飛び降り少女
少女「・・・・・朝?・・・」
普通の家、普通の部屋、普通の朝。
着替えて学校行って部活して・・・・
普通の生活を迎える少女・・・
少女「・・・また変な夢だったなぁ・・・」
少女には悩みがあった・・・人に言っても信じてもらえない。
真っ白な部屋で1つの箱から道具を取り出し遊ぶ夢・・・
全く別の[自分]が生活する世界へいって入れ替わる夢・・・
たかが夢だと笑われる・・・
少女は憂鬱だった。
少女「今日もいじめられるのかなぁ・・・」
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下駄箱に上履きがない。
いつもの事・・・
机に落書き。
いつもの事・・・
わざとぶつかられて転んだ。
いつもの事・・・
顔の痣で先生に聞かれたけど言えない。
イツモノコト・・・
トイレに行ってる間にお弁当がなくなってた。
イツモノコト・・・
少女は誰も来ない屋上の隅っこで泣く。
少女「私はなにもしていない・・・悪いことなんてしていないのに・・・」
今日も空腹を水道水で誤魔化す。
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放課後
複数の少女達に囲まれて彼女は水を掛けられていた。
少女A「いい加減臭いから学校来るなって言ってるだろ!」
少女B「早く死んでくれない?あっははは。」
ガチャ・・・バタン・・・
少女「どうしてわたしばっかり・・・!!!!!」
少女「私は普通に生活してるだけなのに!!」
少女「なんで・・・・どうして・・・・」
ラケットのネットが切られている。
部活もできない・・・
一緒に帰る友達もいない
出迎えてくれる家族もいない・・・
少女「つらいよぅ、つらいよぅ・・・」
少女「誰か・・・・たすけてよぅ・・・」
カチャ・・・
少女は引き出しから[ナイフ]を取りだし・・・
自らの手首に傷を付けた。
世界のすべてに絶望したとき
少女の頭に直接語りかける声が聞こえる・・・
声「だったらこんな[世界]見捨てちゃえばいいよ。♪」
眩暈とも貧血とも違う違和感・・・
少女の意識は白昼夢に沈んでいく・・・
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気がつくと元の部屋だった・・・
脳裏にだれかの声が木魂する・・・
自分はいじめられる運命・・・
それはもう変えられない・・・
少女の心はもう限界だった・・・
絶望・・・
朝が来るのが怖い・・・
人に会うのが怖い・・・
みんなの視線が怖い・・・
誰に相談してもいじめは解決しない・・・
言えば逆にひどくなる
逃げ場がない・・・
少女「もう・・・やだよぅ・・・・・」
幻覚だったかもしれない・・・でもかすかに聞こえたあの声・・・
声「死んじゃえば・・・その[世界]から逃げられるよ♪」
少女「・・・・・・」
そしてその夜・・・・
少女はその世界に手紙を残し・・・
マンションの屋上から飛び降りた。
地面に体が着く寸前。
世界が止まり少女の持ち物に世界が吸い込まれていく・・・
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その様子を遠くから見つめる影。
???「ここは遅かったか・・・」
???「悔しんでもしょうがない。」
???「次の[世界]に参ろうか。♪」
その影はビルの屋上から飛び降りたが地面につく前に消滅した・・・