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【1】美しき日

【1】


2018.04.04


近頃はすっかりと、春爛漫。ですが僕の心は、それに反比例するかのように、なにか、心の奥の奥の方へと、向かっております。草花は冬に蓄えた、いよいよ生き生きとした内界の実りを、外界に発露させていく季節なのですが、僕の心には、努力が醇化(じゅんか)した憧れのようなものが、微睡(まどろ)んでいるのです。この世界を動かし、統べているその源やその原因を、自身の心のなかで発芽させるというよりは、蓄えておきたいのでしょう。


最近、もっぱら僕の研究テーマとなっているのは、ドイツロマン主義に咲いた『青い花』こと、ノヴァーリス。彼ほどの憧憬を感じたことがありません。今だに彼のロマンの福音は、この宇宙と共に、鳴り響き、奏でられている和音であり(ロゴス)なのです。この和音や言の一音一音に耳を傾けて、自身の心の中に、響かせて、その脈動を自身の個性と融合(フュージョン)させて、全く新たなものを創り出そうとしております。そこで生まれた数々の楽曲や言を、現代に甦らせようと、努めている一人なのです。


ところでこのところは、なにか気分が(ふさ)がれがちでした。きっと、僕は、ミューズの女神達を忘れていたからでしょう。僕にとっては、ミューズを大切にし、ミューズを愛して、ミューズと交流しながら、聖なる息吹きを言葉に吹きかけて、日常の営みのなかで実践していく活動こそが、日々の充足なのです。


そういえば、二年前にこんな詩を、書いていました。かなり精神的にも辛いときに、書いた詩でした。今日はひょんなことから、この詩を思い出しました。きっと、今日という日が、二年前に憧れていた日、ということだったのでしょう。


***************************


『美しき日』


黄金の朝には小鳥の囀ずりが

この世界をここかしこに彩り魅せて

木の葉に揺れる 日の声に

君の心を思い出す


風は静かにあいさつをして

若菜は空におじぎをする

蝶は煌めく光を運び

木々の梢に憩うは愛の風


私は四季折々の光の中でたたずみ

そのアルカナ達と仲良く呼吸をすれば

マクロコスモスとミクロコスモスが

豊麗として瞬く間に繋がっていき

宇宙の和音と自然万物の

メルヒェンがここに誕生する


ほらほら、ほらね

私の胸の命の火花が遊んでいくよ

神様と友と手をとり遊んでいくよ

皆とひとつになって

新たな世界に

こんにちは


***************************


人は、やがて、憧れていたものを行ったり、体現していくようになるのでしょう。この憧れが、冬としましたのなら、到達した日々は、春ということになります。いよいよ咲きこぼれ、新たな生命を与えていく日々が続いていこうとしているのです。


今は小田急線の電車の中で、揺られながら、これから新宿に向かうところです。新宿で僕のことをよく分かって下さり、才能を引き出して下さる、干支が一回り上の先輩とセッションしに行くのです。どんな未来が待っているのか、僕は待ち遠しくて、仕方がありません。このような期待は、形を変えて、やがて新たな自身のパーソナリティーとして、花を開かせるエッセンスとなっていくことでしょう。


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