修行
翌日、朝早く俺とシムは近くの森で修行を始めた。
《まず初めに昨日渡したACを出してくれ》
俺はポケットに入れていたACを取り出した。
《それをまずタクトディアの柄のあたりにある、カード挿入口に入れてくれ》
柄を良く見ると持ち手の辺りに窪みがあり、カードを近づけると自動的に飲み込んでいった。
するとタクトディアの周りに黒炎が舞い上がった。
《す…凄い。身体から力が湧き出る感じです》
《それが属性の力だ。但し、永遠に使える物では無いから気をつけるように。アルカディアの魔法は気力を消費する。気力が無くなると使えなくなるから、一度自分の限界を試してみるのも良いだろう。気力は睡眠や薬で回復出来る。気力の鍛え方はモンスターの討伐数で決まるので、取り敢えず弱いモンスターの相手をして鍛えると良いだろう》
《はい、分かりました》
それから暫くシムに訓練を手伝って貰い、森にいる下級モンスターとの戦闘を繰り返して1日を過ごした。
訓練の中で気力の限界を試してみたが、何故か俺には気力が尽きる事が無く、その兆しさえ起こらなかった。
シムと相談した結果、ワンダーには謎が多いので何か原因があるのだろうと、気力の限界を知る事は断念した。
この世界で生き抜き俺のやるべき事を見つける為、今の俺にはひたすら訓練を繰り返し、強くなる事しか、この時の俺には分からなかった。




