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私が憧れの職場に入れたのは、賢者のお祖父様のごり押しでした  作者: うる浬 るに
私が憧れの職場に入れたのは、賢者のお祖父様のごり押しでした
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05 寮の内部

 まずは、管理人さんにご挨拶をしました。


 女子寮の管理人さんは母より少し年上のふくよかな女性です。寮の設備を簡単に説明してもらったあと、部屋まで案内してくれました。最後に鍵を受け取ったら終了。


「あとはこの冊子に載っているから、ちゃんと読んでおいて」


 そっけないですがこれが普通なのかもしれません。優しくしてもらおうなんて過度な期待は禁物です。生活しながら覚えていくことにしましょう。


 割り当てられた部屋は三階建ての二階部分で階段からすぐの部屋です。この階には一番奥までざっと見るだけでも左右合わせて扉が二十ほどありました。最高四十人は暮らせる計算になります。

 あと、一階は設備がある分部屋数が少ないですが、三階はほぼ同じだと思うので、この建物内だけで百人前後は暮らすのでしょうね。

 それも貴族と平民が一緒にですよ。


 魔法少女も小説のなかで驚いていましたっけ。




「ここが私の部屋」


 寮の部屋はベッドと机、クローゼットが左右の壁際に一台づつ設えてありました。中央のスペースが二メートルほどしかなく、本当に寝るためだけの空間です。

 同部屋の方はまだ来ていないみたいなので、私は入って右側を使うことにしました。


 寮自体は男女別の棟になりますが、食堂だけは女子寮と男子寮の間にありまして、渡り廊下で繋がっています。とても広くて五百席以上ありますが、去年以前に寮に住んでいた魔法師団の先輩たちも食べに来ることが多いそうで、混む時間帯には座る席がなくなることもあるんですって。


 食事は朝夕食堂で摂れますが、食堂の入り口にパン屋さんがあるので、パンを買って食べることもできます。


 今は引っ越してくる新入団員がまばらなので、食堂は解放されていますが、入団式まではパン屋さんしか営業していません。

 水やお湯はそれぞれの棟に共同の給湯室があるので、飲み物用のお湯はそこでわかせます。


 汗を流すためのシャワー室が一階の奥にありますが、貴族の館にあるというバスタブはここにはありませんでした。お爺様の別荘で入ったことがあって、ちょっと期待していました。残念です。


 外出は基本的には自由です。長期間留守にする場合だけ管理人さんに連絡が必要とのことでした。


 さて、部屋にこもって居てもしかたないので、まずは魔防部の仲間を探してみますか。

 管理人さんは個人情報を教えてくれないので、みんなが集まる食堂で情報収集することにしました。


 まだ入団式までに日があるので、それほど人はいないのですが、食堂の手前と奥側に離れて座っている二つのグループがいます。

 私はパンを購入してお茶をもらいました。パン屋さんと食堂が営業中なら、お茶は無料で淹れてもらえるんです。カップの片付けもしてもらえるので、給湯室で自分で入れるより手がかかりません。


 人のいない席に座って聞き耳を立てようかと、中央の空いているところに移動していると。


「貴族、平民どっち?」


手前側にいた、男の子四人組から声を掛けられました。


「平民ですけど……」

「あぁ、だったらこっちだよ。間違って貴族側行っちゃったら大変だったぞ」


 どうやら私が入寮するまでに、ひと悶着あったらしく、貴族と平民が分かれてグループになっていまるようでした。育った環境が違うから、なかなか大変そうです。貴族の方たちがこちらを見てヒソヒソ何か言ってます。


 とりあえず声を掛けてくれた男の子たちのテーブル席へ座ることにしました。


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