母さんとエリと一緒に食事をする
「いいよだけど今日は俺カクス先生に残れて言われたから少し待ってくれるか?」
そうして俺達が話しているとリヒトさんが声を掛けた。
「そこの君達少し静かにして貰えるかな」
リヒトさんに言われたので俺達は喋るのを止め授業を聞いた。
「それじゃ今日はここまでにしようかカクス先生が戻ってくるまで待ってもらえるかな」
リヒトさんは皆に言って俺達はカクス先生が戻ってくるのを待った、待っているとカクス先生が教室に戻ってきた。
「よしそれじゃ今日はこれで終わりだ、さっきリヒトから聞いたが皆の力は大体わかったそれじゃ明日からもよろしく」
カクス先生が言うと皆帰る支度を始めた。
「じゃあここで待ってるねユート」
エリが言って教室で待ってて貰う事にした、するとカクス先生が俺を呼んだ。
「ギリシアユートこっちに来い」
カクス先生が呼んだので俺はカクス先生の元へと行った。
「はい先生」
「よしそれじゃあさっきの魔法について教えて貰おうか」
「あれは母さんに教えて貰っただけですよ」
「本当か?嘘じゃないよな」
「本当ですよ聞きたいのはそれだけですか?だったら帰らせて下さい」
俺は先生に嘘をついたがこれならすぐに帰れるだろうと思っていると教室にリヒトさんが入ってきた。
「よく来てくれたリヒト」
どうやらカクス先生がリヒトさんを呼んだらしいエリも教室に入ってきたリヒトさんに気がついた
ようだ。
「それでリヒト彼はどう思う?」
「私はいいと思いますよ彼の魔法の強さはまだまだわかりません」
なにやら二人で相談し合っていた、俺も気になっていると二人が俺に言ってきた。
「まだ決めてないがギリシアユートお前には生徒会に入って貰うかもしれない」
「はあっ」
すると今まで静かに待っていたエリが立ち上がって声を出した、カクス先生もリヒトさんもエリに気付いた。
「それ、本当ですか先生?」
エリは立ち上がると俺達の居る方に歩いてきた。
「もしかしたらだ、こいつの魔法なら生徒会にも入れるかもしれない」
俺はまだこの学校について全然知らないので生徒会がどういうものか聞いてみた。
「あの生徒会ってそんなにすごいんですか?」
「ユート知らないの?この学校の生徒会はやばい奴らの集団よ」
エリが俺に説明してくれた。
「この学校では先生の次に偉いのは生徒会なのよ」
「それはどこの学校でもそうじゃない?」
エリがそんなに驚くなんてどんなものかわからなかったが普通だったと俺は思った。
「普通の学校と一緒にしないでここは魔法と能力の学校よ」
確かにそうだが俺にはあまりエリが驚くことを理解できなかった。
「そうだね、それなら私が説明しよう」
するとリヒトさんが喋りだした。
「私達生徒会はこの学校では無敵の魔法者と呼ばれてるんだ」
「そうなんですね」
俺はリヒトさんの説明を聞いていた。
「生徒会に入ったらこの学校のあらゆる魔法の本を読めたり、それに先生の助手になって私みたいに授業を教えられるんだよ」
「それはすごいですね」
俺がリヒトさんの説明を聞いていると少し魔法の本について気になった。
「だけどそんなにすごい生徒会に何故俺なんかを誘っているんですか?」
聞いていたら確かに普通の学校では考えられないくらい生徒会はすごっかった。
「だって私の得意な闇魔法をいともたやすく光魔法で明るくする人なんて今まで居なかったよ」
「そうだそれにあの時の火魔法の使い方もすごかった、だからお前には生徒会に入って貰う事になる
かもしれないギリシアユート」
カクス先生とリヒトさんが言うと俺の答えは決まった。
「それは嬉しいのですが止めておきます」
俺は断った、するとリヒトさんが話し掛けてきた。
「いいのかい一応言うが君には生徒会に入れる程の実力があるんだが」
「すみません俺も忙しいので今日は帰らせて頂きます」
俺はリヒトさんの話を聞かずに教室から出て行った。
「あっ待ってよユート」
「で、諦めるのかリヒト?」
ユートとエリが教室から居なくなるとカクスとリヒトだけになった。
「いいえ、諦めなんてしないです彼は生徒会に絶対に入れますよ」
カクスがリヒトに聞くと彼女はまだ諦めてなかった。
「ちょっと待ってよユート」
俺が教室から出て行くとエリが追かけてきていた。
「あ、ごめんエリ家に行く約束だったね」
俺はエリが追かけてきている事に気がつき足を止めた。
「確かにそうだけど断ってよかったの?」
「確かに興味はあったけど別にいいかな」
「そっかユートは生徒会に入らないのね」
するとエリは笑顔を浮かべていた。
「どうかしたのエリ?」
「ううんなんでもない先生との話が終わったなら家に連れて行って」
「そうだね、じゃあ行こうか」
そうして俺はエリを家に連れて行った、家の前に着き俺は一度エリを外で待たせて母さんの母さんに話した。
「母さん話があるんだけど」
「どうしたのユート?」
「今、家の前にエリが居るんだけど、どうやら母さんに魔法を教えて欲しいんだって」
「え、母さん魔法なんて使えないわよユートもしかして授業で強い魔法でも使ったの?」
「実は少し本気を出して火の魔法の竜を見せたんだ」
母さんに話すと母さんは溜め息を漏らした。
「まったく貴方はまあ仕方ないエリちゃんを呼んできなさい」
「わかったよ」
俺は母さんに言われエリを呼んだ。
「エリ母さんが呼んでるよ」
俺はエリを呼び家の中に入れた、エリは家の中に入るときょろきょろしていた。
「これがユートの家なのね案外普通の家ね」
「普通でごめんなさいね」
エリが言っていると母さんが現れた。
「ごめんなさい普通なんて言ってしまって」
エリはさっき言った言葉を母さんに謝っていた。
「別にいいわよ、それよりもユートに聞いたけどエリちゃん私に魔法を教えて欲しいんだって?」
母さんは早速本題に入った。
「そうなんです今日の授業でユートがお母さんに魔法を教えて貰ったと聞いたので」
「でも、ごめんなさいね私はユートにやり方を教えただけでお父さんの方が魔法が得意なの」
「それなら、お父さんに教えて貰ってもよろしいですか」
エリは聞くがそれは無理な話だ、だって俺の父さんは俺が生まれる前に死んでいるのだから。
「残念だけど夫はもうこの世に居ないのよ」
母さんは嘘を言わずにエリに教えてあげた。
「ではやり方だけでも教えて下さい、後は自分で練習するので」
「それはいいけど、エリちゃん一つ聞いてもいい?」
母さんはやり方を教える前に聞きたいことがあったようだ。
「なんでそんなに魔法を使いたいの?」
何故母さんはそんな事聞くのだと思った魔法を使いたいのは魔法科なら当たり前だろう。
「お母さんは気づいているんですか」
「そうね入学式で話した時に気付いたわ貴方が能力者だって事を」
まさかエリが俺と同じ能力を持っているのか、俺が母さんが話している事に驚いていた。
「すごいですね私が能力者だって気付いたのはお母さんが始めてですよ」
どうやら母さんが言ったことは当たっていたらしい、エリは何故能力者だって事を隠して魔法科に
入ったんだ俺はそう思っていた。
「それが本当なら何故魔法科に入ったんだエリ?」
俺はエリに聞いてみる事にした。
「私は魔法者と能力者の間に生まれた娘なんだ、実は私は能力が強く引き継いだんだ本当なら能力科
に行く予定だったんだけど私は魔法の方が勉強したくて魔法科に入ったんだ一応お父さんから魔法は
教わってたしね」
エリが言うと俺も納得したこの子は俺と同じ子だと。
「それなら貴方のお父さんに教えて貰えばいいじゃない」
「無理です、父は私が魔法を使う所を嫌いで出て行ってしまったのです今は母と二人で住んでいるんです」
「わかったわ貴方に魔法のやり方を教えるわ」
母さんはエリの事を知った時から決めていただろうと俺は思っていたが俺の事も話したほうがいい
のか俺は迷っていた。
「いい魔法は己が何をしたいのかを考えてするのよ」
母さんがエリに魔法を教えている間俺は二人の事を見ている事にした。
「己が何をしたいのかですか?」
エリはまだ魔法の全体を知らないので母さんも最初から教えているのだろう。
「これが私が教えれるやり方よ後は自分で考えなさい」
母さんは言い終わりエリが俺に近づいてきた。
「ユート貴方のお母さんが言っていることまったくわからないわ」
「まあ実践してみればわかるよ」
母さんが言った言葉は合っている俺も教えよう。
「エリちゃんまず貴方が得意な魔法をユートに打ってみて」
母さんはエリに言ってエリも教えてくれた言葉を理解するために魔法を打つ体制に入った。
「本当は気が引けるけど、ごめんなさいユート」
エリは俺に水魔法を打ってきた、あの時のジングカイにしたような水を掛ける魔法だ、俺はすぐに水魔法で氷を作り向かってくる水に向けて打った。
「エリ水魔法が得意な事はわかったから他の魔法も使ってみたら?」
「・・・無理・・・・・・なの」
エリは小声で話してきたが聞き取れなかった。
「エリもう一度言ってくれよく聞き取れなかった」
俺はエリに頼みもう一度話してもらった。
「だから無理なの私水魔法のこれしか使えないの」
エリは涙を浮かべながら俺に答えてくれた。
「えっだけどお父さんに魔法を教えて貰ったんだよね?」
さっきエリはお父さんに魔法を教えて貰ったと答えていたはずだがと俺はもしかしたらと思った。
「お父さんに教えて貰ったのはこれだけその後すぐに私が魔法を使ってお父さんは出て行っちゃった」
まさか俺が考えている事が当たるとは、考えていると母さんも話しかけた。
「そうだね、だけどエリちゃんの魔法は相当強いよ水魔法が得意ならユートとはいいライバルになれ
そうね」
母さんは笑顔を浮かべてエリと話していた。
「じゃあ次はユート貴方が教える番よ」
ここからは俺の番だと母さんが言ってきた、
「別に俺じゃなくても母さんが教えればいいんじゃないの?」
確かに母さんは能力者だが魔法も使えるし、俺に魔法を教えてくれたのも母さんだそれなら母さんが教えてもいいんじゃないかと俺は思っていた。
「母さんにもすることがあるのよそれにユートは教えるのが得意でしょ」
母さんは俺に言ってきた。
「でも、エリも俺なんかに教わりたくないだろう?」
俺は教えるのは構わないのだがエリがどうかわからなかった。
「私はユートに教えてもらえたら嬉しいかな」
俺がエリに聞くとエリは顔を赤くしながら答えた。
「ほら、エリちゃんも言ってるんだしユート貴方が教えてあげなさい」
母さんは言うと部屋から出て行ってしまった。
「じゃあ一回外に出ようか」
俺はエリに教える事になったのでまずは外に出て教える事にした、俺達は外に出た俺はまずエリに
火魔法を教える事にした。
「まずは火魔法の応用を教えようかな」
先に見本を見せるため火魔法のボールを作りそこに氷を入れた。
「これはリヒトさんが作った闇のボールに似せた火魔法で作ったファイヤボールだこの中には氷も入れてこうやって地面に投げつけると」
俺が地面に投げつけるとファイヤボールは弾け中から煙がモクモク出てきた。
「こうして煙幕になるんだ」
俺はエリに教えてあげたエリも嬉しそうな顔になっていた。
「すごいユート貴方本当にすごいわね」
「じゃあエリも俺が見てるからやってみて」
「うんわかった」
エリはそうして作ろうとしているが火の魔法すら使えなかった。
「ごめん、俺の説明が悪かったねまず火を思い浮かべて」
俺はエリに言ったエリも頑張って思い浮かべている、そしたら少しだが火が出てきた。
「見てユート火が出たわ」
エリは小さい子供みたいにはしゃいでいた。
「それじゃあそこからさっき俺が見せたみたいに今度はボールを思い浮かべて」
次に俺はボールを思い浮かべてと言った、エリはゆっくりと考え込み小さなボールはすぐに出来た。
「すごいな今度はすぐに出来たじゃないか」
俺はエリを褒めた、するとエリがなにか言ってきた。
「それなら・・・・・頭を・・・・・撫でてほしいな」
エリは小声で言っていたので俺は聞き取れなかった。
「もう一度言ってくれるかエリ?」
「なんでもない、それより次はどうすればいいの?」
エリは次の事について聞いてきた。
「次は氷を作って入れるんだが今日はここまでだな」
俺は空を見ると赤く染まっていた、今日はだいたいこんな物だろう。
「あっもうこんな時間なんだね」
エリも空を見上げ気付いたようだ、すると母さんが顔を出した。
「エリちゃん迷惑じゃなかったら家でご飯食べていかない?」
母さんはエリを夕ご飯に誘っていた、エリは嫌な顔をせずに答えた。
「いいんですか」
「いいに決まってるじゃないそれじゃ食べていってくれるのね」
二人が話している事に俺だけ置いていかれていた、家に戻ってくるとそこには豪華なご飯が並べら
れていた。
「すごいねユートの家って毎日こんなご飯を食べているの?」
エリが褒めてきた。
「いつもはこんなんじゃないよ今日はエリが居るから母さんも頑張ったんじゃない」
こんなに豪華な料理は久しぶりだった、俺は母さんの方を見るとニコニコしていた。
(うわ母さんのあんな笑顔も久しぶりに見た)
俺は心の中で言っていた、エリを座らせて三人で料理を食べ始めた。
食事が始まると母さんがエリについて聞いていた。
「エリちゃんはお母さんが能力者でお父さんが魔法者なのよね?」
「そうですけど、どうかしたんですか」
「いいえ気になっただけよでも貴方はあのクリス家の娘なんでしょう」
「私はクリスの娘ですが腹違いの娘なんです」
「私も変だと思ったのよクリスには奥さんが居るけど魔法者だって聞いたことがあったから」
俺はクリス家は知らないが母さんは知っていたらしい。
「昔に私が魔法を使わずに能力を使っていればまだあの人は出て行かなかったと今でも思っています」
「あれ、でも確かカクス先生はエリの事を知っていたような」
授業の時にエリの事をクリス家の娘だと言っていたはず。
「一応娘として学校に通わさせて頂いてます、お父さんに会いに行った時お願いしたんですお父さん
も結婚した女性も嫌そうな顔をしていましたが」
「そうなのかエリはそれだけ魔法が好きなんだな」
俺は母さんと父さんに恵まれたがエリは恵まれなかったようだ。
「それはひどいわねエリちゃんもこれから家にいつでも来ていいからね」
そうしてエリの話が終わると三人の食事が再開された。