最後の戦い
扉を開けると中央に結界の壁があり、その中で黒竜が眠っていた。
《あれはシリア石、こんな所に使われているなんて…》
フラルが部屋の四方を見つめ呟いた。
確認するとシリア石で結界は守られているようだった。
俺はクロウを装着して結界の壁を叩き割った、その瞬間シリア石は音も無く砕け散った。
すると黒竜が目を覚まし、けたたましい鳴き声を発した。
《きゃー》
《朋美、フラルと下がっていろ、まずは俺が行く》
俺は剣を柄から外し黒竜に向かって斬りつけた。
剣はドラゴンの翼に当たり、弾き飛ばされ転がってしまった。
黒竜は俺に向かって振り返って威嚇しながら近づいて来た。
俺は黒竜の尻尾に叩きつけられた。
《竜巳…!危ない…。》
朋美は飛び出し黒竜の目に矢を放った。
黒竜が叫び声をあげ暴れ回り、朋美が壁まで弾き飛ばされた。
《朋美!!くそ~》
俺は剣を拾い両手に持ち、黒竜の心臓に向けてつき差した。
《フラル、朋美に回復魔法を頼む》
《はい!!βαρВЛХ》
フラルは急ぎ朋美のそばに駆け寄り、回復魔法を始めた。
俺は黒竜の胸から剣を抜き出し、その反動で剣を黒竜の頭に突きあげた。
黒竜はか細い鳴き声をあげ、その場に崩れ落ちた。
しばらくすると黒竜の身体が消滅していった。
完全に消滅すると幻影があらわれた。
マナと恐らく彼女の言っていたドラゴン族の男だろう、彼女と彼は微笑みながら俺を見ていた。
《ありがとう竜巳、私と彼を救ってくれて、貴方には辛い役目を押し付けてしまいました。貴方に預けたドラゴンはドラゴン族唯一の生き残りです、彼を正しく導いて下さい》
そう話すとマナは俺が装着したクロウを愛おしむ様に見つめた。
そしてマナの幻影は消えて行った。
《なに?今の話しどう言うこと?私達元の世界に戻れるんだよね》
朋美はふらつきながら俺にかけ寄りすがりついた
《……………》
《ねぇ竜巳、何か言ってよ!!》
《朋美、お前はそこの扉をあけると帰れる筈だ、最後にマナから伝わって来たんだ》
《お前はってどう言うこと?竜巳は?私だけなんて駄目だよ》
《この世界の話を聞いただろ…。ワンダーは次のワンダーに扉を開けて貰えると帰れるって、お前は俺にくっついて来てしまっただけで、だから実際この扉を開けて閉めれるのは俺だけだ》
《何それ…私絶対嫌だよ、帰らない。竜巳を残して元の世界に戻っても嬉しくないよ》
《ごめんな…、朋美》
俺は朋美に睡眠魔法を使い眠らせた。
《竜…巳…、いや…だよ…。》
朋美は必死に抵抗しているようだった。
俺は彼女の額に口付けを落とし話しかけた。
《きっと俺も帰るから…、先に行って待っててくれ》
話し終えると朋美は眠りに落ちたようだ。
俺は朋美を抱き上げ扉に向かった。




