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4x  作者: 紅音 涼。
2/2

ルール。

 やばいやばいやばいやばいやばい!

 急遽、部活廃部ってどういうことだよ!

 俺は生温い学校の廊下を猛ダッシュしていた。周りには誰もいない。

「っだぁぁああああああっ!!!」

 目的の教室を目の前にしたと同時に俺は声を張り上げた。そのまま俺はブレーキをかけずに“2-A”と書かれている教室へと入った。そこには、やっぱりあの2人がいた。

「……京吾?」

「京ちゃん、どったの?」

 俺のコトを「京吾」と呼んだのは、倉本明(クラモトアキラ)。性別は女であるが、男っぽい性格。そして、「京ちゃん」と呼んだのは、藤田美央(フジタミオ)。こっちは、名前からして女である。

「あの、さ…やばいんだよっ!」

 俺は荒い呼吸をしながらそう言った。

「何がだよ?」

 少しだけ不安そうにする明に俺は心の中で深く謝った。そして、俺は呼吸を整えて言った。

「いいか。驚くなよ…?」

「なんだよ!早く言えって!」

「あぁ、分かったよ。えーっと…部活、急遽廃止。だってさ」

 こんな事を言われて相当、理解に困っているのか明の表情は固まって動かない。俺だって、さっきまで理解できていなかったんだからしょうがないと思う。でも、美央はすぐに驚きを声に出した。

「ちょっと待ってよ…えっ?待って待って、どういうこと?」

「だから、部活が廃止。部活が無くなったんだって」

 俺は、武田先生に呼び出しされた時の会話を振り返って2人に話した。


 武田先生は、俺にこう話したんだ。

「貴方たち、5人で軽音部をしているけど、3年生が大学を希望してるのは知ってた?」

「いいえ、知りませんでした。」

「まぁ…そうよね。つい一週間前ぐらいに私も聞いたから。それで、言いたいのはその3年生2人が夏休みから、受験勉強っていうことで部活を退部、になるのよ。そうなると、貴方たちには一年生もいない訳で2年生3人での活動になってしまうから…廃止、という形になりました。」

 先生の話を聞いて俺は唖然とした。……ありえない。廃止だなんて。そんな言葉が頭の中を掛け回る。プラス、背中には変な汗がつうっと流れた。

「校長先生にも言ってみたんだけど、ルールだって言われてしまって」

「ルールってなんスか!3人でも十分に部活できますよ!」

 俺は必死になった。

「…ごめんなさいね。」

 俺が必死になればなるほど、先生は冷めたようにまた「ごめんなさい、諦めて」と言うだけだった。


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