コアディア
ミンディの一族以外にもデスヴィアス山脈にいたモンスターの殆どが、俺の帝国にとどまり、地下で【分裂】の手助けをしてくれた。
モンスターの多くが直感的にこの世界の危機を感じているようだ。
数ヶ月すると地下帝国も栄え、国が出来上がって来た。モンスターも増えて勢力が整って来た。
後は各地にモンスターを派遣して、アイテムを冒険者に取らせ、バランスを考えて配置していけば…自ずと解決して行くだろう。
ミンディは最年長と言うこともあり、【分裂】の指導やモンスターの育成を手伝って貰った。
彼女が俺を良くディアス(卵を守りしもの)と呼ぶので、国の名前はコアディアと名付けた。
俺は数千匹のモンスターを従えながらバランスを保つ為、人間を減らしアイテムを収集させなければならない、まだ先は長い。
クロウを装着した俺は黒炎を纏うため、見た目は暗黒戦士。
RPGで言えばラスボスって感じだな…。
広大に広がりつつある地下帝国を眺めながら、俺はこの世界で出会った人々や、モンスターの事を思いながら地下帝国を見つめ続けた…
コアディアが建国され、俺がこの世界に呼ばれ早一年が過ぎようとしていた。
モンスターの数も順調に増えて来て、人口も調整されてバランスの均衡に近づいて来た。
俺の1日はモンスターの育成に、自分の鍛錬と、港町で貼り紙をはりに行き、冒険者を洞窟に誘導する事。これが俺の日課だった。
ある日港町に行き、貼り紙をマスターに渡した後、マスターと世間話をしていたら、ある話を耳にした。
数日前、異種族の国境で小競り合いがあり、異種族の国に入国出来なくなっていると言う話だった。
詳しく聞くと最近ウィルフリートの森で、希少な鉱物が採掘されたらしいのだが、その鉱物のせいで賢者や異種族の間で争い事がおきたらしい。