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決意

6月19日に改稿完了しました。

は「私たちの町。すなわちドエは約250年前から政権争いや他国間との戦争、農民反乱等がなく、のんびりとした生活を送ってきました。国や町が平和なのはいいのですが、そのせいか農民が勇気を持たなくなってしまったのです。」

美「平和ボケってやつね」

は「しかし今、なんだか胸騒ぎがするのです。260年前に感じたものとは違う――」

茜「260年前に何かあったんですか?」

は「その頃から約10年間アリメカと戦争がありました。大砲などによってこの辺りは焼け野原になりました。物理的には何の前触れもなかったのですが、あの頃にも胸騒ぎが」

舞「なるほど…。で、今回も何か戦争やらなにやらがあるんじゃないかと?」

は「はい。しかもその時とは違うので余計――」

ち「ふむふむ」

は「だから国民に"冒険者"という名目で兵隊を雇うことにしたのです。しかし、勇気がなく臆病な者ばかりでちっとも集まらず…。この前ようやく4人組が入ってきたところです…」

如「全く、最近の者はもやし野郎か肉の塊の奴しかおらん!なんということだ!」


"最近の者"。私たちの世界では若者がそういうことになっているというのはよく聞く。

しかしこっちの世界では平和ボケのせいで大人もそういう現象に陥ってるのか。


は「私はお願いしたいのです。どうかこの胸騒ぎの正体を暴いてほしいと。そして大事になる前に鎮火して欲しいと」

こ「やだよ。私たち異世界から来たとはいえ普通の人間なんだし」

緑「ええっ!?もう冒険者登録しちゃったよ!!」

は「えっ!?」

茜雫ち美こ卯雪舞「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」


緑の鎧のあん畜生の慌てた言動に先に驚いたのはなぜかはるかさんだった。


は「なんで了承も無しに登録したの??」

緑「すいませんはるか様…」


いや誰に謝ってるんだよ。あやまるべきなのはこっちだろうが。


雪「私たち冒険とか嫌だからな」

緑「と言われましても…もう町にポスター貼っちゃいましたし…」

卯「なら剥がしてきなさいよ。そうしてもらわないと困るわ」

緑「どうかもう一度お考えを…」


緑の鎧のあん畜生は深々と頭を下げた。

同時にはるかさんも頭を下げた。


いや、いやだよ?冒険者にならないよ?

ほら、まともに戦える人いないし、私戦い嫌いだし、あと…親の許可無いし。

絶対お断りだ。


茜「…すいませんが私たちはできませ――」

ち「分かりました!」


…え?

…ええ??

…えええ???


美「な、何言ってるのよちさ…」

ち「救いましょう!この世界を!」

卯「いや無理でしょ。大体私たちこっちの世界の人じゃないし。(身体的には)ふつうの女子高生だし。」

ち「私たちは命を救ってもらったんですよ!?それなのに恩を仇で返すのですか?」


確かにそうだ。

私たちは雨風しのげる建物に入れてもらい、温かい食事ももらって。

…謎の姉妹喧嘩見せられたけど。

ここにいなかったら私たちは今頃のたれ死んでいたかもしれない。

私、自分のことばかり考えてた。

これじゃあここの住民と同じじゃん。

当たり前の事なのになんでわからなかったんだろう。


茜「…わかりました。私たちにやらせてください」

緑「ありがとうございます!」

卯「ああ、やってやろうじゃないの!」

こ「私たちの本気の力見せてやる!」

舞「………」

美「…はぁ」


賛成の子もいれば反対っぽい子もいるという微妙な空気の中、私たちの冒険は始まることになった。


――――――――


緑「ささ、こちらです」


一応冒険者となった私たちは緑の鎧のあん畜生に案内され、無数のドアがある通路に来た。


緑「君たちは501号室と502号室を使いなさい」

卯「え、使う?」

緑「ああ、異世界から来たとか言うから宿泊する場所が無いと思ってな。それに冒険者には一応部屋分けてるし、何より余っているからな。あ、ちなみに部屋は4人向けに設計されているから2部屋準備させてもらったよ」

美「はあ、お気遣いどうも」


どうやらこのフロア(5階)は遠く離れた町から来た冒険者への貸出宿のような物らしい。

その後の話で分かったことなのだが、この建物は役所、冒険者ギルド、皇室、軍学校、その他諸々がごっちゃになっている建物なんだとか。

まあ、この建物が何であろうと雨風しのげる場所を提供してもらえるのはありがたい。


緑「話したいことは色々とあるが今日はもう遅いから休みなさい」


そう言って去っていった。

遅いって言われても今何時なんだろうか。

フロアには窓が無く、食事も行き当たりばったりだったのでよく分からない。

ただ、疲れは来たので睡眠。少なくとも仮眠は取ることにした。


――――――――


茜「まさか窓すら無いとは…」

雪「しょうがないなぁ。明かり点けるか。ライターだけど」

茜「雪音…あんたいつの間にライターなんか…」

雪「あ、これ?この前落ちてたから拾った」


雪音の"落ちていた"は正直信用できないが、そのライターのおかげで私たちは部屋に明かりを灯すことができた。


ちなみに言っておくが、501号室に、卯乃、美涼、こはる、舞香菜。502号室には雫、ちさ、雪音、そして私が寝泊まりすることになった。


茜「というか私たち冒険者になったけど明日から何したらいいのかな」

雪「わからん。ヤツが"話したいことが色々ある"って言ってたからそれについても教えてくれるんじゃないか?」

雫「そうね」

雪「さて、そろそろ寝ましょ」

ち「はいはーい」


雪音が明かりを消す。それと同時に睡魔が私たちを襲った。

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