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人間とは愚かで哀れな生き物である。

作者: 長橋舞

人間共は本当に愚かである。例をあげると、人間の若いのが呼んできて、だが面倒くさかったので無視をした。すると、石を投げてきた。猫の世界では、面倒くさければ無視をしても良いことになっている。だが、人間は石を投げてきた。この、世界で最も偉い猫様にむかってだぞ!人間は猫に餌を献上していればそれでいい。餌をもらえばもう用無しだ。だが、また石を投げられては嫌なので、仕方なく次に側を通りかかった女になついてやった。しかしその女は、この偉大なる猫様に向かって「来るな毛が付く」と言ってきおったのだ!人間の分際で生意気な。だがこの時、僕は人間には猫嫌いがいるとは知らなかった。だが、もう人間の相手は疲れたので、もう人間には金輪際一切手を出さないことにしようと、心に誓った。だが、ある日、人間が寄ってきた。しばらく餌にありつけておらず、体力がほとんど無かった僕は、無視を続けた。だが、人間は僕を穴が開くほど見つめた後、その人間は、僕をを家に持ち帰ったのだ。もう気力も体力もほとんどない僕は、黙って人間に従った。もし、この人間に殺されるのなら、それが運命なのかもしれない。そう思えてきたのだ。だが、その人間は僕を虐めたりはしなかった。それどころか、この僕を可愛がっているのだ。「まあ、別に、お前が撫でたいなら、撫でさせてやってもいいんだからな?」と、言いつつ、ぼくは喉を鳴らしてやった。しばらくして、人間がもの凄い勢いで立ち上がった。僕は驚いて尻尾を爆発させた。人間は、「ごめんごめん」と言いつつ、僕を撫でる。何かと思えば、名前をつけたいそうだ。かの有名な猫にも名前が無かったそうだから、僕は別に名前などいらぬ。だが、名前がないとなにかとふべんなので、とりあえずつけてもらうことにした。人間は、「お前は白猫だから、『シロ』にしよう!」と元気に言った。いや、叫んだ。の方が正しいだろう。あまりにもうるさかったので、僕は思いっきり体の毛を爆発させ、背中を反らせた。シャー‼︎!と思いっきり威嚇した。人間は、「ごめんごめん」と苦笑いしながら言った。全く、叫ぶなよーおっと、うっかり口が悪くなってしまった。だが、僕が怒るところはそこではない。一言で言えば、「名前が安直すぎる。」だろう。もう少しきちんと考えてはくれないのかと、うっかり飛びかかるところだった。だがしかし、ないよりはましだと思ったのでどうにか我慢することにした。まあ、名前なんぞどうでも良い。この話は置いておいて、ついでに蹴飛ばしておこう。まあ、あの出来事が起きたのは名前がついてから8ヶ月ほど経った時だな。いつも通り人間が仕事から帰ってきた時だった。いつもより機嫌が悪かった。慰めてやろうと足に控え目にすりついてやったのに、「来るな!」とはじき飛ばされた。どうやら、仕事でミスをしたらしい。「大丈夫か?」と心配して近づいて行った。だが、次の瞬間、僕の視界ははじけ飛んだ。あれからどれほどたっただろうか。僕は僕を見ていた。すかさず僕は理解した。幽体離脱だ。目の前では、人間が僕の遺体を抱いて慟哭をあげていた。自分で僕を殺めたくせに、何故悲しがるのだろう。僕たち猫には理解できぬ。やはり、人間は愚かで哀れな生き物だ。

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