勧告と説明と勧誘
自軍の撤退を成功させるために魔法兵が殿を務めることになったが彼らはの顔は諦めムードが漂っていた。
「諦めてるねー、向こうの指揮官がだいぶ離れ始めたら投降を呼びかけよう」
彼は魔法兵に投降するよう呼びかけることを考えていた、なんせ魔法も知らなければその範囲、威力ともに未知数であり向こうが投降してくれれば魔法の力に関して情報も得られるし何よりも魔法兵を仲間にできたら面白そうと思っていた。
次第にに見えなくなり投降を呼びかけたらすんなりと受け入れた。
オオオオ!!
雄叫びが聞こえたどうやら村の人たちがあの神聖帝国に打ち勝ったことが嬉しかったようだ。
彼は村人たちが喜んでる間に魔法兵の中心的な人と会談していた。
「えー、貴公はこの戦いにおいて存分に戦い勤めを果たしたことを評価する、したがって貴公の兵隊の命は見逃そう、ただし逃がしたからと言って村などの集落を襲うことがあれば再び我が軍が貴公の前に現れるだろう、この趣旨を貴公の兵隊に伝えたのち貴公は再びここに来なさい」
彼は精一杯偉い人を演じたつもりだったがどうやら無理があったらしく、味方が苦笑していた。
だが彼女は苦笑できないぐらいに恐かったらしく、彼の言うことに従った。
しばらくして彼女が来る間に考えていた、仲間にする計画が破たんしてどうしようと兵士たちと呑気に話していた。
「どうしようか?魔法兵軍団が結成できると思ったのに」
兵士に問いかけても彼らは慣れないことをするからといった風な顔になっていて彼もまた追求することをあきらめていた。そんなことをしていると彼女が再び彼の元まで来ていた。
「さて君に聞きたいことがたくさんあるのだけどいいかな?」
「…はい」
「まず君の名前を教えてほしい」
「私の名前はミエと申します」
彼はその名を聞いたとき感動していた、日本人ぽい名前に会えたことに感動を覚えていた。
「そうなんだ!なんかなじみのある名前だ!皆そんな感じなのか?」
彼は感動していて初対面の人にフレンドリーな感じで話しかけた。
「???、魔法兵は皆東人ですから、中には西人も魔法兵となっている人がいますがごく稀です」
彼女は律儀にこの世界の魔法のあり方をサラっと説明してくれたが彼はそれを聞き逃さなかった。
「とりあえずさ、神聖帝国とこの世界の情勢を教えてくれない?実はまだこの地域に来るの初めてでさ」
「そうなんですか?道理で神聖帝国に戦争を吹っ掛けたわけです」
彼女は彼がこの地域に軍事侵攻するのは初めてらしいと思っていた。
「では説明します、この地域は現在神聖帝国つまり先ほどあなた方が戦っていた相手になります勢力が大多数を占めております、貴方様の地域でも魔王が復活し、それを共和国の出身英雄殿アテラ様が倒したお話は有名だと思いますが、魔王軍の残党を神聖帝国が吸収し多くの国と戦争し領土を広げていきました、そのせいでアテラ様の出身国共和国と戦争状態が起きました」
「OKそこまでだ」
彼はきっとこの先話が長くなるだろうと思っていて話を早急に片づけた。
「本題のほうに移ろうか、魔法を見せてほしいあそこに立っているカカシを標的にし何でもよい魔法を放ってほしい」
「魔法?」
ミエはなぜ魔法を見せてほしいのか疑問に思っていた。
「あー、ほら君たちの部隊は戦わず降伏したでしょう?ならもし戦っていたらどれほどの被害が出ていたか見てみたい」
「わかりました、どのような魔法でもよろしいので?」
「うん何でもいいよ、あそこにカカシあるからやってみて」
彼が指さす場所にカカシがいくつかありそれに向けて魔法を放てくれと頼む。
「分かりました」
ミエは東人ならごく普通に使われる魔法を使った、彼はそれを見たとき火の玉がカカシに直撃してボウ!!と音がし一瞬にしてカカシが燃え尽きるのを見て茫然としていた、恐らく彼ら魔法兵が抵抗していたらとんでもない被害があったかもしれないと思うとやはり侮れないものがこの世界にはあるのだろう。
「ありがとうミエさん、君たちが素直に降伏してくれて感謝する」
彼は直にそう思っていたがミエの方は不思議に思っていた。
「貴方の軍は圧倒的に強く抗うことが無意味だと皆思っていました、中には妻子持ちもいたので絶望していたのですが降伏宣言を勧告されたときはもう皆戦うことは考えておりませんでした」
ミエはそう思っていた、目に見えない魔法を使う軍隊にどう立ち向かえと言うのか魔法兵たちにもわからずにいた、そんなときに勧告だ受け入れるしかない。
「ミエさんこれからどうします?よければ我が軍に魔法兵大将として雇いたいのだけど」
9月になって一週間以上たちました、皆さん夏休みはいかがお過ごしでしょうか?自分はボーとしている日々を過ごしています。
次回は異世界軍と盗賊です