プロローグ1
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2019年4月5日、俺は今日16歳の誕生日を迎えた。
放課後、仲の良い友人達にカラオケで誕生日を祝ってもらいその帰り道だった。
現在21時、大通りを離れ暗い細道を1人歩く。
暗さ故の恐怖を振り払うかの如く、人がすれ違えば振り向くほどの声量で独り言を呟く。
「結局16になっても彼女無し童貞か…、16こそ!16でこそ彼女を!!神よ!俺は16で生まれ変わるんだ!!そしてリア充高校生活をおくーーえ!?!?」
言い終わらぬ内に、彼の足は踏みしめていた地面の感触を失っていた。
「うわぁぁぁぁ落ちーーーーない?え?ってかここどこ?」
あたりを見回す、そこは一面雪のような真っ白な世界だった。
「……穴を抜けるとそこは雪国だった?」
「お主この状況で余裕じゃのぅ」
「!」
声のする方を見るとそこにはザ・神さま、と言った風貌のおじいちゃんが浮いていた。
「浮いてる!?もしかしてその雰囲気!神さま?」
「お主も浮いとるじゃろ……、まぁその通り、わしは神じゃ」
「ふーん、で俺死んだの?」
「死んどらんよ?」
「じゃあ家に帰らせてよ」
「お主さっきから豪胆じゃのぅ、普通もっとパニックになるんじゃが……」
「いいから用事ないなら帰らせてよ」
「うるっさいのぅ、これじゃ話が進まんわい」
そう言って自称神が杖を振ると少年は口を開けなくなった。
「まぁ少し手荒じゃが話を聞け」
「(コクリ)」
「よろしい、まずお主は死んでは居らぬ」
「(コクリ)」
「恥ずかしながらわしの管理する世界がバグを起こしてしまったんじゃ」
「(コクリ)」
「バグが原因で化け物が生まれてしまったんじゃ」
「(コクリ)」
「それをお主に倒してもらいたい!」
「(コクリ)」
「(こいつ物分かり良過ぎんかの……)」
自称神が杖を振ると少年は話せるようになっていた。
「なんで神さまがそいつ倒さないの?」
「バグとは言えわしは世界の外側、わしが倒せば余計にバグが増える可能性が高くてのぅ」
「元々いる人に倒してもらったら?」
「バグで生まれた奴のステータスは異常じゃから無理じゃ」
「なら俺が行っても一緒じゃね?」
「じゃからお主には俗に言うチートスキルを与えよう」
「まじで?やった!!」
「ただし!いきなりバグステータスで世界に入れるとまたバグるかもしれんからレベルとか1スタートじゃ」
「あー、湯にカエル入れたら逃げるけど、水に入れて徐々に温度上げていったら逃げずに死ぬってやつね」
「まーそうゆうことじゃな、世界がビックリせんように徐々に強くなってもらうぞ(つーかまじで物分かり良いのぅ……)」
「で、スキルって何くれるの?」
「ん、まずは異世界転移者に必ず渡すスキル、成長速度7倍じゃな」
「なんで7倍?」
「世界がビックリせんギリギリじゃ」
「理解、他には?」
「他は転移者に選ばせとるよ、それぞれ得意な事は違うからの」
そう言って杖を振ると少年の手元に本が現れた。
「そん中から選んでくれ、決まったら教えてくれたら良いぞ」
「スキルの後に付いてるⅥって何?」
「スキルレベルじゃな、向こうの世界では生まれつきスキルを持っている。それは使って練度を高めればレベルが上がるんじゃ。出来る事増えるぞ?」
「ならあんまりチートスキル感無いなぁ」
「何を言うか!向こうのスキルレベルの上限はⅤじゃ!Ⅵは転移者にのみ許されたチートじゃぞ!」
「ふーん、決まったぞ」
「反応薄っす!ほんで早過ぎるじゃろ……まぁええわい、何にしたんじゃ?」
「このス◯ウターⅥって奴で」
「また珍しいスキルを選ぶのぅ」
「敵の強さとかわかるんだろ?俺ファイ◯ルファン◯ジーではまずライ◯ラかける派なんだ」
「よくわからんがお主が良いならそれでいこうかのぅ」
自称神が杖を振ると少年の体が光に包まれた。
「行く前に世界の説明とか無いの?」
「無いぞ、転移者にはスキルの事以外には世界の事を伝えてはいけない決まりなんじゃ」
「ふーん」
「しかも向こうに着いたらわしは干渉できんから気をつけての」
「わかった」
「向こうで死んだら普通に死ぬからの!」
「なんとなく察してるーー」
その言葉を最後に少年の姿は自称神の前から消えた。
「頼んだぞ、13人目の転移者よ……」
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