私の望みと私の力
彼女は私を蔑むように見つめました
私はそんな彼女を…
彼の魂は
この地に縛りつけられていました
彼女と共にいられない悲しみで
もう話すこともできないほど
こわれかけていましたが
なんとか見つけて
私が作った魔道具の魂の核に移しました
そしてそれをもったまま
今度は彼女を探しました
彼女は巨大な白龍になり
逃げ惑う生き物を踏み潰し
焼き尽くしていました
「久しぶりね」
私はあの子にそう声をかけました
「何をしにきたの」
あの子はそう返事をします
この世界に火を放ちながら
この世界の生き物を踏み潰しながら
実にくだらない…そんな目をする彼女
「ふふ、これなんだ?」
そうして彼の魂を閉じ込めた核をみせました
冷めた目が一瞬で怒りに変わります
「な!それは!どこにあったの!
返しなさいそれは私のものよ!彼を返して!!」
そう言って青白い火の玉を私にぶつけてきます
普通の人間なら骨も残らないほど高温の火が私に迫ってきました
私は避けることもなく
そのままその火に焼かれましたが
暖かい風が吹いてきたくらいの感覚しかありませんでした
私も変質していたのです
そうして私は彼女の背中に向かって飛びました
唖然とする彼女に
「これが欲しいの?」
と問いかけながら
その背に飛び乗って
彼女の首に隷属の首輪をつけたのです
そうして私は
狂った白龍をしたがえる
魔王になったのです
この子が世界を壊したのは
私が命じたから
この世界が壊れるのは
私がそう望んだから
この子が世界をこわすのを
私はただ微笑をたたえて見ていました
だから勇者よ
私を殺しにくるが良い
全ての咎はわたしにあるのだから
あの時間の狭間の長い長い階段を歩きながら
白い箱の管理者に
私は魔王になれるほどの強大な力を願った
あの世界で
あの子の代わりになれるだけの
あの子を使役できるだけの力を
望んで望んで望んで
あの間の空間で体感で約300日
元の世界の腕時計を持ち込んで
私の腕につけている間は
ちゃんと動いるのを確認していたので
これならなんとかなるのではと
願いながら歩きました
もう何日歩いたかもわからなくらい
望み続けて祈願して
願いが叶った様に湧いてきた力
正義にも悪にも使えるはずの力を
魔王の力にすると決め
そして今度は階段を緩やかにくだりながら
その力を魔王の力に変質させていきました
こんな簡単に願いが叶うには
実は…な話があるのですが
それはまた今度
そして私は魔王ですから
なんでもできます
人を生き返らせる以外は…
魔王ですから
殺す事はできても生き返らせる事はできません。