表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

番外編私の変わった妻

私には変わった妻が居る。昔は、結婚を迫りベタベタ纏わり付き鬱陶しく思っていた。私のする事なす事に口を出し、浮気するとその相手に意地悪三昧だった。だが、ある日突全私のする事に文句を言わなくなった。

軍を動かし国境での戦闘が私に任された。屋敷に戻れない日が続く為、私が付き合った一人が妊娠したが産んで暫くして亡くなった。気に入っていた女性の子供なので、跡取りにする為連れて帰った。


「カリナいたのか」


「はい、旦那様何か御用ですか?」


すっかりなりを潜めた妻がいた。子供の事を頼むと、分かりました。と素直に答えた妻に驚いた。だが、時間のない私は頼むしかない、有無を言わさず子供の事と領地の事を頼み急いで仕事に戻った。王都に戻ったのは五年後だった。


「お帰りなさい兄さん」


帰ると弟が出迎えてくれた。今は、王都の屋敷の管理と貴族の付き合いを妻から任されていた。弟と妻は、昔は仲が良くなかったが今は仲良くしている。私が、帰って来たら全てが変わっていた。


「世話になったな、これからも頼む」


私は忙しい、このまま弟に管理してもらった方が私には助かる。自由にしたいからな。


「はい、兄さん。頑張ります」


素直な弟に任せて、私は自由にさせてもらおう。王都で、仕事をしながら懇意にしていた女性の元に行き、久し振りに楽しませてもらった。


「クスクス、奥様の所に行かなくてもよろしいのですか?」


美しく私好みの女性で、最近付き合いを始めた。妻が居ることは知ってるが余計な事を言わないので、気楽に付き合えるいい女でもある。


「構わない、妻は煩い女で興味がない」


何倍もましだと思える女性が居るのに、わざわざ領地に戻って顔を見る気も起きないな。そんな風な生活を続けていたら、あっと言う間に時が立った。息子が王都の学校に通う様になっていた。学校で人脈を伸ばし、優秀なので味方を増やして俺は隠居させられた。


「父上、貴方には隠居してもらいます。お母様は僕の妻にしますから邪魔しないでくださいね」


「何を言ってる!そんな事できるはず無いだろう!」


「陛下の許可も王妃様も認めてくれています。反対するのは父上だけですよ」


「あれは、私の妻だぞ。母親と結婚できるはずがない」


「もう僕の妻です。父上は別宅で新しい妻でも迎えてください」


いつの間にか、息子の妻になってる元妻を遠くで見た。私の側にいた時よりも、優しい笑顔で息子と話している。あんなに綺麗だったか?こっちを見た息子の目が冷たく刺さる。瞬間ゾクッと、悪寒がした。関わらない方が私の為だと今感じた。

どちらにしても、自由にできるのなら、昔と変わった元妻には近付かない方が良さそうだ。私も気ままで気楽な生活ができる。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ