神聖帝国軍との戦闘
突然だが非常に困ったことが起きた。
彼は歩き始め3時間たって気付き始めた、歩き始めたのはいいが何処へ向かえばいいのか彼はわからずに歩いてた、歩いてる道中モンスターや敵対者には遭遇しなかったが戦列歩兵の呑気な音楽を鳴らして行軍していたものだから、気付くのが遅かった。
「なあ、君たちこの辺に町とかしらないか?」
自分で召喚した兵士たちに聞いても彼らは返答しない、いやできないでいた、彼らもまたわからずに行軍していたのだ。
「もおーどこ行けばいいの!偵察に出している騎馬隊はまだか?」
先ほどから軍を止めて騎馬隊を召喚し偵察に行かせたとこだ。すると偵察に行っていた騎馬隊がものすごい勢いで帰ってきた、その気迫から何かあったようだ。
「どうした?何かあった?」
「この先の村にて戦闘がされております!」
彼の問い掛けに騎馬隊がそう答えた、この先に村があるらしいがどうやらその村は襲撃されているらしく騎馬隊の目にはどこかの国の正規軍だということが分かった。
おそらく神聖帝国の軍だろうと彼は気付き急いで軍を村へ出撃させた。
一方村の門では壮絶な戦いが繰り広げられていた
「くそ、もうここも持たないか!」
1人の女性騎士が悪態をつく
「そう言うなミーシャ!」
もう1人の男騎士が言った。
「だがここを突破されれば我が残党部隊は壊滅してしまう援軍はまだかガレオン!」
「魔法通信で援軍到着にはあと1日かかると言っていた、正直な話援軍は期待するな」
「…くそ」
そんなやり取りが終わったころに大きな歓声が聞こえた
「なんだ、なにかあったのか?」
「村人が歓声を上げている味方の軍か!?」
2人が見た先にいたのは援軍ではなく先ほど迷子になっていた軍だった、彼らには不思議に見えた横に長く並んだ軍を見たことはあるがあそこまで横隊になってきちんと並んでる軍は見た事がなかった。
「おお!歓声を上げてるな敵の援軍だと思わないのだろうか?ああ旗が違うか、さて神聖帝国に一発かましますか!戦列歩兵隊前40歩前進!騎馬隊は潰走した敵に追撃しろ!」
彼がそう号令をかけて全軍神聖帝国軍に向かって前進する。
戦列歩兵は陽気な音楽を奏でて前進する、敵からすれば派手な色をした服に槍みたいなものを担いでくるよくわからない軍らしきものが前進してくるだけ、戦略性も伏兵が隠れてるわけでもない、ただ前進してくるだけである。
故に敵は油断した。
「おい、見ろよあいつら前進してくるだけだぜ、痛い目に合わせてやろうぜ」
敵の中には完全に油断しているものがたくさんいて、勝手に歩兵隊が向かえ討つ。
「おい、なぜ指揮官の命令もなくあの部隊は前進している!」
そう激昂して近くにいた副官に問いただした
「アリシア様そう怒りなさらないでください、彼の部隊は未熟な部隊故武功をあげたいのでしょう、幸い向こうの軍らしき集団は戦略性がなく前進してきているだけなので簡単に終わるでしょう」
「…、そうか後であの部隊には厳しい訓練をしておこう、お前が面倒見てやれターナ」
「そうですな、これで一層神聖帝国は大きくなりますな」
彼らは油断している、相手が弱そうとか民兵だからでも戦場で最もやってはいけないことがある、それは慢心や油断の類だ、彼れらは確かに強い、相手は槍みたいな物しか持っていないから、それがいけないのだその油断が。
「ふふん、彼ら完全に舐めきっているね、歩兵隊が突出していて仮にあの部隊がやられても後ろを固めるべきだったね向こうは、ただ気になるのがあの木の棒を持った怪しい人たちだね恐らく魔法使う人たちだね気をつけないと」
戦列歩兵が相手の歩兵を射程距離にとらえた、相手は歩きながら剣をこれでもかといわんばかりに見せつけて進軍している
「戦列歩兵隊!相手を確実にしとめる距離まで近づくぞ!」
ザ、ザ、ザ、草を踏みしめる音が大きくなるその音がきれいに整っており相手は少しながら威圧されている。
「よーし止まれ、構えー!」
戦列歩兵が一斉に止まって銃を相手に向ける、狙う必要はない相手に向けていればいい。
相手は向こうの槍部隊が止まったのを見ておじけづいたのかと思い一斉に突撃をしたその距離300mである残り200、150になっていく。
「撃て(ファイア)ーーーー!!」
ものすごい音があたりに響き渡る、相手は完全に止まった。
理由としては音が鳴った瞬間相手は自分の味方が死んだのだから。
簡単に理由のわからない死に理解しようとしているから止まってしまった。
「よし、相手は混乱してるぞ、2列目撃てーー!!各自自由射撃」
ここぞといわんばかりにライフル銃による追撃が始まる。相手はようやく2列目射撃で行動したがもう遅い音が聞こえたら死んでいくのだから。完全に指揮崩壊して逃げ始めた。
「撃ち方やめ!リロード、騎馬隊追撃せよ!」
逃げまどう歩兵たちに騎馬隊による追撃戦が始まった、騎馬隊相手にやってはいけないことは背を向けて逃げることだ。相手もようやく逃げ出した歩兵隊を見て不味いことに気が付いた。
「ターナ、軍をまとめろ今すぐに応撃するぞ」
「アリシア様、申し訳ございませんが撤退を具申しますぞ」
「なぜだ!1部隊敗走しただけだろ!」
「それがよくないのです、ご覧下さいこちらにも指揮崩壊が伝染しています、このまま応撃してしまえば全軍が敗走してしまいます、もう一度具申します、撤退を」
「くそ、あの者たちどんな魔法を使った?殿はどこの部隊がやる?」
「魔法に対抗するなら魔法兵に任せましょう」
彼らは勘違いしていたあれは魔法なのではなく科学が作りだした兵器なのだから。
2話目にしていきなりの戦闘でした。
最初の戦闘なので軽くしてますが次回の戦闘は大規模だと思います。
次回は「勧告と説明と勧誘」です