モラル1/2
モラル1
登場人物 俺・恂・彼女(恂の彼女で名前は確か一美だったと思う)
W県県庁所在地のある某高級住宅街に呼ばれた俺。
呼んだのが恂なだけに不安は拭いきれないけれど結構楽しみだったりした。
言われたマンションの最上階に行くと部屋は数えるほどしかなかった。
聞いていた部屋のインターホンを押すと恂の声がした。
そのまま入るとなぜかネクタイを締めている恂がいた。
恂「実はこれから会食がありまして出かけるのですが世話をしていて欲しいので呼びました。まぁ遅かったことは許してあげますよ。」
コイツは何様のつもりなのだろうか?
俺「世話しても良いけど何か奢ってくれるんだよな?」
恂「素直に言うことを聞きますか、それとも前のように紀ノ川へ逝きますか?」
俺の言ったことが気に障ったらしくお怒りの悪友様。
もちろん俺は全力でOKしました。
だって、15メートルの高さから飛び込みなんてもうしたくないもの。
モラル2
登場人物 俺・恂・彼女さん
奥の部屋に通されてビックリ。
綺麗な女の人が涙目で恂に懇願していた。
俺「なぁ、何をどうしたらこんな風になるんだ?」
恂「電話してくるなと言ったのに約束を破ったのでペナルティーを課していました。」
電話したくらいでここまでするかな普通。
恂「確か名前は一美だったと思うのでポチとでも呼んであげて下さい。では僕はもう行きます。」
そういって部屋から出て行った悪魔。
俺「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一美さん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グスッ」
なんとなく気まずい空気が流れているので何か言おうと必死な俺。
俺「えっと、もし良かったら外しましょうか?色々」
聴いた瞬間に涙を落しながら必死に首を横に振る一美さん。
俺「・・・・・・なんか、力になれなくてごめんなさい。」
あまりにも健気で悪くもないのに謝ってしまった。
とりあえず恂よ、彼女の名前に確かをつけるのは止めよう。
そしてもう少しモラルについて考えて欲しい、と思う俺だった。
でも何をしたらここまで怯えるのだろうかと微門に思った俺。
ちなみに帰ってきた恂に顔を合わせた瞬間殴られて部屋から追い出されたのは別のお話。