旅の仲間との別れ
アルバとフォルスはウィルフリート国で、アイテムを採取しに行く用事が出来た時、パーティを組んでいたそうだ。
その時偶然フラルに出会い、彼女が俺に会いに行くと言うので一緒に来てくれたのだと話した。
《フラル、何故君がここに来たんだ》
俺が尋ねるとフラルは真剣な面持ちで話し始めた。
《オーディ様から貴方に協力するように言われました。その時貴方の本当の名も知らされました。貴方はワンダー(放浪者)だったのですね。》
《……!!》
俺は思わずフラルを見た、後ろにいるアルバやフォルス驚いて無いところを見ると、前もって知らされていたのだろう。
《あぁ…隠していてすまない。俺はワンダーだ、そして彼女もワンダー、俺の大切な人なんだ。何とか彼女と元の世界に戻りたいんだ…》
《えぇ。私もその為にここに来ました。彼らも薄々貴方の事は気づいているようだったので、話すとすぐに理解してくれました》
《俺を許してくれるのか…。この世界の人々を戦いに導いたのは俺なのに………》
《何を言ってやがる。俺達冒険者は自分の腕を磨く為、金を稼ぐ為、洞窟やモンスターに挑むんだ、お前に言われたからじゃねぇよ》
《そうですよ、モンスターにしても彼らが居なければ、私達人間族は日々の生活を送る事すら、出来なくなってしまいます》
《ありがとう…。アルバ…。フォルス…》
《それで竜巳、貴方はこれからどうなさるつもりですか?》
《その前に話して置く事が、俺の本名は妃堂 竜巳、彼女は桜井 朋美といいます。俺達は地球と呼ばれる世界から来ました。モンスター達からはディアスと呼ばれている、クロウと言うのは俺の相棒でドラゴン族だ。フラルは人間に化けたディーに会ってるよ、彼がクロウだ。今は右手の紋章に姿を変えて寝ているけどね》
俺が手の甲を見せるとフラルは驚き立ち上がった。
《やっぱり彼はドラゴン族だったのですね、変化魔法を使うのでまさかとは思っていたのですが、そんな気力を持つのはこの世界では珍しいので…。ドラゴンを従えるなんて、ワンダーとはいったいどれくらいの力を秘めているんでしょう》
フラルは俺の手を見て驚嘆の声をあげた。
《裏の井戸から下に降りると、モンスター達の地底国コアディアがある、出来れば俺が去った後彼らの守護を頼みたい。この国の人達には、モンスターは憎むべき敵かも知れないが、彼らが居なくなれば、君達も生きて行けなくなってしまうんだ、頼みます》
俺はみんなに頭を下げて頼んだ。
《俺はモンスターに良い感情なんてもんは無いけど、お前が俺達の為に色々頑張ったってのは分かるぜ。だから後の事は俺達に任せとけってな!》
《そうですよ、あの時貴方に出逢わなければ、私はまだ国を救う事が出来ませんでした。貴方に救って頂いた運命です、人間に疎まれても、私には貴方の頼みを叶える義務があります》
《ありがとう。アルバ…。フォルス…》
《取り敢えずコアディアに行ってこれからの計画をたてましょう》
フラルの提案で俺達は一旦コアディアに向かう事にした。
アルバやフォルスはかなりもの珍しいのか、コアディアの入り口を開いた瞬間目を丸くして驚いていた。
コアディアの城の中を案内した後、俺はみんなにミンディを紹介して、マナに言われた事を伝えた。
皆、マナの事を不信に感じていたが、誰も確かな事は分からなかった。
俺達が話し合った結果、アルバとフォルスは俺の家で他の冒険者達が入山しないように 、見張りと防衛役を頼んだ。
フラルは俺と朋美に同行して貰う事にした。
《ミンディ、今まで君には沢山世話になったありがとう、君の助けが無かったらコアディアは建国出来なかったよ、みんなの事を頼んだよ》
《いいえ、ディアス様。貴方のおかげで私の卵は守られ、コアディアのおかげで穏やかに暮らせました。全て貴方のおかげです。ディアス様が無事に元の世界へ戻れるように、ここでお祈り致しております》
《ミンディ、私も短い間だったけどありがとう、お姉さんが出来た見たいで楽しかったわ》
《朋美様…、ありがとうございます。お二人とも気をつけて…》
ミンディと別れ、コアディアを後にした俺は、家で小箱から鍵を取りアルバとフォルスに別れを告げた。
《アルバ、フォルス君達にも世話になった、後の事は宜しく頼む》
《はい、お二人共気をつけて…、さようならお元気で》
俺はフォルスと固く握手を交わした。
《おぅ!!後の事は任しとけ、今度会った時はお前に酒でも奢って貰うからな…》
そう言うとアルバは後ろを向いて振り返らなかった、彼なりの見送り方なのだろう。
《あぁ…アルバ必ず、みんな元気で…さようなら》
俺は朋美とフラルを連れ山頂を目指して出発した。




