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死屍柴ヒルイの後継者  作者: 也麻田麻也
第一回戦 虐殺愛好会ブルーローズ 掃討作戦 後編
37/153

ブルーローズ掃討作戦 八王寺7

「それでは偶数半の点数を発表します。まず、第一位、二ノ宮。赤薔薇に雑魚四人で二十七点。第二位、八王寺。ジェイソンに雑魚一人で十三点。第三位、十字。雑魚三人で九点。第四位、四家。雑魚二人で六点。次に脱落者の発表をする」


 脱落者と言うと六波羅さんの事ですね。あの不遜な態度を取っていた彼はどの組織の人間だったんでしょうか。


「脱落者は六波羅。彼は関東竜胆組の推薦者だ。推薦者死亡により、竜胆組は脱落になります」


 竜胆組の推薦者が六波羅さんだった。

 どういう事ですか? 私はてっきり六波羅さんは序列下位の組織の人間だと思っていました。竜胆組は、今では序列六位に位置しておりますが、元々は上位の組織です。

 いくら落ち目といっても、あの程度の人材しか推薦できないはずがありません。

 これが数だけの三叉のスコーピオンや戦闘をすることが少ない紅花商会の推薦者だったならまだ理解が出来たというのに、竜胆組ですって? 

 竜胆組長は死屍柴ヒルイ様の友人でもあったはずです。それなのに後継者を自身の組から出す気はなかったというのでしょうか? どういう事なんでしょう?


「次に学校に着くまでの間に、明日の試験……二回戦の説明をさせていただきます」

 竜胆組長の思惑を考えていると、百鬼先生が話を進めた。考えるのは後回しにして、今は二回戦の構想を練ったほうが良さそうですね。

「二回戦はあらかじめ話したように、奇数組と偶数組に別れ戦ってもらいます。学校の二階校舎を使いルールなしで殺し合ってもらいます。勝敗の決し方は、片方が死ぬか、ギブアップする事によって勝負終了とします。戦いの番ではないものは、教室で先生とモニターで勝負の行方を見守ってもらいます。一回戦ではほとんどの生徒が実力を隠し戦っていたと思うので、手の内を探るチャンスですね」


 奇数組はモニター越しだったのではっきりとは分からないが、偶数組はみんな手の内を晒さずに戦っていましたね。肌で感じる殺気もほとんどなかった事からも、それは間違いないでしょう。


「戦いの順番ですが、第一試合は奇数班二位の一神と奇数班五位の九門、第二試合は偶数班二位の八王寺と偶数班三位の十字、第三試合は奇数班三位の五朗丸と奇数班四位の零、第四試合は偶数班一位の二ノ宮と偶数班四位の四家です。奇数班一位の三月は二回戦は観戦だけになります。まだ三回戦の組み合わせの発表はしませんが、皆さん、今日は学園に戻りましたら二回戦の対戦相手の対策をしっかり練っといてください」


「百鬼ちゃん、三回戦って何するの? ほら、僕が二回戦を突破するのは決っているから、三回戦が気になっちゃってね。あはっ」

 十字さんが私を挑発する言葉を入れ、百鬼先生に質問する。


「十字さんが心配する必要はないんじゃないでしょうか。ほら、私に負けるのが決っているんですから」


「へー。本気でそう思っているんだ。もしかしてジェイソンと戦った時に頭でも打ったのかな?」


「お前らいいかげんにしろよ」

 声を張り上げて私達を注意した。

「三回戦も同様に殺し合ってもらいます。人数は五人になりますが、三人で戦う班と、二人で戦う班に別けます。二回戦を突破しても怪我をしているかもしれないので、三人の班には三月が入ってもらいます」


「……なるほどな」

 三月君はボソッと呟いた。頭の回転は良いようですね。


 つまり、三人の組は、無傷の三月君と、怪我をした二人の戦いになる可能性が高い。

 一見、三月君有利に思えるが、実態は逆でしょう。怪我をした二人のうち一人でも倒れれば、三月君VS怪我人と言う構図が出来上がってしまいます。

 それは絶対的に不利なので、きっと怪我人二人は手を組み、まず三月君を倒しに向かい、それからゆっくりと怪我人同士が殺しあうという構図になるでしょう。


「三回戦に一人だけ有利な状態で出れるとでも思っていたか? これは死屍柴ヒルイの後継者を探す戦いでもある。必用なのは圧倒的な強さ。二対一でも勝てるくらいの強さは欲しいからな。何か異論はあるか?」


「ない。異論などどこにもな。強さが必用ならば、見せ付けてやろう。俺は老いぼれたヒルイなんかよりも強いというところをな」


 バスの中にピリッとした空気が流れました。

 死屍柴ヒルイよりも強い。私では恐れ多くて言えない言葉を発した三月君に、死屍柴ヒルイよりも強いのは自分だと思っている人間の殺気が送られました。


「あはははは。三月ちゃんカッケー」

バスの雰囲気にそぐわない笑い声を二ノ宮さんが上げた。

「是非、三回戦で三月ちゃんと当たりたいなー」


「その辺にしなさい。それから三月。ヒルイさんもこの試験を見ているんだ。このバスの中まではカメラはないが、学校に戻ったら決してあの人の事を老いぼれなどと言うなよ。分かったか?」


「……ああ」

 三月君は呟くように答えた。

 その言葉は平坦で感情を読み取ることが出来ず、納得したのかどうかは分かりませんでした。

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