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9 きのこ★のこのこ異能発現

ダンジョン5階にくだりここらでひとつ。


ピネスは気にしてはいたが道ゆくゴブリンを斬っているうちになんとなく忘れ流していた……校長がこしらえたという2人の服装のチェックを勝手ながら始めた。


宙を舞っていた赤いノートを手に取り開き、読み込んでいく。


⬜︎タコイカ学習帳

緒方結美(おがたゆみ):

おしゃれなダイゾーの料理頭巾★★

気合+1

お得+3


ふつうの亀のショートソード★★★★★★

威力 小減

シールド値 中

水属性+1

水耐性+3


ゴブリンなクールな緑のシャツ★★★★★★★

ダメージを受けた際 小回復

ダメージを受けた際 スピード小

風耐性+2


不黒のブレザー★

闇+1


不黒のスカート★


月のもこもこなコボルトベルト★★★★★★★

ダメージを与えた際 敵のシールド硬度小減

魔力量 小

魔力量 小減

魔力量 小


ゴブリンな堅牢なアスパラソックス★★★★★

シールド硬度 小

シールド値 小

クリティカル威力 中減



榎田椎名(えのきだしいな):

綿毛の豪快なミノたアックス★★★★★★★★★

敵を倒した際 シールド値小回復

威力 中

威力 小

クリティカル威力 大減

魔法威力 中減

重さ 中減


お気に入りのしいたけベレー帽★★★

きのこを食すほどに 極微成長


焼しいたけ色の修道服★★★

きのこを食すほどに 極微成長


風の加護のローファー★★★★★★

武器に風属性を宿すことができる(魔力を消費)

風+3

水−5



※本人の願い、成績表やメンタルチェックの結果に基づき、ダンジョンでの戦い方振る舞い方を想定し、不黒文校長先生がひとりひとり装備品を熟考ビルドしたものである。

例:

浦木幸 ゴブリンやコボルトを躊躇なく屠るほど血の気が多く、Luck値の高いラッキーボーイなのでクリティカルバランスビルド

不黒文 異能ネクロマンシーと浦木幸より高い魔力量を得意とするため魔法使役ビルド

⬜︎




(きのこで成長するって、どんな服だ気になるな…そんなのドロップしたっけ? まぁそんなことより────俺ってなんか血の気多いことにされてね? 俺ってぇ……そうなの? じゃなくてそんなことより)


「どぅ、発現した?」


「いやっまだ…ごめんね浦木く」


「まぁ気楽にいこーぜ。俺も自分の異能ってのが幸運だって校長に言われて初めてわかったし、もしかしたらもう発現してるかもしれないぞ」


「そ、そうなの? 浦木くんの異能が幸運?」


「そそ、だからさ。俺もなんか見ててわかったら教えてやるよ。異能!」


「あっ、ありがとう…」


緒方に異能が発現したかどうかをかるくピネスは投げかけ問うたが、依然何も発現した様子はないと本人は言う。

だが、既に何らかの異能がしらず発現している可能性はなきにしもあらず。

ピネスは少しだけほほえみ、緒方はとまどいながらも素直に礼をいった。


「(のこっ)!? きのこさん発見ありました!」


「えーまたあったのかよ。さすがきのこの人、あっそれって異能だったりするか?」


「えぇ。異能〝きのこレーダー〟です。きのこさんのいらっしゃる場所だけがビビッとアタマが痺れて分かる気がします、ひじょーに…のこっと…」


駆けていったきのこシスターはダンジョン小部屋の隅に生えていたそこそこ大きなきのこをもぎ取った。にっこりと上機嫌に微笑みそれをピネスたちへと片手にむじゃきに見せつけた。


「へぇーきのこレーダー、随分限定的なレーダーだな…それ(きのこだけは逆に高性能レーダーじゃね)」


「すごい異能…! それって山のまつたけもすぐ見つけられるのかも!(テレビでやってたむずかしいの)」


「言われてみりゃすごいっちゃすごいか、きのこ狩りツアーにはもってこいだなそれ。まったけ取り放題は夢がひろがるが──恨まれもしそうだな、あんまり取りすぎると」


自分の異能はきのこレーダーだと自己申告するのこっち。

もうすでにきのこくさいリュックに、新顔のきのこを押し込まれたピネスは緋色の短剣を構える。


3人の雑談最中に小部屋に迷い込んできた1列にせまるゴブリンらのツアー集団に、香るリュックを背負ったままいの一番に飛び込んでいった。





ゴブリンが部屋中に展開する前に、通路で一体一体を相手どり迎え討つことに成功。

汗を一粒かくまでもなく片付けたピネスと、持参した大斧で協力したきのこシスター。

もはや手慣れたように最後の一体を仕留めたピネスの横顔に、きのこシスターは斧の石突で石道を小突き気を引き、平坦声で話しかけた。


「ご提案です」


「あーなんだ?」


「ゴブリンさんを一体のこし、頭巾さんにそれを倒させるのはいかがですか? その異能、ゴブリンさんを栄養にのこっと地から自生するかと」


「あーーなるほ……いや、わざわざぁーー、そんなタイマンなんてしないでよくないか。ほらっあぶないし? ────いこーぜ?」


そう言うとピネスは振り返って、ショートソードを手にぷらりと持ったまま佇む頭巾の女子の方を見た。


「うっ、うん!」


親指で背方の通路奥をさしてピネスは緒方を促す。緒方は頷き、だしていた手汗しめる剣柄の剣を丁寧に鞘へと仕舞いその男子の背を追って歩き出した。


きのこシスターは何故かもうピネスがノールックで指さしていた通路中途まで進み。ピネスがそのポイントを通りすぎようとしたときに、壁際に大斧をもたれかけさせ、親指を立ててサムズアップをピネスに向けている。


「きのこジョークでした」


「あぁ? ────さっきのジョークかよ? なんでわざわざ」


「武力、きのこ力、女子力」


「すまん、あぁー……どゆこと?」


「やっぱりマイナスです♪」


「あぁ? なんで…なんでぇマイナス…」


きのこシスターのその瞳には一体何が見えていたのか。意図不明の良さげなグッジョブを送られたはずが、何かのポイントをマイナスされてしまった1人の男子。

雑談後切り替え早く、またアタマにビビッと感覚を張り巡らせきのこを探し先をゆくシスター。

そのタイトに浮かぶ尻のラインに目を凝らしピネスは後を追っていく。





▼▼▼

▽▽▽





⬜︎タコイカ学習帳

GBシャーマンナイトはゴブリンを召喚した。

召喚使役されたゴブリンA〜Jは4人に襲いかかる。

ピネスはゴブリンABCを迎撃、温まってきた体とデジャブするシチュエーションにクリティカルな感覚をおもいだし呼び覚ましていき、ついにイチゲキで3体を仕留めた。降ってきたラッキーに喜ぶピネスは背後を振り返らずボスを目指す。

きのこシスターは大斧をビュンと横薙ぎゴブリンDEFを弾き飛ばす、ピネスと並び前衛でせっせと手堅く働く。

ゴブリンGHはピネスときのこシスター暴れる2人をすり抜け、後ろに控える頭巾の女を狙おうとその爪牙を光らせ画策、走る。

しかし尖った爪は彼女を守ろうと割り込んできた白い装甲に通用せず折れ、牙は開かれた白扉に嘲笑うように砕かれ吹き飛ばされた。

ゴブリンIJはクリティカルな危険な存在となったピネスの勢いを止められず緋色のサビとなり散る────


勇ましく立ちはだかる危険に飛び込み、緋色に爆した光景が鮮やかに広がる。

巨躯は跪き、倒れたミドリは水を浴びせられた綿雪のようにダンジョンにどろっと溶けてゆく。


浦木幸、榎田椎名、緒方結美、冷蔵庫(仮)は戦闘に勝利した。


《不黒ダンジョン20FGBシャーマンナイトの大部屋》

⬜︎



ピネスが今回の目標だとおもいこんでいる……ダンジョンの20Fへとすすむ事に成功した。そして仲間の助力もあってかスムーズに前回の冒険での大敵であったGBシャーマンナイトの討伐にも成功。


「ふぅーなんとかごぶごぶを引いてラッキークリティカル……ってか。(ゴブリンだけに)たしかとりあえず20Fまで引率して切り上げろって言ってたな」


これでGBを2度葬ったさらに今回もクリティカルなイチゲキで、爽快なクリティカルを本番のボス戦で見事に叩き出したピネスは少々満足気な表情をうかべ仲間の方を振り返る。


すると後ろに控えていた頭巾アタマがポニーテールを揺らし駆け寄ってきた。

ふと前回はむにゅっと抱きつかれていた、バグった校長の距離感をピネスは思い出す。意味のないことをもんもんと浮かべてしまったがすぐに忘れ、適切な距離を保った彼女をふつうに見つめた。


「おっおつかれ浦木くん。あのぉ……。なんか先に下りていったけど…のこっちさん……」


「おぅーおつか…っておい、まじか」


「まじみたい……だね…」


きょろきょろとボス部屋の辺りを探る────が、しいたけファッションのあの娘はそこにはいない。現在見る限り誰も足をかけていない次への地下階段がそこにあるのみだ。


せっかく区切りのボスであるGBを倒しあとは帰るだけというのに何故そんなことになったのか……ピネスはすこし眉間にシワを寄せたが、異能きのこレーダーを使いふらふらと彼女は鼻唄まじりに降りていったのだろうとすぐに想像がついた。


「まぁGB相手にも難なく勝てたし次はながれでいうと30だよな? なんとかなるか? とにかくきのこの人のこっちさんを追おうぜ。って俺が引率するんじゃなかったっけこれ?(終始だれかの……尻を見ていた気がするが)」


「え、えぇ…うんわたしも追った方がいいとおもう。…うん、浦木くんがわたしたちをいんそ」


「って冷蔵庫まで先に行ってるぅー!? 俺は冷蔵庫すら引率できないのかこりゃダメだ、急ごうぜ! ってアレ止められない?」


「う、うん! なんか勝手に動くからごめんね…どう止めればいいかわからない…うっ」


「はは。あー詰められたきのこに支配されてるのかもなー、それかきのこの人を親と勘違いしてやがるのか? とにかくせっかく発現した異能冷蔵庫に逃げられたら大変だなきっとお疲れだろうがもう少し付き合ってくれ! ダンジョン!」


「う、うん。ダンジョン! ふふっ」


ドロップアイテムは捨て置き、ふらふらと先を進んだと思われる榎田椎名とガタガタとさわがしく段差をひとりでに降りる奇妙な白い冷蔵庫を追う。


彼女の発現した異能は〝冷蔵庫〟


緒方結美の顔はすこし芯から明るげに。

その背には追いついてはいないが以前より明るく追いかける。誘う男子生徒、ちょっぴり頼れるピネスと共に────21Fへとつづく石色グレーの地下階段のステップを踏んでいった。

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