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番外編私だけの救世主がやって来た。

この登場人物は変態です。そう言うのが嫌いな方は不快に思うかも知れないので読まない方がいいと思います。

私の兄はこの国の国王である。私は兄と腹違いの弟で王弟殿下と呼ばれている。私の元には沢山の見合いの話が持って来られる。


「殿下、今日も返事の催促が来ていますが」


面倒臭い、私を横腹と馬鹿にしている癖に自分の娘を進めるのか?私を馬鹿にするのは止めてくれ!


「私はその気になれない。全て断ってくれないか」


私は、昔から兄の母である王妃に虐められていた。王の性癖を受け継いでいて気持ち悪かったらしい。父である王には人には言えない性癖ががあった。叩かれたり蹴られたり踏まれたりすると喜ぶのであった。


「嫌だわ、私の所にこなくても構いませんのに」


「お母様?どうしたの?」


「お父様が今日来るらしいわ、王妃様に悪いからこちらに来ないでと頼んでいるのに」



私の母は、王が初めて側室にと自分で言い出したので驚かれたくらいだ。母が選ばれた訳が後から分かったのだが、蔑む様な目が気に入られたらしい。母は部屋に王が訪れる度にもの凄く嫌な顔をしていたが、その眼差しを受けた王は喜んでいたようだ。父の事は好きではなかった。嫌だったがどうする事も出来ず、淡々としていたらしいがあっさり病で亡くなってしまった。後ろ盾ない私は王宮で無視されながら生きて来た。


「心配しなくていいよ、僕の弟だ僕が守ってあげるからね」


兄は何時も優しかった。他の人たちから守ってくれていた。


「お兄ちゃんありがとう」


王妃は、私の目が父親と似ていて気持ち悪いと、人の目がない時に叩かれたり蹴られたりしていた。私は父親に心底似ているらしい。わざと王妃に近寄り、自分から虐められに行っていたのだから父そっくりなのだろう。


「初めまして、王弟殿下。貴方の理想の妻を紹介しましょうか?」


甥の、学友になる子供が近くに来て話しかけてきた。理想の妻?紹介出来るわけがない!


「ははは、冗談はよしなさい。君の様な子供に私の理想が理解出来る筈がない」


王妃の様な人が居るとは思えない。まして男の私を虐めて欲しいと願うなど無理だろう。


「王弟殿下、亡くなった王妃様が理想だと思いましたが」


どうして知ってる?誰が教えたんだ!


「そ、そんなはずない!私は普通だ!」


誰も知っている筈はない!きっと当てずっぽで言っているだけだろう。顔に動揺したのを出さないようにしないと!そう思って子供を見ると、近付きながらクスクス笑って他の人に聞こえないように耳元で囁いた。


「殿下、叩かれたり蹴られたりされるの好きですよね」


それを聞いた瞬間身体が固まって硬直した。知っている!私の秘密をこの子供は知っているのだ。


「何を言っている?そんな筈ないだろう」


誤魔化すしかないか……この子供に通用するのか?


「殿下、諦めて理想の妻を手に入れた方が幸せですよ」


本当に理想通りの妻がいるのだろうか?


「そんな令嬢が存在する筈ないだろう!」


やはり、嘘だろう虐めてくれる令嬢が存在する筈ない!


「今、特訓中ですよ。希望が有れば実行させますよ」


希望が叶う!特訓中!理想の妻が存在するの夢のようだ!


「夢が叶うのか?何をすればいい」


この子供は私の希望を叶えてくれるようだ。


「僕の味方になって下さいね」


素晴らしい笑顔でそう言った。後日子供の従姉弟だと言う令嬢を紹介してくれた。令嬢が、特訓の成果を私に試してくれた。素晴らしい出来栄えだ。


「殿下、私を妻にしてくれますね」


そう言いながら笑顔で、令嬢が私を踏んでくれた。返事が小さいと罵られグリグリ踏まれたり時、最高に幸せを感じてしまった。


「私の妻に成って下さい。貴方を愛しています」


こんなに素晴らしい令嬢を紹介してくれた子供に感謝している。私にとっては救世主なのだから、一生味方に成るのも悪くない。


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