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ヴァンパイアを殲滅せよ  作者: 金糸雀
第2章 伯爵編
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ACT82 ここ、戦場だぜぇ?【如月 魁人】

 午後4時。

 姫の背中に乗っかって広場のど真ん中に陣取った俺は、右耳に装着している無線の通話キーを押した。敷地外があんまギャアギャアうるせぇからよ。


沢口ボス、こちら如月だ。外で騒いでる奴らどうすりゃいい?』

『報道関係者か?』

『ああ。カメラと記者がウヨウヨ居やがる』

『入れてやれ。今から菅を連れて外に出る』

『正気か!? ここ、戦場だぜぇ!?』

『昼間に出歩く個体は限られている。いいか? 参議院側昇降口だ。我々を優先して報道するよう伝えてくれ』


 あんまり楽観的で寒気がしたぜ。

 確かに昼も夜も動けるヴァンプぁ伯爵を除きゃあ司令だけ。その司令は例の作業に没頭中。

 だが余裕かましてどうすんよ? 日本は広ぇし、サーヴァントってもんも居んだぞ?

 拘束した伯爵もよ? 対ヴァンプ用の拘束具がどんだけ役に立つっての。クソったれ伯爵自身が開発した手錠ワッパがよぉ。


『どうした伍長。返答しろ』

『……了解だ。だが後悔すんなよ』


 もう一方の回線を開く。各小隊長とリンクする方だ。


『如月だ。門番、聞いてるか?』

『こちら、門前の第2小隊、指示をどうぞ』

『報道入れろ。伯爵の野郎を全国の皆さまにお見せするってよ。伝えとけ? 参議院の入口だ』

『……了解。彼らの入場を許可します。護衛いりますか?』

『んなモン付けたらキリがねぇ、自己責任って言っとけ。サーヴァントは入れんなよ?』

『了解。門を解錠します』


 すぐに門が開く音がした。したら予想外の人数がドっと押し入ってきやがってよ?

 TVじゃ馴染みのアナウンサーに、でけぇカメラ担ぐカメラマン、長ぇマイク持った音声。NNK……朝テレ……帝都にスポーツ……っておいおい……! スマホかざした一般人パンピーまで居んぞ!?

 隊員らの視線が一斉に俺を向く。第2小隊長は応答しねぇ。対応に追われてんだか、騒ぎに巻き込まれたんだか、

 ……まずったぜ。NNKに限定すりゃ良かったか。


「本業以外は出てけ! 遊びじゃねーぞ!!?」


 つって怒鳴りつけたが何の効果もありゃしねぇ。俺や兵士にマイク向ける奴、議事堂背景に自撮りする奴。状況解ってんのか?


 歓声が上がった。見りゃあ昇降口んとこに、沢口と黒服の男どもと……あの伯爵が立ってやがる。

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