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のぼる のぼる のぼる

あの子の下に行くために

この階段をのぼっていく

はやく はやく

あの子が壊れてしまうまえに

それは神社にある様な石の階段でした

雲の隙間からひかりのようにのびている

よく知っている石の階段

確かに足をかける前までは

光の階段の様に見えたのにと

不思議に思いながら  

黙々と上をめざします  


油断したら

足が止まってしまいそうなほど

長い長い階段でした

止まって休みたいと思うのです

でもこの階段の先が

あの子の世界につながっている

そう思うと止まれません


よくある昔話みたいに

もし止まって休憩しているうちに

この階段がきえてしまったら

なんて考えたら

怖くて足がとまらないのです


もう何時間登っているのか

足の感覚もなくなってきていました

それでもまだ先があるのです


階段をのぼりかなら

ご先祖様はこんな苦労しないで

異世界に行ったのだろうなぁ

と羨ましくおもってしまったり


どうせ繋げてくれるなら

もっとヒュンと吸い上げる様に

向こうに繋げて欲しかった

とか 


今頃元いた世界では

私はいなかったことになっているんだろうなぁ

まあもともといないみたいなものだったし  

そんなに変わらないよね  


なんて

不謹慎だと怒られそうなことばかり頭に浮かびながら

黙々と階段をのぼります

あの世界を壊し続ける

あの子の元へ行くために


ずっとずっと歩いてあるいて歩いて

何日も歩き続けたような

たった1時間くらいのような

そんな時間の感覚もなくなったころ

やっと階段が波打ちながら降り始めました

くだりは緩やかなんだな

なんて考えて


頂上についたら

飛び降りる気だったわたしは

ちょっとがっかりしましが

また黙々とくだらないことを考えながら

歩き続けました


いつの間にか雲をぬけ

知らない大地に足をつけたとき  

やっと着いたと気が抜けて

大の字になって横になってしまいました

そうして大地を通じてあの子の存在を

ビリビリ感じながら

気絶する様に眠ったのです


着いた大地は

怒りに満ち溢れていました

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