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鎌と短剣  作者: アリクイ
異世界生活(序章)
8/16

街へ行こうよ

 絶句から立ち直った冒険者一行は、呆然としながらもてきぱきと野営の準備をし、眠りについた。


 翌日


「いーい朝だ。久しぶりに喋ったしなんか充足感あるな。さて、いつものしますか。」


 久しぶりの人との交流で気分がいいタダシは日課の筋トレを始めようと洞窟から広場に出てくる。


 「お?早いね。どうしたんだい?」


 そこには火の番をしていたのか、アレックスがいた。


 「おう、アレックスも起きてたのか。それとも、火の番でもしてたのか?俺は今から鍛錬だ。」


 「ああ!それはいいね。日々の鍛錬は命を救う、怠らないようにしないといけないね。もちろん、休むことも大事だけどね。」


 アレックスと話しつつ、初めのころよりウェイトがずいぶん増したバーベルを持ち筋トレを始める。


 「す、すごいんだなタダシは。それも自作かい?とんでもない重量がありそうだが、どうやったらそんな簡単に持ち上がるんだい。」


 見ただけでもわかる重量感に若干引きつつも筋肉質ではあるが筋肉の塊のようにはとても見えないタダシの体に疑問を抱くアレックス。


 「おそらくそれは、火の肉体を常時薄く発動させておるからじゃろう。もちろん元の身体能力が馬鹿げていなければ近寄れんほどの熱量になるんじゃろうがな。」


 話し声に起きてきたのか、ウゴが推測まじりの見解を述べる。


 「お、当たりだ。ウゴつったか?昨日も言ってたがやっぱ珍しいのか、この特性は。」


 「いやはや、珍しいなんてもんじゃないわい。わしらドワーフでさえ稀じゃのにタダシは普人族じゃからな。前代未聞、大発見じゃよ。」


 「そうなのかい?でも確かに特性、冒険者ギルドの情報に限るが火の肉体の資料はドワーフの者のみだったきがするね。」


 話が混んできた所で、ほかのメンバーが起きだして、朝食の準備をする。

 そして、朝食を食べている途中。


 「なぁ、タダシがよかったらなんだが...街に一緒に行かないかい?」


 「ん?なんだ唐突に。街?街ねぇ...まぁ行ってもいいが、ここの残骸、もとい物資は置いていきたくねぇぞ?」


 真剣な様子で提案してくるアレックスになぁなぁにこたえるタダシ。


 「それを置いてくなんてもったいない!だめよ、おいて行っちゃあ!とんでもないお宝よ!全部最高値が付けば、それだけで一切何もしないで豪遊しても1年...いや2年は固いわ!」


 「いやだからおいてかねって言ってるだろ?落ち着けよ。」


 よほど価値があるのか、捲し立てるようにしゃべるリナリナ。


 「いやそのことならいい案があるんだ。コルマ、確か家にはマジックバッグが余っていたよね。」


 「は、はい。でもあれはただ物がいっぱい入るだけで重量も時間経過も変化しない劣等の奴でしたよね?」


 「いや違うぞい。あいつは物を入れると容量が少し増える代わりに重量が数倍になる欠陥アイテムじゃよ。じゃからどこにも買い手がつかんで、いつか使うかもとどれかのマジックバックにしまっておいたはずじゃ。今手元にあるかは知らんがの。」


 どうやら案とは、そのマジックバックなるものを使うようだ。


 「で?そのマジックバックとやらにここのものを詰めればいいのか?」


 「ああ、君の身体能力なら軽々しく持ち上げると思ってね。あ、あった多分これだね。」


 いくつかのマジックバックと思しき鞄を漁ると目的のものが出てきたようだ。

 それの見た目は普通の皮でできた大き目の茶色の肩掛け鞄だった。しいて違いを上げるなら肩掛け帯が普通より広い程度であった。


 「これにあれ全部入るのか?とんでもねぇな。」


 「ああこれは、無駄に吸収も付与されていたはずだから、開け口より広くても一部が口に入れば自動で吸い込んでくれるはずだよ。」


 「はえ~、面白れぇな。早速試しにバーベルでも入れてみるか。」


 バーベルを鞄の口にあてがうとするりと何の抵抗もなく入ってゆく。


 「お、おいそんな重い物を入れたら...。」


 地面が軋み、くっきりと足跡が残るほど重量が増加される。


 「はっはー、こりゃすごい。これ掛けてたら、無限に鍛錬できそうだな。」


 タダシは気張る様子もなく余裕そうだ。


 「とんでもない身体能力じゃな、流石火の肉体所持者って感じじゃわい。」


 「は、はわわ。じ、地面が軋みを。足跡がくっきりと、すごすぎです...。」


 とんでもない重量をものともしない様子に三者三様に驚き、呆れかえる。


 「ああ、これで大丈夫そうだな。しかし、街からはかなり遠いから、村をいくつか経由していかねばならない。その重さだと乗合馬車やキャラバンには同乗させてもらえないだろう。そこはどうしたものか。」


 「いやぁ、良いもんもらったんだ。横で走ってるぜ、その方が鍛えられそうだしな。」


 「呆れた、とんだ筋肉馬鹿ね。」


 「まあいいじゃろ。本人が言っとるし、好きにさせたら、街につけば売るか売らんかは任せるが素材を売れば、新しいものなどいくらでも買えよう。」


 そんなこんなで、洞窟の中のものを一掃しついでにバーベルも入れたままにし出発の準備が整った。


 「さて、行こうか。目標は今日中にコモの村につくことだ。」


 「よーし出発!」


 こうして、街への道行きが始まった。


短くて申し訳ない

続きは来週

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