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鎌と短剣  作者: アリクイ
異世界生活(序章)
4/16

洞窟生活 開始

 目の前に聳える長大で上が見えない崖にぽっかりと開いた洞窟。


「お誂え向き過ぎて恐ろしいくらいの立派な洞窟だな。こういう洞窟って熊とかが根城にしてるって聞くし結構やばいかもしれんが、もう空腹もやばいしあれから何時間経ったかしれんが日も落ちてきそうだ。気ぃ引き締めていくか!」


 洞窟の入り口はタダシの身長の二回りほど大きく手を伸ばしてギリギリ手がつくほどの大きさだ。


「ありゃ思ったより深くないんだな。でもこりゃいいわ、途中で曲がって入り口から一番奥が見えねぇじゃんか。まじで、目的にピッタリすぎて怖いわ。よしそれじゃ、早速...さ..っそ..く、ってバチバチに凍らせてるから火がねぇと食えねーじゃねーか!急いで用意しねーと日が暮れちまうぞ!」


 その場に凍らせた角狼を置き急いで外に出る。外は日が傾き始めており空が赤く染まっていた。


「ええっと、いるのは枯れ木に枯れ葉あとこいつの試し切りで周辺の木を何本か切ってみるか。どうせこの後あの狼を食うんだし、能力使っても変わらんだろ。それに、木を何本か入り口に立てかけときゃけもの入ってこれねぇだろうし。」


 急いで枯れ木や枯れ葉を集めて角狼を縛っていた布を使って纏め腰にくくりつけると、洞窟周辺の比較的細い木にハルパーをたたきつける。


「そ~れ、えんやこらっとっとっと。」


 すると、ハルパーはわずかな抵抗のみで木を切り裂いていく。


「おお~こりゃすげー人参みたいに切れやがる。細い木を選んだとは言え余裕で俺の胴体ぐらいはあるのに、狼一体分の血でこんだけ切れ味上がるのか。やっぱこえーわこれ気をつけよ」


 その後、幾本か同じ要領で切り倒し枝打ちすらせず、洞窟に運ぼうとする。


「本格的に日が落ちてきたな。さぁて、行くぞ行くぞ行くぞ!エンジンかけろ!!!」


 発破をかけるように、気合を入れると足元から焦げ臭いにおいが立ち込める。


「よし!発動した。さっと木が燃えちまう前に持ってくぞ。」


 火の肉体の身体強化はすさまじく、一抱えもする自分の身長の何倍もある木を二つ同時に担いで

 悠々と往復する。

 自分が通れるほどの隙間だけを残し、能力が切れる前に火だけはつけておこうといそいそと洞窟内

 に舞い戻る。


「うっし、途中で手ごろな石も集めてきたし早速火ぃつけよ。」


 きっちり焚火の形を作り、手に枯れ葉を乗せるそれだけで枯れ葉は煙を立ち昇らせる。

 その状態で両手をこすり上げ、焚火に向かって両手越しに息を吹きかけると、火がごうと焚火に当たり燃え移る。


「ついたな、あー体温上がってきたかもダガー触らなきゃ。」


 そうしてダガーの刀身に触れて体温を下げつつ、凍り付いた角狼を火の傍にやり溶かし解体を始める。


「狼の解体どころか、生き物を解体してる所見たことすらないんだが、どうすればいいんだろ魚的な捌き方でもいけるかな。内臓は傷つけちゃ台無しになるんだったか。ハルパーしかまともな刃物ないけどこれ気を付けにゃならんな切れ味やばいし、ほんとにまともかっていうとかなり疑問だが。」


 少し毛皮付近が溶けてきた角狼の腹に慎重にハルパーの鋒を滑らせる、すると凍って固形化した内臓があふれるてくる


「おえー、超グロい。グロいけど特に平気だな、自分のバラバラ肉片みたからか?ま、あれ以上にグロい光景なんかないか。あ!内臓傷ついてんじゃん、これ内臓の中までがちがちに凍ってなかったら飯がさらにえぐいことになってたな。ただでさえ、調味料ゼロの原点回帰焼肉なのに危なかったぜ。」


 内臓を焚火の傍に寄せて、さらに解体を進める。


「皮は剝ぐのは無理だな肉側から大雑把に切り取ってしまおう。」


 解体が終ったって出来たのは肋骨付きの肉、四肢の肉、背の肉、皮に大幅に残った肉だった。

 解体して肉が出るたびに骨付きは骨を支柱に骨付き以外は木の枝を串にして、焚火に突っ込んでいたおかげか、初めの方の肉は香しい匂いを放っている


「ああーハルパーのおかげか凍ってたおかげか全く地に濡れなくて助かったが手がめちゃ生臭くなっちまったな。くそ、とりあえず慣れるしかねぇか。」


 皮に残った肉はとりあえず置いておき、早速焼けてきた肉に手を出す。


「匂いはうまそーだな。よし実食と行くか!」


 まずは一口と口に入れる。


「あぐあぐ...か、硬ぇ。これが唯一の食材か。終わってるが、希望はけもの臭さがハルパーで血を吸ったおかげか焼いたおかげか食べらんねぇ程じゃねぇってことだな。ただ流石にクソまずいが。」


 文句をたれつつ黙々と咀嚼し腹に狼肉を収めていく。皮に残った肉も苦戦しながら切り取り食べる。

 幾時経ったか頭と皮と骨と内臓以外の肉は皮に残った少し以外なくなっていた。


「ぶはっ、食ったな。まさにこれが弱肉強食ってやつだ、今度はもっとうまいやつが食いてぇな。」


 腹が膨れたからか、急激に意識が遠のいていく。


「ねみぃ、寝ちまうか。とりあえず入り口は木で塞いでるし大丈夫だろ。」


 寝具など何もない場所で横になる。様々なことが起こったことによる心労もあるのだろうか、そんなことすら気にすることなく眠りについた。


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 それは異様な匂いだった。


「クセェ!なんだこれ!」


 それは残った狼の残骸が解けて腐り始めている匂いだった。


「そのまんまにしちまったのは、さすがにまずかったな。また凍らせてから外に埋めちまうか。」


 匂いに耐えながら早速ダガーを触れさせて凍らせつつ肉をはぎ取りぼろぼろになった皮に残骸をまとめてゆき、外に出す。


「凍らせたら、匂いましになったな。さてと適当な枝使って穴掘るか」


 まず掘る場所の土をほぐすために昨日から酷使気味のハルパーで切りつけてから、枝でほぐれた土を外に掻き出しついでと穴の側面をたたいて整えていく。


「よーしそこそこ深い穴が掘れたな。それにしても、そもそもの俺自身の力が強くなってる気がするぜ。

 火の肉体の力か?まぁいいか、ポイっと。さて今日の食い扶持を探しに行くか。」


 洞窟の入り口に戻り、木で入り口を完全にふさいでしまうと早速森の探索を始めた。


「差し当たって、昨日見つけた滝まで行くか。昨日は水分より栄養だったから、その場で飲むだけだったし、てか生水飲んじまったけど大丈夫だったな。こりゃ、飯食う前か寝る前に軽く火の肉体発動しなきゃ、食中毒か何かで早々に死んじまいそうだ。」


 えっちらおっちら件の滝を目指しながらハルパーで木を傷つけて進む。


「水に匂いだ、近いな。しかしあの崖から流れてるのにずいぶんな水量の滝だったな。途中から噴き出してんのかね?」


 ひとしきり考えを巡らせていると、水が地面をたたく音が聞こえる。


「おし、着いたな。さてどうやって水を持って帰るかな。

 そうだ、ダガーで一部をこおらせりゃそのまま持って帰れるな。

 凍るのが早かったら、ハルパーで抉っちまえば大丈夫だろ。」


 言うが早いか、片手にハルパーを構えながらダガーを水に少し触れさせる。するとすごい勢いで水が凍っていく。


「まずっ。そおい!」


 昨日からの切れ味はまだ健在で、一太刀でダガー周辺の氷を切り取るとほんの少し氷が広がり続け、すぐに止まる。


「勿体ねぇが、放置しとくか。下流に行くまでに溶けるだろ。」


 切り取った氷は靄が出続けている。


「このままにしてたら、一生溶けないだろうな。戻って木で容器でも作るか」


 ハルパーの目印を見ながら洞窟に戻り、入り口の木の内の一本を自分の腰の高さまでの長さに切ると、中をくりぬき始める。そしてできたのは木をそのまま使った樽だった。


「よーし、中に虫はいなかったし切り口の端を切って蓋にしたし、削って入れていくか。」


 ハルパーで氷を拳大に削り取って樽に詰める。

 ダガーと氷の接触面に到達すると、自然にするりと抜けてしまう。


「水も確保できたし、そろそろ狩りに出るか。昨日みたいに好戦的な奴がいればちょっと楽なんだがな。」


 森の探索を始めるが、朝早く起きてしまったためか朝霧が出て視界が若干悪くなる


「霧が出てきたな。まぁこれで風の向きが分かりやすくなったし、滝の方へ行ったらいい目隠しになってくれるだろ。水場は、野生動物の給水場所になっているっていうから獲物を見つけやすいだろうしついでにもう一回水汲みに行ける。」


 そうして滝まで舞い戻るとそこにはちょうど鹿(のようなもの)(のようなもの)が水を飲んでいた。


「いいな、とりあえず血抜きと長期保存は手元にあるものでできるから、多少多く狩ってもいいだろ。能力を使うにしてもカロリーがいるみたいだしな。だが、悲しいかな遠距離攻撃手段がねぇな。」


 そうしている間にも、獲物は水を飲み終えようとしている。

 その時、ふと足元を見ると手のひら大の石が見えた。

 触ると何とも硬そうでごつごつしている。


「これは原始的だが素晴らしい、人類発展の最もたる武器じゃないか。よし、エンジンかけるぞ!」


 大きく叫ぶと、獣たちは俊敏に察知し即座に逃げを打つ。


「逃がすか!投石とは人間の最も手軽で殺傷能力抜群の遠距離攻撃手段なんだよってなぁ!」


 朝霧が蒸発し、その開いた空間に湯気が満ちる。

 投げた石は猛烈なスピードで、唸りを上げて突き進み...地面にぶち当たった。

 しかし、とんでもないスピードで放たれた石は地面に当たると轟音を奏でながら地面とともにはじけ跳び、猪っぽい動物にクリーンヒットする。

 その猪は、もんどりうって倒れる。近くにいた猪も巻き込まれたように倒れ、爆心地の周辺には倒れた獣が数匹列をなしている。

 轟音に驚き、こけただけの獣は即座に離脱し森の奥に消えていく。


「すっげ...なんだこれ。っと呆けてる場合じゃねぇ、獲物にとどめを刺さねぇと、ストレスでまずくなるって言うしな。」


 余りある身体能力を使い、一瞬で近くによるとダガーで猪を凍らせることのないように、次々に刃の腹の部分を押し当てては体温をギリギリまで奪うことで身動きをとれないようにしていく。


「よし、これでハルパーの血抜きの時間が作れるな。それっと。」


 次にハルパーで血を抜き、失血死させていく。

 今回の獲物は自分の倍ほどもある猪が1頭とその取り巻きにいた。自分の腰ほどの猪2頭だ。


「血抜き終わりっと。さて運ぶか。」


 いつの間にかずいぶん長くなったように思えるハルパーを包んでいた布を一番でかい猪に巻き付け背に背負う。神の特製であるからか服の上からなら熱が伝わらないというとんでも熱遮断性能をしている。

 しかし、肌の周辺の空気はとんでもない熱気を放っているので念のために背負った猪にダガーを突き刺しておく。


「よし戻って解体するぞ!」


 両手に猪、背に猪、湯気を上げながら木々をたまになぎ倒しつつ爆走する。


 夢見た狩猟生活(笑)が始まりだす。


やっぱ、チートってすごいですね

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