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無題
生まれた時から『力』が備わっていた。
人には見えない。見えない者たちを見て、干渉できる力が。
故にそれが俗に言う、『魂』や『霊』と呼ばれるものだと理解するのにそう時間はかからなかった。
故に『死』というものに疑問、興味を抱くまでに時間はかからなかった。
人はなぜ死んでしまうのか。
そもそも死とは何だろうか。
それを周りに訊いてところで、返ってくるのは曖昧な答えばかり。時には不謹慎だと怒られた。
だから考えた。一人で考えた。そして思いついた。
ならば、『死んでしまった人に直接聞けばいいのではないか』と。
そして生き返らせることができたのならば、死と生で対比し、真の答えが出るのではないか、と。
これが、一番初め。原点だった。