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第二十五.五節 レジェンドたちの休息

 

「ゴメンナサイ」

「……なんのことだ?」


 ヴェイグへの事の次第の報告のあと。


「ガイゲ、コロセッテイッタノニ。メイレイナノニ……」

「……んな事で一々謝んなよ」


 ホテルの一室でベッドに寝転がっているガイゲ。頭を下げたヤマトに対し、一つ溜め息を吐いた。


「前にも言ったろ? ここは、俺たちが生きてた時代とは違う。役目やしがらみや何やらも、今俺たちがいるここにはねえ」


 大仰な手振りで周囲を指し示す。この部屋も、窓の外に広がる世界も、ガイゲが生きていた時代とは大きく異なっている。


「お前の好きにして構わねえんだっての。俺のあれは命令じゃなく、ただの指示だ。気に入らなけりゃ反発したっていい。自由にやろうぜ。それに――」


 ベッドから立ち上がったガイゲ。佇むヤマトに対し、頭を下げた。


「あん時はお前が来てくれて助かった。――謝んなきゃなんねえのはこっちの方だ。敵の脅威度を見誤るなんざ、元騎士団長としちゃ失格だ」

「ソンナ……」

「酷いですねえガイゲ」


 ヤマトの後ろから現れた死神が茶々を入れる。


「私には謝罪の言葉なんて一言もなかったですのに。ヤマトちゃんにはちゃんと謝るんですから」

「てめえは元々自分の判断で着いて来たんだろ。責任は取るが、謝りゃしねえよ」


 悪びれもせず突っ込むように言った、ガイゲが目を遣るのは死神の腕。


「傷はもう良いのかよ?」

「ええ。流石はヴェイグですね」


 傍目には全く違和感のない左腕を矯めつ眇めつ眺めて、死神は頷く。


「完璧です。以前と全く変わりないですね。直ぐにでも使えそうなくらいですよ」

「つっても、俺らは謹慎処分だからなあ」


 ――そう。


 包み隠さず全てを報告したガイゲに対し、ヴェイグから言い渡されたのはホテルでの謹慎。永久の魔が事を終えるまでの介入と、戦闘行為の一切に外出の禁止。


「勿体ないですね。それなりに面白そうな相手でしたのに」

「しょうがねえだろ。自分でこうしちまった以上、できることなんてねえからな」


 目を遣ったガイゲ。ヤマトがどこかおずおずと差し出しているコントローラーを手に取り。


「言われた通り大人しくしとくさ。蹴りが付くまで、暫くは、のんびりとな」



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