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私が憧れの職場に入れたのは、賢者のお祖父様のごり押しでした  作者: うる浬 るに
私が憧れの職場に入れたのは、賢者のお祖父様のごり押しでした
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03 憧れの魔法防衛部

 なぜ私がこんな状況に陥っているのか。魔法師団から合格の通知が届いた時から順を追ってお話します。


 自分でも驚きましたが魔法師団の試験に合格しました。それも憧れの職場、魔法防衛部、通称、魔防部です。第一希望にしていましたが魔法師団の中にはたくさんの部署があります。能力で部署が決定するので必ずしも自分の入りたいところへ決まる訳ではありません。


 魔防部は現場での魔法行使が主なお仕事です。


 騎士団が樹海へ魔獣を討伐のために遠征する際同行したり、犯罪組織を殲滅したり、魔法攻撃や防御が必要だと判断されたところへ派遣される部署です。

 魔防部は合格率が低かったので、希望する職場ではなくても、どこかの部署に引っかかって合格できれば嬉しいなと思っていました。だから第一希望に決まってとても驚いています。


 私が街で見かける魔法師団の人たちは白いローブを羽織っていて、背中に金糸で紋章が刺繍されているんですが、それがとても格好いいんですよね。子供はみんな憧れていると思います。あれを着ることができるなんて、今からすごく楽しみです。


 家ではいたずら魔法しか使っていなかったので両親もまさか魔法防衛部に入れるとは思っていなかったみたいです。せっかく合格できたというのに父から猛反対されてしまいました。


 事務系ならともかく、魔防部なんて魔獣や犯罪者と戦うことになるから危ないとか、平民は貴族にいじめられるとか、ネガティヴ発言をそりゃあもう耳にタコができるくらいしつこく繰り返してくる父。


「自分だって周りから反対されても平民になったんでしょう。私だって自分の将来は自分で決める。止められても絶対にやめないから」


 そうやって何度も反論することで最終的にしぶしぶ認めてもらうことができたんです。


 だから魔法師団の寮に入るため、私が家から引っ越すその当日まで『いつでも戻って来なさい。明日でも、明後日も、何なら今からでもいいんだぞ』そう言って最後まで私の気が変わることを願っていたみたい。


 心配してくれるのは嬉しいけど、少しは私の能力を認めてくれてもいいんじゃないですかね?


 母は無理やり駆け落ちさせる様な父と長年やってきただけあって、肝が据わっているといいますか、私と父のやり取りを見ていただけで反対はされませんでした。ただ、お爺様のことは絶対に内緒にすること、知られれば難癖を付けてくるか、媚びてくる人がいるから。貴族には十分気をつけなさいと、忠告されました。

 母が貴族だった頃、特に没落の前後、貴族社会でとても苦労したそうです。


 入団式と入寮に関する案内が届いたので、まずは入寮の手続きをしなければいけません。


 一年目は貴族も平民も自立できるよう、強制的に親元を離れ寮生活になります。私の住んでいる国は、ここ何十年も争いがない平和な時代を送っていました。魔法師団も普段は国の政策や治安に関するお仕事がほとんどですが、ひとたび砦の争いや、領主の反乱などが起これば、軍として本来の機能を取り戻します。そのため集団生活に慣れるよう二人で一部屋を使用するそうです。


 さすがに貴族のお嬢様と平民は、同室にしないと聞いているので安心ですが。


 案内書には入団式前に引越しを済ませてから、入団式までに魔法師団の自分が入る部署へ挨拶に行く手順が説明されていました。挨拶後は配属された部署の指示に従って行動するようです。


 誰かと一緒に行動できるよう、まず一番初めに寮で同じ部署の人を探そうと思っています。


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