ep5 妹
最近よく5人で遊びに行くようになった
まだゆきのには何も聞いてない
言ってくれるまで待つ事にした
「ゆきのっ今日部活なくなったんだ~前言ってたケーキ屋さんに食べに行かない?」
「いいわよ」
「俺も行きたいなぁ」
「渉」
「今日俺のとこも休みになったんだよね」
「そうなの?じゃあ行く?」
「やったぁ悠人!お前も暇だろ?」
「え?暇だけど……いいの?」
「神崎君、甘い物お好きじゃないんじゃないかしら?」
「え?…そうなの?」
「そんなことないよ、宮島どこでそんな話聞いたのかな?」
「どこだったかしら?オホホ」
相変わらず2人は何か隠してるみたい…
でも休みの日もゆきのは私の家に来るから2人は付き合ってるわけではないのかも…
「さくらぁ帰ろう♪」
「あおい、ゆきの達とケーキ食べに行くんだけど行く?」
「ゆきの達?…って誰?」
「え…神崎君と渉だよ」
「またあいつ来るのかよ!」
「………悪い?」
あおいの後ろに神崎君が立っていた
「……べっつに!」
この2人も相変わらず仲がいいというか悪いというか…
5人でケーキを食べに行くことになった
神崎君とは普通に話せるようになってきた
「垣里、今日のバスケすごかったなぁ」
「えっ見てたの?」
「さくらが上手いのは当たり前だろ」
「てか、垣里弟は友達いないのか?」
「何言ってんだよ、俺は皆の人気者だぜ」
「じゃあ何で毎日垣里と一緒なのかな?」
「虫がつかないようにに決まってんじゃん」
ほとんどこの2人の会話の間にいるだけなんだけど…
「あら、なんだかすごい人がいますけど…」
「えっ嘘?座れるかな?」
ゆきのの元へ走る
「えっ今日行くとこってここだったの?」
「渉…何かあるの?」
「う~ん…」
「きゃあ~ほんとにいるぅ」
「めっちゃ可愛いんだけど」
「やばいねぇ~撮影かなぁ」
店の外の女の子達が騒いでいた
「芸能人かしら?」
「違うとこ行かないか?」
「渉、何か知ってるんでしょ?」
「いやぁ~」
「あっ出てきたぁ~」
「きゃあああ~実央ちゃぁん」
1人の女の子が店から付き人らしい人とでてきた
その女の子がこっちに気付いた
「お兄ちゃん!」
走って渉のもとへやってきた
「今日の撮影ってここだったんだな」
「お兄ちゃん知ってるでしょ?あっ実央の様子見に来たの?」
「いや、たまたまだよ」
「うそぉ~あれっ悠人君もいるのね」
「こんにちゎ」
渉の妹らしき女の子は私達に気付いた
「誰……この人達」
「あぁ…紹介するよ、俺の妹、実央」
「こんにちゎ☆垣里さくらです、こっちは弟のあおい」
「宮島ゆきのですわ」
「………」
実央は私とゆきのを見定めるようにジロジロとみてきた
「さくらさんが彼女?」
「え?違うけど…」
「ふ~ん…じゃあゆきのさんね」
「はぁ?」
実央はゆきのにくっついた
「実央、ゆきのさんの顔好き」
「ちょっと待って…」
「お兄ちゃん達の会話にはいつもさくらさんの名前が出てくるけど」
「おい、実央」
「実央、さくらさん興味ないもん」
「実央ちゃぁん、そろそろ次行くよ」
「はぁ~い」
付き人らしき男の人が実央ちゃんを呼んでいた
「ゆきのさん、ぜひ今度家に遊びに来て下さいね」
「いや、あの…」
「じゃあまたね!ゆきのさん、悠人君」
実央ちゃんは私を睨んで走っていった
「なんだよあの女……さくら気にするなよ」
「悪いな…さくら、宮島」
「誤解したままでいいのかしら…」
「垣里…?」
「………可愛い」
「え?」
「ティーン雑誌の読者モデルの実央ちゃんでしょ?私超好きなの」
「……そう」
皆呆れていた
「渉の妹だとは思わなかったなぁ」
「さくら、あんなに言われてたのにいいのかよ」
「だって私渉の彼女じゃないし…可愛ければ許されることもあるよ」
「さくらってMなのかしら?」
「まぁ…宮島と一緒にいるってことはそうかもな」
「…神崎君、さっきちょっと焦ったでしょう?」
「何の話?」
「よくさくらの話してるんですって?」
「あははははは」
渉は突然笑い出した
「いやぁ前からさくら面白いと思ってたけど、ここまでとは」
「どういうことよ」
「実央のあの姿見て可愛いっていうファンの子初めて」
「だって可愛いんだもん」
渉は私の頭をぐしゃぐしゃにしながら笑っていた
「あらあら、仲良しね…白河君って面白いもの大好きなんですってね」
「……」
「あっ知ってますわね…親友ですもの」
「うるさいよ」
「くすっあの程度で黒王子になるなんて嫉妬深いのね」
「うるさいって言ってるだろ」
「はいはい」
夜、渉宅
「お兄ちゃん」
実央が渉にくっついてきた
「実央、おかえり」
「ただいま」
「てか、今日のなんだよ」
「何が?」
「宮島は彼女じゃないからな」
「そうなの?でも実央はゆきのさんが好きなんだもん」
「知らないよ」
「…もしかしてお兄ちゃんは、さくらさんが好きなの?」
「なわけないだろ、そんなことになったら殺されるわ」
「…あぁ、悠人君のなんだ」
「お前、悠人に俺が言ったって言うなよ」
「言わないけど…実央、それも気に食わない」
「なんだそれ…さくらは実央の本性知ってもファンだって言ってたのに」
「関係ないわ」
「何考えてるんだよ」
「…明日お兄ちゃんの学校行くから」