力を持つ少女
少女は神として崇められていた。
他の人には見えない[世界]が見える、[世界]を渡り言葉を伝える。
たったそれだけだった。
他の宗教団体との争いもあったが、彼女の力で全て収めてきた。
少女は透き通るようなきれいな白髪だった。
宗教の神として和服を着せられている、人形のような少女。
少女A「今日はもうお疲れでしょう、禊をしてお休みくださいませ。」
少女「ありがとう・・・」
少女は見ていた。
別世界の彼女の事を。
その[世界]の彼女はひどく後悔していた・・・
少女「助けてあげたい・・・」
白髪の少女は祈りを捧げる。
すると体が淡く光り出す。
少女の意識は体を離れ[世界]を越えた・・・
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路地裏から出てくる・・・
目の前には側近の少女Aと瓜二つの少女が、だが雰囲気はまるで別人だった。
白髪の少女「あなたもまた力をもつもの。」
少女A「え?」
白髪の少女「私はある人にもう一度会いたい。」
少女A「意味が・・・」
白髪の少女「あなたがいじめている少女に今すぐ会いに行きなさい、後悔しないうちに。」
少女A「っな!?」
フッと意識がなくなる。
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少女「もう限界か・・・」
バシャ!!
少女「うぅ・・・力を使いすぎた・・・」
[世界]を渡るにはとても大きな力が必要だった。
少女の力だけでは寿命を削ってやっとなほど強力な力。
少女「あぁ・・・早く会いたい・・・私の運命の少女に・・・」
少女は湯船につかりながら寝息を立て始めるのだった・・・
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少女は夢を見る。
まだ幼い自分が銀行強盗に殺される夢。
でもそれは夢だ。
実際に殺されていたらここにはいない。
だから少女は感じていた。
少女「あれはきっと別の[世界]の記憶・・・」
力を使ってもそこに行けない以上もうその[世界]はなくなっているのかもしれない。
少女「今日は休みたいなぁ・・・」
少女の考えとは裏腹に少女Aが入ってきて言う。
少女A「今日も忙しいですよ、がんばってください。」
少女「・・・はぁ・・」
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新しい入信者たちに挨拶をする少女、もちろん無理やりである。
少女「「めんどくさいなぁ・・・」」
少女は飽き飽きしていた。
すると入信者の1人がこっちに来る。
これは予定にない?アドリブ?
男A「神は2人もいらないんだ!!!」
少女「えっ?」
男はコートの下に大量のダイナマイトを持っていた!
側近の少女や男たちが犯人を取り押さえる。
男A「にやぁ~・・・」
少女「逃げて!!!!」
ドーン!!!!!!!!!!!!!
ダイナマイトの起爆装置はタイマーだったんだろう。
施設の各所にも仕掛けられていたらしく大惨事になっていた。
少女はボロボロで虫の息だった・・・
少女「「結局・・・現れなかったなぁ・・・私の会わなきゃいけない運命の人・・・」」
???「これはこれはずいぶんと大きな力をもった[神]じゃのう。」
少女はほとんど動かない体を動かし声の主を探す。
月の光が反射して影しか見えない・・・
???「ここで会ったのも縁じゃ、その力我が貰い受けよう。♪」
少女「い・・や・・・・・・」
少女は抵抗を試みる、しかし、
???「無駄じゃ♪」
少女「!!!!」
少女は影に飲み込まれると意識がなくなる・・・
暗い暗い闇の中に沈んでいく・・・