僕の従兄が双子のように僕にそっくりなんだ!
僕は、人見知りで根暗で地味な男なんだ、、、!
極力、、、目立たずこっそりと人に迷惑をかけないように、、、。
生きようと心掛けている、、、!
僕は、実家暮らしで、僕の下に2つ違いの弟がいるのだけど、、、?
弟は、僕に全く似ていないんだ、、、!
それどころか、、、!
僕の従兄が、僕と瓜二つなぐらいそっくりで、、、。
その、従兄と僕が一緒に歩いているだけで、、、?
周りの人からは、、、?
『ぼくたち、双子なの? 物凄く、そっくりね!』
『どっちが、お兄ちゃんで、どっちが弟なの、、、?』
『一卵性双生なの、、、? 本当に、そっくりねぇ~』
*
親戚同士が集まると、、、?
何時も、こんな感じで言われるし、、、!
外に行ってもそうだ、、、!
しかも、、、?
お互いの親同士ですら、、、?
僕たちのどちらが、自分の子供なのか、、、?
見分けがつかないらしい、、、。
確かに、、、?
僕から見ても、従兄は僕にそっくりで、、、。
まるで、鏡を見ているような感覚なんだ、、、!
▼
僕の名前は『勝又 明利』24歳、仕事はレンタカーのバイトの仕事をしている!
僕は、地味で目立たないタイプの男だからなかなか、、、?
僕から、話しかけるのも勇気がいって、、、!
このバイトをして、1年以上になるのに、、、職場の雰囲気や職場の人にも慣れな
いでいるんだ、、、!
・・・それに比べて。
従兄の『真田 勝貴』25歳、一流企業で働いている。
昔から、勉強もスポーツも出来る人でね、、、!
しかも、誰とでも仲良くなれる人だから、、、!
クラスでも、人気者だったらしい、、、!
見た目も僕にそっくりなのに、めちゃめちゃカッコイイし、、、!
バスケ部のキャプテンもやってたんだよ!
バスケの実力も凄かったんだって、、、!
今、従兄と付き合っている彼女も、、、!
相当な美人で、従兄の会社の受付の仕事をしているんだって、、、!
やっぱり、綺麗な女性なんだろうな~!
▽
しかも、、、!?
僕と従兄は、、、?
いつも比べられる事が多いんだ、、、!
特に、僕の親は、、、?
しょっちゅうだよ!
『なんで、こうも! 勝貴君とうちの明利は違うのか? 見た目は、そっくり
なのに、、、! 中身は、完全に負けてるし! もう少し、勝貴君みたいに
性格が明るかったら? 違うのにねぇ~』
『・・・そんな事言っても! 歳だって! 向こうの方が上だし、、、!』
『たった、1つでしょ! そう変わらないじゃない! 明利が頼りないし、、、!
比べてしまうから、余計に頼りなく感じるのよ!』
『・・・そんな、いい方しなくても、、、。』
『そうだよ! 兄貴だって! 頑張ってんだから、そんないい方しなくても!』
『正利は、お兄ちゃんより勉強もスポーツも出来たでしょ! だから、そう言え
るのよ、、、!』
『・・・母さん、言い過ぎだよ!』
『別に、明利をイジメてる訳じゃないのよ~! もう少し、しっかりしてほしい
だけなのよ!』
『・・・分かってるよ!』
『もう、ご飯いいの?』
『・・・あぁ、』
『・・・母さん、』
『・・・・・・』
*
僕は、自分の部屋に戻ってベットの上で考えていたんだ、、、!
僕だって、分かってるんだよ!
従兄みたいになれるわけじゃないけど、、、?
少しぐらい、僕もしっかりしないといけないという事を、、、!
でも、元からそういう人間でもないし、、、!
急に、変われる訳がないと、、、諦めていたんだ、、、!
▼
でも数日後、、、。
従兄から、【僕に大切な話があるから!】1人で家に来てほしいと言われ
たんだ、、、!
正直、びっくりしたよ!
子供の頃から、僕たちはそんなに仲がイイ訳でもないし、、、!
大人になってからは、余計に会う機会も減っていたから、、、。
まさか!?
向こうから、僕に会いたいなんて! なんの話なんだろう、、、?
*
僕は、仕事帰りに従兄の独り暮らしの家に寄ったんだ、、、!
【ピーポーン】
『僕だけど、、、。』
『おう! ごめん、急に呼び出したりなんかして! さあさあ~入って!』
『・・・あぁ、ううん。』
高層マンションの一番上にある! 広い部屋が従兄の部屋なんだ、、、!
しかも、、、?
ココの部屋を一括で買ったらしい、、、!
どんだけ~! 金持ってんだよ!
『・・・僕に、話って、、、?』
『話す前に、、、この事は、誰にも言わないと約束してくれ!』
『・・・えぇ!?』
『約束できるよな、明利!』
『・・・なに? ややこしい話なら、僕は聞く気がないし、、、。』
『そうじゃないんだ! あのな、ぼくは、あんまり時間がないんだよ!』
『えぇ!? どういう事?』
『・・・病気なんだ! もう長くない!』
『・・・・・・どうして、そんな事、僕に言うの?』
『ぼくに、成りすましてほしい!』
『えぇ!?』
『絶対にバレないよ! ぼくらの親だって! 見ても気づかれなかっただろう?』
『・・・でも、ずっとはバレるよ!』
『大丈夫! ぼくの取扱説明書を作ってある!』
『・・・な.なんで!』
『病気の事は、誰にも話してないんだ、、、!』
『・・・で.でも?』
『明利だって! ぼくみたいになりたかったんじゃないのか?』
『・・・まあ、そうだけど、、、?』
『だから! ぼくのモノを全部! 明利にやるよ! この部屋も仕事も彼女も
何もかも全て、、、!』
『・・・・・・』
『・・・大丈夫! バレないから! そう、心配するな!』
『本当に、バレないの、、、?』
『あぁ! 約束するよ!』
『・・・分かった! じゃ、どうしたらいい、、、?』
『今から、入れ替わる! 今日から、お前が真田 勝貴だ! ぼくは勝又 明利
になる! ぼくは車にぶつかって死ぬよ! それなら、怪しまれないだろう!』
『・・・ううん。』
『じゃ~後は、、、頼んだぞ!』
『・・・あぁ、分かったよ!』
*
こうして! 僕たちは入れ替わったんだ、、、!
僕になった従兄は、、、?
その日の晩に、、、。
従兄が言った通り、車に轢かれて救急車に運ばれて入院したんだ、、、!
死ぬことは出来なかったけど、、、?
脳死と判断された、、、。
僕の両親と弟は、、、?
毎日、病院に行って話しかけているらしい、、、!
僕はと言うと、、、?
従兄に成りすまして、いい生活をしているよ!
仕事もお金も彼女も最高だーーーーーー!!!
こんな生活、初めてだよ!
しかも、、、?
誰にもバレていない、、、!
従兄の言った通りだ、、、!
*
こんな生活が、1年続いた、、、。
未だに、従兄は脳死状態が続いている...。
僕もたまに、1人でお見舞いに行くよ。
『なあ、なんだかな? 今の生活は、とってもいいよ! でも、なんだか?
僕じゃない感じもするんだ、、、! 本当に、これでいいのかな、、、?』
・・・眠ったまま、目も開ける事のない従兄に僕は話しかけているんだよ。
最後までお読みいただきありがとうございます。