夢と猫
家に入った。そしてすぐに自分の部屋に行った。過去を思い出そうとベットにダイブして目を閉じた。だが、俺は眠ってしまったらしい。
僕はいつも同じ夢をみる。不思議な夢を。この日もその夢だった。夢はいつも真っ白な空間にいるところからはじまっている。気がつくと、さっきまでいた真っ白な空間に草が生えている。だんだん鳥の声が聞こえてくる。そんな中、僕は歩いている。上をみると、そこには綺麗な青空が広がっている。そこには、見たことのないような不思議な生き物が飛んでいる。ただ、その生き物はとっても綺麗だ。たまに花びらがひらひらと宙を舞っている。そして突然、僕はどこからか落ちている。そこでいつも俺は目が覚める。この夢をみた時は俺の目には必ず涙が溜まっている。
今日もいつも通り家の前で待っている奏斗と一緒に学校に行く。その途中で俺は奏斗に昔の俺はどんな話し方をしていたか聞いてみた。何度聞いても、質問の仕方を変えて聞いても返ってくる言葉はわからない、覚えてない、ごめん、だった。いつにもなく真剣に答えるものだから俺まで申し訳ない気持ちになった。そこで会話は止まってしまった。そうして気まずい空気のまま学校についた。
今日は珍しく授業中寝てしまった。まずった。
その時も例の「不思議な夢」を見た。ただ、今回の夢はいつものとは違った。始めは同じ真っ白な空間にいた。が、いつもは見なかった足元に目がいった。すると僕の下だけ穴がポッカリと空いていた。視線を前に戻すと、そこには青空に浮く白い道があった。もう一度足元を見てみると、さっきまではあったアナが無くなっていた。道を歩いていると、雪のような白い何かが落ちてきていた。それに気を取られていたら、いつの間にか僕もさっき立っていた道から落ちていた。落ちたと思われる場所を見ていると何か黒いものがこちらに落ちてきていた。…あれは猫か?
そこで目がさめると同時にチャイムが鳴った。授業か終わったらしい。周りに奏斗達が集まってきくる。
「あれ?おい、星お前どうした。泣いてんじゃんw」
「ほんまやん。どしたのー?こわい夢でも見たんでちゅか?ww」
「お前珍しく授業中ずっと寝てたもんな。爆睡してたよww」
「わかんない、覚えてない。」
答えがそっけなかったのか周りが驚いたように俺を見る。ミスったな。そしたら奏斗が
「こいつ寝起きで頭回ってねぇんだよ。な、セイ?」
「え、あ、うん。…そうなんだよ。驚かせてごめんな。」
「俺もう星らしくない喋り方でビクッたよ。怒らせたかと思ったー」
「それなー。マジで怖かったww」
周りはいつも通りに戻る。今日はミスが多いな…。それにしても奏斗、ナイスすぎる。もう大好き。さすが心の友。
学校が終わり奏斗と一緒に帰っていると猫の鳴き声が聞こえてきた。聞こえてくる方へ向かうと真っ黒で空色の目の猫が捨てられていた。その猫はずっと俺を見ていた。俺は放って置けなくなり家に持って帰ることにした。奏斗は終始俺を心配していた。ずっと「お前、猫大丈夫なのか?」的なことを言っていた。何言ってんだか。俺は猫大好きなのにな。
それからというもの、不思議な夢の中には黒猫が出てくるようになった。
猫のその後
奏斗と別れたあと俺は一旦猫を家に入れた。お腹が空いてるだろうと思い、近くのペットショップまで走った。そして取り敢えず子猫におすすめと書かれていた餌を買った。
名前は適当にタマでいいだろう。よくありそうだし。