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戦国都道府県  作者: 傘音 ツヅル
第一部〜始まりの英雄 黒雷編〜
38/55

Record No.038 ギルド防衛戦(4)

「さあ、特務隊がどれほどのものか見せてもらおうかしら」


 仮面女が笑いながら神楽坂へと斬りかかる。


「ふん。そっちこそ相手になるの?」


 神楽坂は攻撃を受け止め、仮面女に言い返す。


「ほざけ」


 仮面女はジャンプし、連続で繰り出して神楽座を蹴り飛ばした。


「くっ」


 神楽坂は空中で一回転して着地した。


「カグちゃん」

「人のことを心配している余裕があるのか?」


 渋谷は神楽坂を心配しつつも、仮面男の目にも留まらぬ銃撃に防戦一方になっていた。


「なかなか鬱陶しいね」


 小さな岩場に隠れた渋谷は軽く舌打ちをする。


「ヒヒヒ。特務隊も大したことないな」


 仮面男は余裕の態度で渋谷が出てくるのを待っていた。


「さすがに言われっぱなしじゃ格好悪いね」


 高速のブーストで死角に入った渋谷は仮面男の急所へ銃弾を放つ。


「ヒャッハ」


 捉えたかと思われた銃撃を、仮面男はあっさりと銃撃で相殺した。


「マジか」

「マジだよ」

「くそったれ」


 渋谷は高速での連弾を放つ。


「ヒャッハハハハ」


 仮面男は不気味に笑いながら渋谷の銃撃を相殺し続ける。


「いいの?大事なお仲間さんがやられそうだけど」


 仮面女が神楽坂を挑発する。


「お調子者だけど、あんな奴に負ける人じゃないわ」

「信頼ってやつかしら」

「あんたにはわからないでしょうね」


 神楽坂と仮面女は高速で激しくぶつかり合う。


「これで決める」


 神楽坂はブーストを超速に上げる。


「そうくるなら」


 仮面女も平然と超速の動きについてくる。


「はぁ、はぁ、はぁ」


 呼吸が荒くなってきた神楽坂は一旦距離を取った。


「あら、もうバテたの?」


 仮面女はまだ余裕の態度で挑発する。


「くっ」


 苛立ちを抑える為に神楽坂は唇を噛む。


《カグちゃん、北に走って》


 渋谷の声が無線で聞こえた瞬間、煙幕が神楽坂達を包んだ。




「いや~すごいね。参った参った」

「感心している場合ですか」


 神楽坂達は洞穴を見つけて休んでいた。


「どうしたもんかね。超速にもついてくるとは」

「それも完璧に使いこなしていました」

一対一サシで勝つのは厳しいな」

「悔しいですが」

「なら、二対一でやるしかないね。それも一気にやるしか」

「まさか、アレをやるんですか?」

「しかないでしょう」

「訓練で一回も成功したことないんですよ」

「大丈夫。俺もカグちゃんも本番には強いから」

「その自信はどこからくるんですか?」


 渋谷の根拠のない自信に神楽坂は右手を額に当て、大きな溜息をついた。




「あんたが遊んでいるから逃げられたじゃない」

「お前こそ、さっさと片付けないからだろ」


 神楽坂達を見失っていた仮面達は、言い合いをしながら探索をしていた。


「目標補足」


 神楽坂は仮面女へと超速で近づいていた。


《照準良好。いつでも大丈夫だよ》


 無線で渋谷が知らせる。


「特式、獅子舞ししまいの型」


 神楽坂はグッと拳に力を込める。


「こりない女ね」


 仮面女は神楽坂に気付き、構えて待った。


「馬鹿、狙われているぞ」


 仮面男が渋谷が狙っていることに気付いて言った。


「もう遅いよ」


 極限まで高まった集中力で渋谷は仮面女の剣を銃撃で弾く。


「ホンッと鬱陶しいわね」


 苛立ちながら仮面女はすぐに剣を持ち直した。


「せりゃぁあああ」


 仮面女の一瞬の隙に神楽坂は間合いを詰め、下から仮面女の両腕を斬り上げる。


「ぐっ。これぐらい」


 仮面女は痛みを感じていないのか、斬られたことを無視して剣を振り下ろす。


「だから、もう手遅れだよ」


 さっきより精度の上がった銃撃で、渋谷は仮面女の急所を撃ち抜いた。


「はぁあああ、イライラするなーーーーー」


 体中血だらけになった仮面女は奇声を上げる。


「うるさい」


 神楽坂は超速の動きで容赦なく斬りつける。


「腕の見せ所だね」


 渋谷は神楽坂の動きに見事に合わせた銃撃で仮面女の急所を次々に撃ち抜いていく。


「くそ、くそ、くそ、く……」


 仮面女は数百箇所斬りつけられ、ようやく息絶えた。


「さすが特務隊ってとこか」


 薄ら笑いを浮かべながら仮面男が神楽坂へと近づいてくる。


「どうして加勢しなかったの?」

「それじゃ実験にならないからな」

「実験?」

「言っただろう。俺達は被検体だって」

「被検体って何の?」

「それは言えないな」


 仮面男は神楽坂をあざ笑うかのように笑みを浮かべた。


「なら、力ずくで喋らせてあげる」

「それはありがとうございます」


 仮面男は神楽坂が睨んでも怯まず、おどけた態度で応える。


《カグちゃん、これ以上は体が持たないよ》

「すぐに終わらせます。もう少し付き合ってください」

《喜んで》

「はぁあああああ」


 神楽坂は超速で駆け出す。


「ヒャハハハハハ」


 仮面男は高笑いしながら早撃ちで神楽坂を捉える。


「やらせないよ」


 負けじと渋谷が早撃ちで相殺していく。


「ヒャハハハハハ。最高だ、この距離でこの速さ。ヒャハハハハハ」

「あんたも黙りなさい」


 正気を失ったように笑う仮面男を神楽坂は冷静に斬り伏せる。


「ヒャハハハハハ。最高だ、お前達。ヒャハハハハハ」


 仮面女と同じように痛みを無視して立ち上がった仮面男は神楽坂へ銃を向けた。


「だから、やさせないって」


 渋谷の銃撃が脳天を貫き、仮面男は笑いながら前のめりに倒れた。


「はぁ、はぁ、た、い、ちょう……」


 とっくに限界を超えていた神楽坂は歩きながら気絶した。


「ったく。頑固なのは兄貴そっくりだな」


 文句をいいながらも、渋谷は神楽坂の元へと駆け出した。

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