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鎌と短剣  作者: アリクイ
異世界生活(序章)
6/16

火の肉体とは

毎週土日12時投稿実施中

頑張ります

 広場には無数の木でできたカカシのようなものと一人の男が立っていた。


「うーん、困ったな。火の肉体の練習ったって何すりゃいいのか分からん。とりあえず自由に発動は出来るみたいなんだよな。ふんっ!」


 全身に力を込めると、身体が熱を持ち始め周囲に蒸気が立ち込める。


「んで、とりあえず疲れてきたら自然に止まると。

 今の所、自分の意思で強化を止められないし体温を調節出来ないから困るんだよなぁ。火の肉体をイメージしながら力を込めれば発動するんだが工作の時も強化が強すぎて使いにくい所もあったし、そもそも体温が高くなりすぎて焦げるどころか消し炭になることもあるし、どうしたもんか。」


 自然に解けるのに合わせてダガーに触れて、強制的に体温を下げていく。


「まぁ、使いまくって感覚掴んでいくか。」


 朝から夜まで火の肉体を発動しては自然に解けるを繰り返して数日後...

 そこに広がるのは焦げたかかしのようなものの残骸だった。


「相変わらず、神様が作ってくれたもん以外は本気でエンジンかけて、強化するとすぐに消し炭になっちまうな。まぁ相手は木だからしょうがないけど。」


 そこには陽炎が出て周囲の風景が歪んで見えるほどの高温を身に纏った男がいた。

 足元は熱せられていはするものの不思議な材質の靴によって遮熱されているのか、地面の見た目に変わりはない。


「しかし、細かい強化の調整ってのは難しいな。

 しかも個別の強化ができるって神様の手紙には書いてたが、一生出来る気がせんぞこれ。」


 急激な熱源の温度変化によって風が吹き荒れる。


「ぐ...完全にこの温度はだめだな。森の中じゃ山火事になる。

 しかし、やっと大まかな体温と強化具合の調整ができるようになってきたな。」


 この広場を囲んでいる木の壁の内側は超高温になることもあるからか、焦げ付きが目立つ。


「力の入れ方が分かってきたが、相変わらず止め方が分かんねぇな。どうしたもんか。」


 体温を調節している途中で強化が切れかかる。


「熱っ!やべやべ。」


 急いでダガーに触れ体温を下げる。


「あぶねー、体温調節してなかったら今の一瞬でも死んでたかもな。」


 疲れたのか椅子用に残していた切り株に座る。


「ん-どうしたもんか。と思ったけど、体温の急低下が自己でできないのに強制的に強化を止めたら死ぬのは自分じゃないこれ?もしかして止める方法を考えるんじゃなくて、低出力で持続的に発動するやり方を考えた方が建設的なんじゃ...。」


 強化の強制停止の危険性に気が付き冷や汗を垂らす。


「やばいことに気が付いたができなかったんだしいいか。よし!低出力で維持する練習するか。まずは、どれくらいの体温と強化具合が維持しやすいか見るために軽ーくエンジンかけますかっと。」


 両手に枯れ木と石ころをそれぞれ持ち、軽く火の肉体を発動し徐々に出力を下げていく。


「この世界は物騒だし、簡単に石を砕けるくらいの強化が維持しやすいといいんだが。

 ふー、このくらいの出力が良い感じか?」


 そこまで意識しないでも維持できる出力を見つけて強化具合を試す。


「おわ、石が豆腐みたいに崩れた...まぁこのくらいなら大丈夫か。体温の方はどうかなっと...枯れ木は燃えてもないし焦げてもいないな。どれくらい熱いのか分かんねぇけど枯れ木は焦げたりもしない温度か。」


 少し力を込めただけ石が崩れる。

 体温の上昇は40~50℃程で収まった。


「これは、力の制御をしなけりゃ物を持つにも苦労しそうだな。

 こっからが本格的な修行って感じだな。」


 そう呟くと今度は、細くした木杭を乱雑に突き刺しだす。


「やっぱ、修行と言えば筋トレに次いで細い足場渡りが基本だろ。

 あと適当に森の中走っとけば強化の具合には慣れてくるだろうし。」


 広場の半分ほどの面積を杭で刺し終わった後、大蛇の骨を芯に丸太を重りに使って皮を使ったひもで縛り簡易的なバーベルを作る。


「これで完成っと、とりあえずは朝から昼まではここで筋トレして昼から夜までは採集と周辺地理の確認がてら森を走り回るか。そうと決まれば、飯食って森に出るか。」


 森に出て数十分後...


「おわっと!森は木の根が邪魔すぎるな。あ、これ食える奴じゃん、はいうまうまっと。」


 木の根につまずくが、食べられる木の実を付けるものだったので、皮を結んだ簡易的な風呂敷鞄に詰め込んでいく。


「いやーとりあえず乾かすだけ乾かしてた皮が良い感じに布っぽくなってくれて助かったな。

 このくらいの体温ならどうってことないみたいだし。しかし、森ってのはある木ずらいってのは聞いたことはあるけど実際に体感すると聞いてた以上に厄介だな。」


 そうして、食べられそうな木の実や野草を採取していると日が傾いてくる。


「そろそろ戻らないとまずいな、木を傷つけていきながらだと中々鍛錬にならなそうだったが、結構きつかったな。」


 洞窟に戻り、今日の収穫を肉を食らって腹を満たしつつ確認していく。


「結構取れたな、ええとこの果実はこの前食った。

 この草も食えたっと。」


 今日の収穫は、ブルーベリーのような形をした赤い果実と高い木になるリンゴのようなピンク色の果実、緑が鮮やかなハーブに赤い色をしたハーブのような野草だった。


「腹減ったからってよくこんな赤い草食べようとしたな俺。ま、いい感じのハーブで肉に合ったからめちゃくちゃいい拾いもんだったけどな。この緑のも、苦いがそれがアクセントになるし、肉をさっぱり食えていい感じにうまいんだよな。」


 赤いハーブを肉に擦り込み緑のものと一緒に串にさし、火にかける。


「緑と赤で全回復薬ってな。」


 そんな冗談を交えながら、今日を終える。


-----------------------------


「ふぬ!ふん!ぬん!」


 朝方から景気づけに先日作った丸太バーベルで、筋トレを行う。


「ふん!っと、いやーこの強化具合だと丁度良い重さだな。この骨も軋みもせずに重さに耐えてるしいい感じだ。心配なのはむしろひもの方だな。」


 バーベルを置き、次は杭足場を試す。しかし...


「おわっ!いてて...これめっちゃ難しいな、重心の掛け方とかもあるんだろうが足場を移るタイミングも難しいぞこれ。」


 細い杭にしたせいか、2,3本渡ると落ちてしまう。


「これは、かなり強化された身体能力の制御の鍛錬になるな。やっぱ漫画の知識は役に立つな。」


 この調子で、筋トレと足場渡りを繰り返して昼頃になるころには多少成長する。


「よし、10本くらいなら連続できるようになったな。反射神経なんかも強化されてるだけはある。

 昼を食べたら、森に出るか。今度は傷つけた木の先まで行って、別ルートで帰るようにしてみるか。」


 昨日に引き続き森に出ると、開けた場所に出る。その中心付近には湖があるようだ。


「森の中の湖か、幻想的でいいな。ん?この付近にはあの緑のハーブが多く生えてるな、赤もちらほら見える。群生地か、いいところを見つけたな。」


 湖の周りにはわさわさと緑と赤のハーブが生っている、中には見たことない色のものもあった。


「いやーうまうまだな、これで草探ししなくて済む。お、これは見たことないやつだな。これもとっておこう」


 ハーブの群生地を見つけ、ほくほく顔で探索を続けると肌がピリピリとする気配が近づいてくるのが分かる。


「この感じは...あの蛇のいやな感じじゃないか。これはチャンス!修行時間が増えるぞ、気合入れていかないとならんな。」


 風の流れを見つつ、風下の方からと近づいていくとそこにいたのは普通の角狼の群れだった。


「あれ?確かに蛇の時よりは弱い感じだったが狼か。と思ったが、奥にでかいやつがいるな。あいつか。」


 その群れの中心に普通のものより二回りは大きく、角は二本に増え立派な鬣がふさふさ生えていた。


「はーありゃあ上位種ってな奴か。なかなかカッコいいじゃねーか、しかも強そう。」


 そうして、無防備に観察していたからかボス角狼に見つかり警戒の体制をとられ、角狼を嗾けられる。


「あ、やべ!クソこいつら寄ってたかろやがってずりぃぞ。

 クソ、エンジン全開!速攻でぶっ潰して群れごと文字通りの俺の糧になってもらうぞ。」


 流石は火の肉体で、近づく角狼をちぎっては投げながらボス狼に近いていくが...

 ボス狼の角の間に紫電が走ったかと思うと、仲間の角狼事こちらに雷撃を放ってくる。


「っぎああああ!あばばばばば!っく、こいつ仲間ごと攻撃してきやがって...強化を強くしてなきゃやばいとこだったぞおら!」


 そんな言葉はもちろん通じているわけはなく、引き続き雷撃を放ってくる。


「そっちがその気ならなぁ...おらぃ!避雷針ならぬ避雷狼じゃい!」


 埒を開けるために襲ってきている角狼をぶん投げ避雷針にして一気に懐に入り込む。


「終わりだ...!」


 ハルパー抜き放ち首を落とそうと振り切ろうとするが...


 ボス狼あらため雷狼の周囲が煌めくと雷撃が走りぬける。


「っぶねぃ!クソ!近距離対策は万全ってか?!ならこっちも遠距離だ。掠るだけで即死級のダガーを食らえや!」


 直前で気づき慌てて飛び退きその飛び退きざまにダガーを投げつける。

 雷狼は逃れようとするが運悪く後ろ足に刺さってしまう。

 雷撃を乱射し抵抗しようとするがすぐさま凍り付き死に至る。


「よし、やっぱ投擲はもっとも単純で効果的な遠距離攻撃だな。」


 ボスを倒された角狼の群れは森の奥に逃げていく。

 そこに残ったのは雷狼の死体と合わせて6体ほどの角狼の死体のみ。


「あー、これどうやって持ち帰るかな。ん?あれは。」


 持ち帰る方法を考えていると木の蔓が目に入る。


「あれは蔓か、いやいけるか?まぁ試してみるか。」


 木の蔓をハルパーで、ちょうどいい長さで切り狼の胴体を括り付け纏めていく。


「お?いけるな。よし帰って狼パーティだな!あんま美味くないけど、ハーブの方もいっぱい手に入ったしちょうどよかったな。」


 帰路につき、夜が明ける前に帰ることができた。


「いやー今日はいろんなことがあったが、いい感じだったな。」


 そして、そんな日々を続けること2ヵ月程すぎた時運命の歯車はまた動き出す。



次回は来週

物語が動きます

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