名前
え~と……正直、残酷描写を付けるかどうするか悩みましたが…………とりあえずこのままで行きます。もしも、つけた方がよい場合は感想で教えてください。
こちらで判断した上でつけるかどうかを決めます。
それと、後半にご都合主義がありますが気になさらないでください。
それと、この作品は3DSの限度である4999字となっています。
もしかしたら一部文章が変な場所があるかも知れませんが……余程大勢の人から指摘をされない限りは文章を変えるつもりはございません。
そして、この作品はフィクションではありますが、極一部のみ作者の身近で起きたリアルが混じってます。
そして、内容を批判される際は何処が悪かったか出来るだけ具体的にお願いします。
以上の点を守っていただける人は心して読んでください。
みんなは、クラスの人からどう呼ばれてる?
名字?名前?それともあだ名?はたまた……役職的な何か?
俺?俺はクラスの皆からこう呼ばれてるよ…………
「玩具君」ってね…………
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俺の名前は西岡雪也……高校1年生。
小学校、中学校、そして今の高校とそれなりにいい学校に通っている。ちなみに、この学校は小学校から高校まで、高い成績ならそのまま上がれるいわゆるエリート校だった。
元々、俺は勉強は好きな方だった。だからこそ……誰にも勉強では負けたくなかった。
…………正確には、勉強しか俺が誇れる物は無かった。
喘息持ちの俺にとっては運動は大敵だったし……絵も上手くない。手先も器用じゃない。遊びも……独りだったから流行りのものも何も知らない。
そんな俺が唯一誇れたのが勉強だ。
勉強なら、独りでも出来るし……学校でテストとかでどんな結果になるか分かる……正直、それが唯一の楽しみみたいなものだった…………あの時までは……
とある夏の日……授業が終わって帰る準備をしていた…………そしたら俺の机の近くに数人のクラスメートが近付いてきたんだ。
「よぉ、西岡ぁ……ちょっと用事があんだけどさぁ」
「……悪いけど、俺は早目に帰りたいんだ…………!」
机の近くに来たのは、所謂このクラスのボス的存在で中学校の時から同じ学年にいるクラスメートの龍岡竜二とその取り巻き達だった…………
しかも、悪名高いやつで……目を付けた奴は仲間(子分)になるか、敵対するか聞く……
そして、敵対した場合はお金を奪ったり、脅しては悪事に走らせる……卑劣な奴だという噂が立っていた…………
俺はこの瞬間に目をつけられたと悟った…………
「良いから……どーせ部活とか入ってないんだろ? 良いじゃねぇかよぉ!」
「……分かった…………」
俺はどうやってこの状況を切り抜けるかしか考えていなかった…………が、俺はこの時……既に龍岡の卑劣な罠にかかっていた事を知らなかった……
「ホラよ、ここだぜ」
龍岡の指差した場所は既に使われていない旧校舎だった。
この学校は一応新しい校舎もあるにはあるんだが、何故かこの旧校舎を取り壊す予定が無いそうだ……でも、実際、本当に使われてないのに残す理由が見当たらない…………
「……ここで何をするんだよ…………」
「簡単さ…………かくれんぼだ。」
「っ……!」
俺は思わず龍岡から離れようとしたが、取り巻き達に進路を塞がれた…………
「勿論、お前が喘息で走れないってのは知ってるさ。だから、それなりにハンデをやるよ! お前には、これを渡す」
そういって渡されたのは小さなボタン……
「まず、お前が隠れる。そして、これをお前が押したらゲームスタート……このタイマーが作動して俺達がお前を探すんだ」
そういって見せたのは小さな時計のようなもの……それが取り巻き達の手にも握られていた。
「それで、5分でお前を見付けれなかったらお前の勝ちだ。俺達は何も関わってないって事にしてやるよ。ただし、お前を誰かが見付けたらその声でアウト。お前の敗けだ。そうなったらどうなるか……知ってるよなぁ? それに、これを断ったら……問答無用でお前の敗けだ。」
「……分かった、その話に乗った。」
5分……短いようで長い時間だ…………だが、目をつけられては選択肢は1つしかない…………俺は逃げ切るという選択肢を選んだ。
「あぁ、それと一応こう言うのもあるんだ……」
そういうと、龍岡が取り出した2枚の紙……そこにはそれぞれこう記されていた。
『私、龍岡竜二はこのゲームに負けたら二度と西岡雪也に関わらない事をここに誓います。
龍岡竜二』
『私、西岡雪也はこのゲームに負けたら龍岡竜二に逆らわない事を誓います。
』
「…………」
俺はこの紙を見て表情には出してないが、驚いた。こういうのをしっかり書いてたのかと…………
「もちろん、俺はこれを負けたから破いたり書き換えたりするつもりはないぜ? …………んで、ここにお前の名前を直筆で書いてほしい……勿論、断ったら問答無用でお前の敗けだ。」
そういって、2枚目をボールペンと共に渡された……逃げれそうにない…………そう悟った俺は仕方なく、その紙の下の空欄に自分の名前を書いた。
「よし、それじゃ……早速隠れてきてくれよ?」
そう言いながらニヤリと笑う龍岡……俺は嫌な予感がしたが…………何も考えずに結構綺麗な校舎を歩きながら隠れる場所を探した。
「……ここら辺で良いか?」
俺が隠れる場所に選んだのは音楽準備室だった場所。ここなら色々物が溢れていて見付けるのも一苦労の筈だと思い、身を潜めてボタンを押す…………
そして、俺の時計で4分が経過した……あと1分逃げ切れば俺は自由になれる…………そう思った矢先……
「見付けたぜぇ!!」
「なっ……!?」
壁の方を向いていた為、慌てて振り返ると、此方を見てニヤニヤ笑っている龍岡の姿があった…………
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それからと言うものの、俺の日常は一変した…………授業の時は特に何もされなかったが……授業が終われば、決まって旧校舎に連れていかれ…………そして、虐めを受ける…………そして、辺りが暗くなれば漸く解放される…………「明日も楽しませてくれよ? 玩具君♪」と言う龍岡の笑い声と共に…………
内容は本当に酷い物が多かった……俺は人ではなくて本当に玩具として扱われてたからな……ある日はドッジボールの練習という名目で体を縛られた状態で立たされてボールをただひたすらに当てられたり……ある日は俺の口を便器に見立てたり……本当に酷かった…………
でも、俺は声をあげずに耐えるしか無かった…………声をあげれば……殺されると思ったからだ……
何故そう思ったか…………それは中学校の時に知ったことだ。
中学校の時に同じ学年にいた少年が当時の校舎から転落し、死亡したんだ。
彼もまた、今の俺と同じく龍岡のターゲットだった……その時……俺は彼が龍岡に歯向かっていた所を偶然見てしまった……一応その時はこちらを見られずに済んでいたが…………彼が死んだのがその翌日だった事も相まって…………逆らって殺されたんだと思った……ちなみに、その件は彼が落ちたとされる場所からワープロで書かれたとされる遺書が見つかり、自殺と断定された…………が、ワープロで書くんなら誰でも出来ると思った俺は心の中で犯人は龍岡だと思った…………だからこそ……俺は耐えた。女の格好にされて写真を撮られても……それをばら蒔かれても……何時間も死ぬギリギリまで首を吊るされても…………ひたすら耐えた。
家族の居ない俺には……仲間など居なかったから…………
なぜ俺が家族が居ないのに生活出来てるか?それは近所のおばさんが身元引き受け人となってくれ、前に俺が住んでいた家の大家となってくれた。しかも元々が俺の家だからという理由でローンを払ってくれるのに家賃を払わなくていいと言ってくれた。
しかも、時々家に来ては掃除をしてくれたりと、優しい人だった。
でも、俺はそんなおばさんに心配をかけたくなかった…………
正直、最初の内は耐えれた。何せ数人からだったから…………でも、日を増すごとに俺を虐める人数は増えていって……いつの間にか……クラス全員から虐められていた。
しかも、先生は殆どが黙認……その他も俺が虐められている事を知らない先生だけだ。
もう、耐えられなくなって、家に引きこもるようになった……そんなとき、ある一通の手紙が届いた。
それは、聞き覚えのない人からだった……
俺は不思議に思いつつもその手紙を開いてみた…………すると、
『拝啓 アブソリュート様』
こう書かれてあって漸く気付いた。
この名前は、俺がとあるネット小説投稿サイトの『○△◇』で使っている名前で、しかも実名等を教えたのは一人しか居なかった。
そして、手紙にはこう綴られていた…………
『拝啓 アブソリュート様
最近はいかがお過ごしですか?最近○△◇での活動が無くてお気に入りしている皆が心配しておりました。ですので、私が皆の想いを代筆をさせて頂きます。
虐めに負けるな!アブソリュート!
またあの元気なアブソリュートさんを見たいです!
早くアブソリュートの小説見させてくれよ!俺毎日更新されてるの楽しみにしてるんだから!
その他も色々な言葉を頂きましたが、全部書くのは正直しんどいので割愛させて頂きまして、はじめの方に寄せていただいた3つを書かせてもらいました。
そして、私からも一言言わせてください。
私達がついています。ですので気をしっかり持ってください!!
これが貴方の活力になるかとうかは定かではありません……ですが、私達に出来るのは精一杯アブソリュートさんに声をかけること。多分メッセージボックスには一杯応援メッセージが入ってますよ。
それと、貴方の町に住んでいる警察のお偉いさんのエリックローンさんが貴方の通ってる学校に直談判するそうですので、日時等はエリックローンさんと直接メッセージで話し合って下さい。
それでは、貴方のご健闘をお祈りします。
○△◇ユーザ みゅりこより』
手紙を読み終えた俺は慌ててパソコンを起動して○△◇のサイトにアクセスして自分のページを確認した。
すると、みゅりこさんを始め……エリックローンさん、ルーフィアさん等、自分をお気に入り登録している人総勢137人からメッセージが届いていた…………
ちなみに、みゅりこさんは、俺が○△◇に登録して、小説を書き始めた時に初めてお気に入り登録をしてくれ、小説のいろはを教えてくれた恩師のような存在だ。
そして、エリックローンさんは確か警察の上層部に勤めているエリート。その為か文章が少し難しい所もあったけど、とっても面白い人。それでいて、正義感がとても強く、頼り甲斐のあるまるで父親のような存在。
そして、ルーフィアさんは俺が独りで暮らしている事を一番気にかけてくれて料理のレシピや、俺のすんでる地域のスーパーの特売情報なんかも教えてくれ、俺が虐めにあってると知れば一番怒っていた……まるで母親のような存在……
そこで俺は思い直した。
『自分は独りじゃない。みんながいる。○△◇の皆がいる!』
そう思うと勇気が出た。
早速エリックローンさんとコンタクトを取って、翌々日に時間を取ってくれると約束してくれた。しかも弁護士も呼ぶと言ってたのには驚いた…………
そして俺は、もう少し活動を休んでから復活すると報告欄でみんなに約束した。すると僅か数分でまた一杯の応援メッセージが届いたのにも驚いた……
そして、エリックローンさんとエリックローンさんが呼んだ弁護士さんと一緒に生徒は誰もいない学校へ行って、俺は全てをぶちまけた。今までの恨みを晴らすように声が枯れそうになるまでぶちまけた。
そしたら、事情を知らなかった校長先生は怒って、黙認していた先生の給料をその場でカットすると宣言。
更に翌日には俺のいたクラスの生徒に自ら聞きに回った。そして最終的に、分かったことは龍岡以外の生徒はみんな龍岡に脅されてやった事が判明し、龍岡もそれを認めた。
その日の夕方、自宅にやって来た校長先生は、龍岡と俺を除くクラスの生徒全員に謝罪文・反省文一人各3枚分を書かせて、主犯の龍岡に関しては強制退学させ、尚且つ裁判所に告訴すると約束してくれた……その上で校長先生自らも謝罪してくれた……俺は救われた…………そう思った。
皆はどんな風に呼ばれる?名字?名前?それともあだ名?はたまた役職的な何か?
俺?今、俺はクラスメートからは『不屈の雪也』!格好いいから気に入ってんだ!
ちなみに、龍岡が何故主人公を虐めたかと言うと……
「小学校の時は全てに置いて俺がトップだったのに中学校に入ってから勉強でアイツにずっとトップを獲られてたから」
という非常に自己中な理由だからでした。
その後……主人公がどの道に進んだかはまた別のお話です…………