ゴミスキルの使い方2
少年が詐欺師の見学を決めた後、2人は宿屋に向かい歩いていた。
「なぁなぁ、詐欺っていつやるの?」
「明日から行動を始めますよ」
「それは準備に?」
「まぁそうですね。準備もありますが明日実行しますよ」
「はやくない?」
「いやー、見つけたネタが明日の夕方スタートなんです」
話しているうちに宿屋に到着した。
部屋を2つ借りる。
部屋は階段をあがり、2階の突き当たりだった。
「ではまた明日」
「え、寝るには早くない?まだ夕方なんだけど」
「1人でゆっくりしたいんですよ」
「なら俺は街見て回ってくるわ」
「いってらっしゃい」
「あ、準備から見学したいから、明日行くとき声かけてねー」
「わかりました」
詐欺師は1人で部屋に入り、少年は街を散策しに行った。
そして、翌日の昼過ぎ。ようやく詐欺師は部屋を出る、そして隣の部屋をノックし声をかけた。
「もう起きてますか?そろそろ行きますよ」
「起きてるに決まってるじゃん、あんた遅すぎるよ」
「いいじゃないですか、睡眠ぐらい自由にとりましょうよ」
「いいけどさ、今から準備して間に合うの?」
「勿論ですよ」
「ふーん」
「じゃあとりあえず買いものに行きましょう」
「何買うの?」
「もちろん仕事に使うものですよ」
「なんか色々楽しみにだな」
「ただあまり大きな仕事じゃないですから過度な期待はNGですよ」
「わかったわかった」
こうして2人は買いものに出る。
着いた先は大衆向けの小さな店。わかりやすく言えばコンビニの様な店だった。
「え、こんなとこで買うの?」
「意外と何でも揃ってて便利ですよ?」
「完全にコンビニだわ」
店を少し見て回り、詐欺師はある商品を手に取った。
「え、それ?」
「はい、これです」
「ただのジュースじゃん!それでどうやって仕事すんの?」
「まぁそれは見てのお楽しみですよ」
買い物を終えた2人は人目に付きにくい場所にある公園に移動した。
「では準備しましょう」
詐欺師は買ってきた味の違う2本のジュースの封を開ける。
「え、開けるの??」
「そりゃ開けますよ。そのままじゃ買ってきたのバレバレじゃないですか」
詐欺師はコンビニで買った2つの空容器にそれぞれジュースを混ぜ合わせていく。
「うわー、そうゆうのドリンクバーで昔よくやったわ」
「さて、準備完了です」
「え、ジュース混ぜただけじゃん」
「はい、それで全部ですよ」
「これで人騙すの?」
「勿論じゃないですか」
「うわ、全然予想つかんわ。どうやるか楽しみだわ」
「それじゃギルドに行きましょう」
「おけー」
「あ、忘れてました。ギルドに行く前にこの契約書にサインと血判お願いしても良いですか?」
「え、俺を騙す気じゃないよね?」
「そんなつもりありませんよ。まぁ内容読んで下さい、そしたら分かりますよ」
少年に渡された契約書にはこう書かれていた。
「契約書
この契約書にサイン及び血判を記す者(以下、甲とする)は下記の内容に同意したものとみなす
内容
1.甲が、この契約書を用いて甲と契約を結ぶ者(以下、乙とする)、の不利益になる行為を禁ずる
名前______印」
「え、こんだけ?」
「ええ、仕事の邪魔にならなければいいんです」
「まぁいいけど」
少年は名前を書き、その横に血判をおした。
「これで契約成立ですね」
「それでは今度こそギルドへ向かいましょう」
「ついにゴミスキルの使い方見れるんだな」
「ええ、お見せしますよ」
公園を出た2人はギルドへと向かった。
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