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死屍柴ヒルイの後継者  作者: 也麻田麻也
二回戦 第四試合
71/153

第二回戦 二ノ宮対四家7

 今から十年と少し前幸せは消えました。


 不幸に叩き落されたのです。


 事の始まりはヒルイちゃんが狩谷さんと一緒に西日本の精鋭二十人と戦ったことでした。その時一緒に西日本の裏世界の住人が何百人も攻め込んできました。けれどそれは彼岸花の殺人鬼と竜胆組の幹部達が何とか押さえ込んでくれました。逆桜と赤きガーベラは第二波に備えていたそうです。


 けれど、西の精鋭二十人の前に狩谷さんが倒れました。

 ヒルイちゃんは狩谷さんを助けながら必死に三日三晩戦い続けたそうです。そうです。三日間戦っていたのです。だから、ヒルイちゃんには赤きガーベラに訪れたアンラッキーを防ぐことが出来なかったのです。


 当時の裏世界の序列六位だった組織、黒百合が赤きガーベラに攻め込んできました。序列九位だった山百合を引き連れて。


 黒百合の狙いは赤きガーベラを潰し、五大組織の序列一位を奪い取るのが目的だったようです。そのために邪魔なヒルイちゃんや竜胆組と彼岸花がいなくなるチャンスをずっと待ち続けていたようです。


 黒百合は強かったようです。特に黒百合の幹部数人は圧倒的な強さで、相手が出来たのはおじいちゃんとお母さんとお姉ちゃんくらいだったようです。お父さんも戦おうとしていたんですが、病で弱っていてろくに戦えない状態でした。


 戦況は赤きガーベラが押されていたようです。何とか逆桜と紅花商会の増援が来るまで持ちこたえようと、必死に抵抗しましたが、あの女が来て赤きガーベラは潰されました。


 あの女。黒百合の新社長になったばかりの……橘牡丹がやってきて。


 橘は突出した技量の持ち主数人を引き連れておばあちゃんとお父さんと私の元にやってきました。橘の狙いに気づいたおじいちゃん達は幹部を蹴散らし向って来ましたが、あと一歩と言うところで間に合いませんでした。


 私を庇うように覆いかかったおばあちゃんが刀で首を突き刺され、橘に殺されました。


 激昂したおじいちゃんが橘に飛び掛ると、アンラッキーと呼ばれた最強の殺し屋は、ロートルと呼ばれながら、二人の幹部に片足ずつ切り落とされました。お父さんも戦いましたが、幹部に一蹴され深手を負いました。残ったお母さんとお姉ちゃんは私を助けようと武器を構えましたが、そんな二人に橘は言いました。


「姫宮メアリー茜とやりあう気はない。お前の相手が出来るのは私だけだが、勝敗は五分五分。そんな博打みたいな勝負はしたくないんでね。だから……楽に勝たせてもらうよ」

 泣き叫ぶ私の首にナイフを当てながら。

「姫宮。あんたの首を差し出すって言うならあんたの妹と、この子は助けてやる。どうする?」


 聞かれたお母さんは私の顔を見て優しく笑いました。そして、橘に言いました。

「その子の目を隠してあげて」


 私の視界が覆われると、耳にお母さんの優しい歌声が届いてきました。


 綺麗な歌声はこのくらい世界でも私を照らしてくれるお星様のようで、私は怖かったはずなのに涙が止みました。


 そして、歌が止まり、祥子お姉ちゃんの悲鳴が耳に届きました。

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