれ、それらの機密情報が漏れてしまっているようだった。


「だから何だって言うんだ!? たかが一般人に俺を倒せると思ってるのか? この俺が、お前みたいなゴロツキに負けるとでも。腐っても俺は元Sランク冒険者だぞ。

 ……悪いことは言わない。とっととこの場から立ち去った方が身のためだぜ」


 そう言ってアレスはダガーナイフを取り出し、臨戦態勢に入った。


「望むところ。目に物見せてやる。謝るのなら今の内だ。あんたなんぞ、拳1つで十分だ」


 余裕綽々の態度で、迎え撃とうとするジョエル。無謀にもアレスはジョエルを始め、後ろの用心棒3人相手に、果敢にも勝負を挑んでいったのであった。

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