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レオタード祭り

3月29日。ひまりと美織はシラサギ公国のレオタード祭りに招待された。日本時間は19時半だが、シラサギ公国は11時半。リアルと異世界には時差があり、異世界はリアルより遅い。日本とシラサギ公国の時差は8時間あるため、平日のイベントにエントリーしやすい。しかも月曜はハルクたちが12時から会議があるので、ひまりたちは彼らに便乗できた。2人は近所の公民館で落ち合うと駐車場の片隅に集まった。教官たちは呪文を唱え始めた。「レナニコッベケス、レナニコッベケス、レナニコッベケス」すると目の前のゲートが開き、4人はシラサギ公国にいた。まずハルクたちはひまりたちを会場に連れて行った。そこは体育館で小さなステージがある。彼らは2人を担当するファッションデザイナーを紹介した。ひまりはリタ。美織はレニが受け持つ。「あなたがひまり?幼いレオタードが似合いそうね。私はリタ。よろしくね」「は、初めましてリタ」「あなたが美織?幼い服が似合いそうね。私はレニ。よろしくね」「は、はい。こちらこそよろしく」ハルクたちはすぐに会議に向かった。ひまりたちはリタたちが日本語を話すので安心した。彼女たちは魔法戦士専用のファッションデザイナーだから日本語が流暢なのだ。リタたちは20歳で友人同士。ひまりたちは控え室で用意されたレオタードを目の当たりにして驚いた。すべて異世界のバイヤーがリアルで買い付けたものだが、2人の好みを熟知したかのように[ちょっぴり幼い]レオタードばかり。それも12歳から13歳向け。これより幼かったりすると似合わない。ひまりはピンク。美織はパープルのレオタードを身にまとってみた。サイズはやや小さめだが、肌ざわりがよくて高価なものだ。2人はレオタード姿でステージに立った。ギャラリーは地元の人たちで埋まり、最前列には6人のシードマンがいた。彼らは迷彩服を着用しているから目立つのだ。地元のテレビ局がカメラを回し始めた。スポットライトが眩しいが、裏方はプロなので、光の当て方がうまい。初めは緊張したが、ひまりたちは徐々に慣れてきた。もともと新体操を習っていたから発表会の雰囲気に慣れている。踊らなくてもいいのだ。ファッションショーは極めて順調に進められていった。2人はスポットライトを浴びる快楽をしっかりと植え付けられていった。熱気がすごいし、シードマンはノリノリ。テレビ局は瞬間視聴率が70パーセントを超えて大満足。腕利きのカメラマンはひまりたちの写真集を出すために2人のレオタード姿を余すところなく激写した。ファッションショーが終わるとひまりたちはリタたちはもちろん、裏方の人たちにお礼の挨拶をして回った。2人は自分たちがレオタード姿であることさえ忘れていた。続いてひまりたちは体操服とブルマーに着替えてシードマンとミニバスの試合を行う。まずは柔軟体操。2人は彼らに優しく背中を押してもらいながら股割りを披露した。痛いほどの視線を感じてひまりたちは大満足。2人は2チームに分かれたが、シードマンは背が低くてミニバスは全員が未経験。ひまりたちはミニバスの経験者だから自然と2人にボールが集まった。試合は白熱し、ひまりたちは珍しく張り合った。ひまりは周りを生かすプレーがうまく、美織はスリーポイントやフェイダウェイを決めるなど見る者を魅了した。瞬間視聴率が70パーセントを超えた。ひまりはドリブルで何人ものシードマンを抜き去り、綺麗なレイアップを決めてチームメイトとハイタッチを交わした。2ゲームして1勝1敗。2人は熱いシャワーを浴びて私服に着替えると引き続きシードマンと喫茶店で雑談に花を咲かせた。「あなたたちと対戦できないのは残念ね」「ひまり、そうとは限らないよ」「シードマン制度が復活するの?」「ミルカは恋愛の経験値が低いからね。魔法戦士側からシードマン制度を復活させてほしいとの打診があったのさ」「じゃあミルカは?」「シードマンとミルカの混合になりそうだ」「ミルカは魔法戦士に不評なの?」「必ずしもそうじゃないが、ミルカは魔法戦士をリードした経験がないからね」「当たり外れが激しいの?」「たぶんそうだね」「じゃあ私たちがあなたたちと対戦する可能性があるってことね?」「その可能性はゼロじゃない」「すっごく楽しみね。でもその時はあんまりいじめないでね」「もちろんさ。ひまりは僕たちの[マスコット]だからね」「せめて[可愛い妹]にして」「ひまりはそれでいいの?」「[対等]がいいけどね。でもあなたたちに勝てるとは思わないわ」「実際にやってみないとわからないさ」「私たちをあんまりいじめないでね」「ひまりは僕たちのブルマー戦士でいいんじゃない?」「ひっ人の話聞いてる?」「美織もだよ。僕たちのブルマー戦士でいいんじゃない?」「まっ魔法戦士は専用のコスチュームを身にまとうのがふつうでしょ?」「別にそんな決まりはないよ」

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