巻き込まれ
少女「はぁ・・・めんどくさい。」
その少女は呟いた。
少女「こんなところで働きたくないよ」
少女は真っ白な透き通るような長い髪を腰まで伸ばし、ツインテールを結んでいた。
服はメイド服。
ここはとある田舎の領主の屋敷。
少女は領主の命令で屋敷で働いていた。
少女「あんなクソ領主のところでなんか働きたくないな~」
少女は見た目こそ可憐だが口が悪かった。
少女B「そんなこと言ってると領地から追い出されてしまいますよ。」
同僚の彼女は優しく諭す。
少女「だってセクハラばっかりじゃーん!」
少女Bは苦笑いを返すだけ。
少女「住むところもないような貧乏だからしょうがないけどさー。」
彼女達は住むところがない為住み込みでメイドとして働いている。
代わりに実家に多額のお金を援助してもらっていた。
少女B「そろそろ、戻らないと食事の用意が間に合わないよ。」
少女「うん・・・」
少女達は屋敷に帰って行く。
男A「このまずい料理はなんだ?こんな豚の餌食えるわけがないだろう!!」
領主の男は偉そうに文句を言っている。
少女「・・・・・・・・・・・・・・・・」
男A「なんだ?その目は?文句があるなら言ってみろ!お前の首なんかすぐにはねられるんだからな!」
少女「・・・・イイエ・・・」
男A「・・・ふん!」
男A「俺は風呂に入る!片付けておけよノロマども!」
男が浴室に向かう・・・
少女「・・・・・むかつくぅ~~~~~!!!!」
少女B「いままでだっておとなしく食べてくれたことないでしょ・・・」
少女「だけどさぁ!!」
少女B「ほ~ら、早く片付けしないとまた文句言われるよ。」
少女「・・・・・・」
チリンチリン・・・・
風呂場から呼び出し?
少女「なんだろう・・無視するわけにもいかないし行ってくるね」
少女B「気をつけてね・・・」
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少女「ご主人様、お呼びでしょうか?」
男A「おーお前でいいや、服脱いで背中流してサービスをしろ。」
少女「「できるわけないだろこの豚領主!!」」
心の中で叫ぶ。
少女「誠に申し訳ございませんが私まだ15です故、そのようなサービスをするわけには。」
男A「そんなもん黙ってればわからんだろうに!いいからやれ!クビにするぞ!」
少女「警察に捕まりたいのでしたらやりますが、背中だけなら流しますよ、もちろん服は着たままですが。」
男A「っち、早くやれ・・・」
少女はイヤイヤ男の背中を流してあげるのだった・・・
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1日の仕事が終わり最後の見回りをする。
今日は月がきれいだ・・・そんな事を考えながら屋敷を歩く。
玄関の鍵を閉めて、見回りも終了。
の、はずだった・・・
少女「!だれだ!!」
男B「っち!」
ザクッ・・・
少女「「え?・・・刺された?」」
バタン・・・
男B「畜生、領主だけの予定だったのにまだ起きてやがったか!」
少女「「そんな・・・巻き添え?・・私・・・」」
タッタッタッタ・・・・・
足音が遠ざかる・・・空いた玄関から月の光が入ってくる・・・
???「おやおや・・・」
???「気配がしたから探っていたが・・・」
???「いいところに出くわしたの。♪」
少女「「だ・・れ・・・?」」
霞む目に映るその姿は、
月の光を受けてきれいに輝く金色の髪、赤と白の服、金色の尻尾。
???「消滅する前に我が力にしてやろうぞ。」
影に飲み込まれ少女の意識は途絶えた・・・
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少女は真っ白な部屋で目覚める。
少女「・・・・また、ダメだった・・・」
少女「もう借りてきた[ガジェット]も終わりか・・・」
少女「気は進まないけど・・・あいつに借りに行くか・・・」
少女は気だるさを感じながらも絵のドアに向かう・・・