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inevitability  作者: fairy
22/23

last ep エピローグ

私は高校を無事卒業し、垣里家を継ぐために経済を学びに

ゆきのと同じ栄林女子大学へ通っている

大学がない日は母の料亭でお手伝いをしている


ゆきのも同様経済を勉強し、父親のアパレル会社でバイトをしながら、家の手伝いもしている。


渉は教員免許を取るため、瀬田川高校同様白河家が経営している

教育大学に通ってる


私と渉は婚約したままである


というのも彼が旅立ったと知った日



「お願いってなんですの?」

「ゆきの、5年だけ・・・渉を貸して」

「は?」

「俺は宮島の物かっ」

「渉も・・・5年でいいから私の婚約者でいてほしいの」

「なんで5年ですの?別にそのまま結婚してしまえばよろしんじゃなくって?」

「・・・てか2人ってまだ付き合ってないわけ?」

「ホントだよなぁ~何度も・・・」

「バカなこと言わないで下さる?」

「あ。怒った」

「宮島つれなぁ~い」



そう2人にお願いとは

渉には悠人を待つ間だけ婚約者のフリをしてもらう

ゆきのには申し訳ないけどその間渉を貸してもらう


父親には婚約する代わりに結婚はまだ先に延ばしてもらってる




そしてあの日からまもなく5年

私は変わらず母と料亭で仕事していた


ガラガラ・・・

お店のトビラが開き、母が出向く


「いらっしゃいませ」

「hello!」


白髪混じりで全体的に大きい外国のご老人が入ってきた

「nice to me too」


母は急なことに驚きながらも笑いながら握手をする


「wait・・・papa」


あとから金髪の美女が慌てて入ってきた


「sorry・・・ゴメンなさい」


その美女は日本語が話せるらしく母は少し安心した


「ご予約のお客様ですか?」

「えぇ・・・ジェリーと申します」

「お待ちしておりました、ご予約では4名様でしたが」

「今husbandが車を止めて・・・あっ」

「悪い、お待たせしました」


日本人の男性が走ってきた


「あとsonが後から来ますわ」

「かしこまりました、ではご案内致します」

「Oh・・Let's go!」

「もぉ・・papaったら」



私は他の部屋から出てそのウキウキの姿に顔がにやけてしまった



「Oh!pretty・・・What's your name?」

「あ・・・I'm・・SAKURA」

「SAKURA!japanese flower」

「おほほ・・・恥ずかしながら私の娘ですわ」

「Oh・・・どうりで・・・papa,she's daughter」

「Oh・・・・feel satisfied」

「納得したって言ってます」

「おほほ・・・ありがとうございます」


私はふと金髪の美女に目がいった

どこかでみたことがあるような・・・・そんな気がした

視線に気づいた美女はにこっと笑った

私は一礼してその場から去った

そそくさとカウンターに戻ると、父が来ていた

父はここの料亭は母に任せているため、ほとんど来ない


「お父様?どうかなされたんですか?」

「さくら、ジェリーカンパニーの方がいらしてるときいてな、どこ入ったかわかるか?」

「あぁ・・・先ほどお母様が松の間に・・・」

「そうかそうか」


父もまたご機嫌で松の間に向かった


「ねぇジェリーカンパニーってそんな有名なの?」

「お嬢様知らないいですか?」

「聞いたことある気がするんだけど」

「ジェリーカンパニーは世界的に有名な医療関係の会社ですよ」

「へぇ~医療・・・」

「なんでも会長は現役のとき世界を飛び回る医者だったとか」

「ふ~ん・・すごい方なのね」

「で、その一人娘の旦那も今現役で世界中飛び回ってるんだそうですよ」

「じゃぁあの外国の方が会長さんか」

「社長もいろんなとこ顔だしますよね」

「本当・・・病院食でも作る気かしら」



それから少し経って母が戻ってきた


「料理長これ松の間の注文・・お願いね」

「はい、かしこまりました」

「さくら」

「なぁに?」

「もしかしたら白河さんとこの縁談なくなるかもしれないわ」

「はぁ?なにそれ」

「先ほどいらしたジェリーカンパニーの方とお父様が仲良くなっちゃって・・・で会長さん、あの外国の方がさくらのこと気に入ったって」

「あらら・・・それでそのご子息さんに乗り換えると」

「さくらだって実際嫌だったんでしょう?」

「だからってそんな簡単に」

「まぁあおいのこともあったからいいきっかけにはなったけど」

「あぁ実央ちゃんと付き合ってるからね」

「姉弟で結婚ってのもねぇ~」

「・・・あきれた」



そんな話をしているとお客さんが入ってきた


「すいませぇ~ん」

「はいはい、いらっしゃいませ」

「ジェリーで予約はいってるかと・・・」

「お待ちしておりました、ご案内致します」


ガシャン

私はその人に目が奪われた


「ちょっとさくら・・・申し訳ありません、お怪我は?」

「いえ、大丈夫です」

「・・・・悠人?」

「お元気そうですね、さくらさん」





5年目にして悠人は私の前に現れた

そしてジェリーカンパニーの会長の孫であることが明らかになった

父もそのことに驚き、手のひらを返した


「きみは・・・」

「お久しぶりです」

「神崎君だったか・・・ではジェリーさんの息子さん?」

「えぇ、coolでしょう?さくらさんの相手に相応しいかしら?」

「え?mother、どうゆうこと?」

「おじい様がさくらさん、こちらの方の娘さんが気に入ってね」

「とうさん」

「ぜひ、悠人の嫁にどうかって」

「そんな勝手に・・・」

「悠人君は今・・何を?」

「まだ研修生の身ですが祖父の病院で働かせてもらっています」

「そうか・・・成長したね」

「悠人と会ったことが?」

「娘の・・・同級生だったんですよ」

「まぁ!ならいいじゃない、悠人」

「そんなさくらさんの意見も・・・」

「君はそのために帰ってきたんじゃないのかね?」

「・・・そうですが、5年も経てば気持ちは変わりますし」


「まだ、そんなこといってるの?」

「さくら」


私はお母様に連れられて、松の間に来ていた

襖越しに話を聞いていた

涙が出そうなのを隠して襖を開けた



「お父様、本当にいいの?」

「え?・・・あぁもちろんだよ」


まさか悠人が世界的に有名な会社の孫だと知らなかった私たちは唖然としてしまったが、父はひどい後悔をしていた


私たちは晴れて付き合うことが認められた




「でもどうして隠していたの?」

「え?あぁ~俺自身をみてほしかったから」

「でも結局お父様はジェリーカンパニーで認めてくれたようなものだけどね」

「まぁ・・結果的にはね」

「でも会えてよかった」

「来ないと思った?」

「ふふっ」





数日後

私は初めて悠人の家に招待された

ウチと同じくらいおっきい家なんだろうなって勝手に思い描いていたけれど、予想とは違って高層マンションの最上階ワンフロアだった


というのも悠人の祖父と母親は基本会社のあるイギリスに住んでいて、父親は世界中を飛び回っているため一つの場所に留まることはほんとんどないらしい

だからほぼ1人暮らしだったっていうのを初めて知った

つくづく何も私は知らなかったんだな



「おじゃましまぁす」

「どうぞ」


「Oh!さくら、いらっしゃぁい~」

「こんにちは、ジェリーさん」


でも今回のことがあった為久しぶりに家族団らんをしているところに今日は招待されたのだ

ジェリーさんは会う度抱きついてくる

いい匂いするしいいかげん慣れたけど


「う~ん・・・さくらpretty」

「アハハ・・・ありがとうございます」


「飲み物取ってくるからそこ座って、母さんの相手でもしてあげて」

「Oh、悠人、何その言い方!」

「はいはい」


一緒に暮らしてない時間があっても家族仲いいんだなって微笑ましくなった



「Oh、さくらにみてほしいのあるの」

「なんですか?」

「ジェリーもしかしてあれかい?」

「えぇ」


引き出しからなにやら出してくると、悠人の両親は興奮し出した


「show!見て、さくら」

「我が息子の小さいときだよぉ~かぁわぁいいだろう?」


悠人のアルバムだった

だが、私はその写真を見ると驚いてしまった


「えっえっええええぇぇぇぇぇ」



「えっどうしたの?」


私の悲鳴にも似た声に悠人は急いで戻ってきた


「なっ可愛いだろう?」

「もぉ・・さすが私達のsonって感じぃ」


「あ・・・・さくら見た?」

「・・・・見た」


写真に写っていた悠人はあの時の子だったのだ

女の子の格好をさせられてる写真も何枚かある

そして私がひろった帽子をかぶってる姿も・・・




「あの時の子が悠人だったなんて驚いたぁ」

「あははは・・・」

「気づいてたんでしょ?」

「あぁ・・・だってこの辺じゃさくらんち知らないやつなんていないからあのお屋敷に住んでる子の名前っていったらすぐわかっちゃったし」

「あはは・・・そうだよね」

「でも確信したのは初恋の思い出の話を聞いたとき」

「あ~そっか・・・じゃぁあれ女の子じゃなかったからちゃんと初恋になるんだね」

「いや・・・満面の笑みで本人に言わないでよ」

「あっ・・・」



小さいころから家にある自分と同じ名前の桜の木が大好きだった

よく登って町並みを見ていた

家は高台にあり、街をよく見渡せるのに絶好の場所だった

親友のゆきのはその下でよく弟のあおいと一緒に本を読んでいた


そんなある日、いつものように過ごしていると風が吹いて男の子用のキャップが飛んできた

それを取って桜の木の上から持ち主を探すと、家の前に女の子が1人立っていた

「ありがとう」と笑って走る姿に見とれた


最近の夢はその後その子は戻ってくる

桜の花びらが舞う中、男の子となって


「あれ、前私いつから好きになったの?って聞いたときあったよね」

「ん?あったっけ?」

「確かそのとき・・・初めて話したときからって」

「そうだっけ?」

「言った!ってことは悠人もあの時・・・」


ちゅっ


「はい、そこまで」



「あぁ~悠人がラブラブしてるぅ~」

「いいなぁ~ジェリーもさくらとラブラブしたぁい」


「みてんじゃねぇよ!」

「怒った・・・ジェリー・・悠人が・・」

「Oh、反抗期!?」

「うるさぁ~い」

「あはははは」



『inevitability』

意味:避け難いこと。必然性


私たちの出会いは決められていたこと

避けて通ることができなかったんだ



そしてあなたがこれを読んだこともまたinevitability                 



    

END

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