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鎌と短剣  作者: アリクイ
異世界生活(序章)
14/16

ビギナーの仕事

 朝飯を火竜の鳩尾のメンバーと食べながら今後のことを話す。


 「ここまでありがとうな。これからはいい感じにビギナーらしく冒険者の仕事に精を出すとするよ。」


 「火竜の鳩尾に誘おうかと思ったけど...確かに贔屓なんて言われたらタダシもいやだろう。

 その代わり上位ランクに上がったら自慢させてもらうよ。流石僕たちが見込んだ人だってね。」


 「別に根性の別れじゃないんだからそんなに惜しまなくていいんじゃない?そもそも私たちは同じ宿に泊まってるんじゃない。」


 一人湿っぽい雰囲気を出しているアレックスにリナリナが突っ込む。


 「じゃが今のところはこれでお別れじゃよ。儂らは早速遠出の依頼を受け取るからな。」


 「そうだったのか。大変だな。」


 「じゃ、じゃあタダシさんも頑張ってくださいね。」


 「ああ、コルマ達も頑張ってな。」


 火竜の鳩尾と別れを告げて宿を発ち冒険者ギルドに向かう。


 「おう、バッカスのおっさん金を受け取りに来たぜ。」


 「お!期待の新人がやって来たか。待ってたよ、別室に行って内訳の話をしようか。」


 早速ギルドの応接間に通される。


 「さて今回の合計は、金貨が10枚に銀貨が40枚、銅貨が32枚ってとこだ。ま、とんでもない大金だな。」


 「あー、それがどんだけすごいのかは知らんが大金ってことは分かるな。」


 「驚くのはまだ早いがな、なんせこれは依頼の額を含んでない。今出てる常設の依頼を抜いても相当の額だぞ。」


 そう言うとそこそこの分厚さの紙束と一枚のリストを出す。


 「こっちが依頼書でこっちが買取のリストだ。魔晶の森の中でも手ごわいやつらの素材が多かったから依頼も相応にあった。あと本来出されるはずだったタイラントスネークの討伐依頼の報酬もある。たんまりな。」


 「確かにそんな奴もいたな。しかし、依頼ってそんな簡単に受けれるんだな。」


 「タイラントスネーク以外は全部納品依頼だからな。現物さえあれば依頼は受けられる。さ、ギルドカードを出してくれ。後付けだが、依頼の受注精算処理をせにゃならんからな。」


 ギルドカードを受け取ったバッカスは登録したときと同じ黒い石板にギルドカードと依頼書らしき羊皮紙を翳していく。


 「ほい、終了だ。ちょっとまってなランク昇級をするからよ。おい。」


 横に控えていた女性にギルドカードを渡すと女性は部屋から出ていく。


 「で、報酬の話だが8つの依頼で合計金貨6枚に銀貨20枚だな。タイラントスネークの依頼は金貨10枚だ。」


 「はっ、一晩で大金持ちか。笑っちまうな。」


 「合計で、金貨26枚に銀貨60枚、銅貨が32枚だな。向こう3年は遊んで暮らせるぞ。」


 そんな話をしているとさっきの女性が袋を3つ持って現れた。


 「おお、ありがとな。これがお前のギルドカードだ。金の方はギルドに預けられるがどうする?一応どこの支部でも引き出せるぞ。」


 「じゃあ、金貨20枚だけ預けとくよ。これで話は終わりか?そろそろ今日の依頼を確認したいんだ。ルーキー冒険者だからな。」


 金貨の袋から6枚金貨を出して銀貨の袋に入れて残りを預ける。

 鈍い鉄色から光る銀色に代わったギルドカードと2つの袋を持って席を立とうとする。


 「ああそのことなんだが、一つ依頼を受けちゃくれんか?鉱山付近の迷宮(ダンジョン)に厄介な奴が出たみたいでな。」


 話を聞いてみると低ランクがよく狩りをしているエリアにアイアンゴーレムが出てしまたようだ。

 それも普通のものではなく金属のものを操ることができるらしく、この街の冒険者がよく使う金属製の武具では太刀打ちできないようだ。


 「それは、ビギナーのやることじゃねぇだろ。しかも俺だって武器はこの通り金属製だぞ。」


 「いや、見たところそれは魔法金属っぽいから大丈夫だろう。奴は魔法金属までは操れないらしい。」


 腰の武器をたたきながら主張するが、切り返される。


 「仕方ねぇな、観光と思って受けてやるよ。で、報酬はうまいんだろうな。」


 「もちろんだ。迷宮(ダンジョン)のゴーレムは魔鉄鋼を落とすからな。精練なんかせずにそのまんま魔鋼が手に入るって寸法よ。だから、基本的にはゴーレム系は金のなる木なんだが、今回は街の奴らと相性が悪かったみたいだな。」


 また1枚の紙を出す。


 「これが依頼書な。ギルドカードを出しな、受注するからよ。」


 「ほいよ、しかし準備が良いな。もとから受けさせるつもりだったろ」


 「まぁな。よし終わったぞ。じゃ気をつけてな。」


 「ああ、死なないように気を付けながらぶっ殺してきてやるよ。で、そいつが出る迷宮(ダンジョン)ってのはどこにあるんだ?あとそいつが居座ってるエリアも教えてくれ。」


 「そういや、地理が分からんのだったな。地図を用意させる。あと、迷宮(ダンジョン)の門の手前にいる警備兵にギルドカードを見せたらそのまま入れてもらえるぜ。」


 地図をもらい、件の迷宮(ダンジョン)に着く。そこは、昨日案内された生産区画方面の門から出てすぐだった。


 「こりゃ、区切られてるがまだ街の中って言って過言じゃねぇな。」


 迷宮(ダンジョン)の入り口は鉄の門のようで精巧な修飾が施されていた。

 門の手前にいた警備兵にギルドカードを見せて通らせてもらう。


 「よし!気合入れていくか!」



続きは来週

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