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inevitability  作者: fairy
16/23

ep15 新年

晴れて私と悠人は付き合う事になった





「本当に?」

「………うん」




背中を向けていた悠人はすぐさま私と向き合う



「本当に?」

「………うん」

「嘘じゃない?からかってる?」




悠人はなかなか信用しない

何かと理由つけてくる

そんな反応がまた面白い……




「流れでいっちゃったみたいな?」



「…ぷっ悠人落ち着いて?」

「いや……だって」

「ごめんね、急に………返事させて下さい」

「え……あぁ」



「私で良ければ付き合って下さい」



悠人はその言葉を聞くとへたりと地面に座り込む



「え?ちょ…大丈夫?」

「腰……抜けた」

「え?」



今まで見たことのない顔

少し赤らめて目をキラキラさせて




私の大好きな笑顔




「あはははははっ」

「笑うな…ょ…」

「だって…あははっ」




私は思う存分笑った後、悠人の前にしゃがんだ



「悠人、可愛いんだもん」



益々蛸のように顔が赤くなった

私はまたその姿に笑ってしまった

今でもあの時のことを思い出すとにやけてしまう





「さくらっまぁた、にやけてますの?」

「エヘヘ」

「キモい…準備はできましたの?」

「あっゆきの!もう来たの?」

「もうって……今何時だと思っていますの?」

「え?…えぇぇぇ」




そして今日は12月31日大晦日


いつものメンバーで初詣に行くことになった



そして付き合うことになってから初めて悠人と会う

メールや電話は毎日のようにしてたけどなかなか会うことはできなかった




「あれっ?あおいは?」

「え?もう出かけましたわよ?何も聞いていませんの?」

「知らなぁい」

「実央ちゃんと一緒らしいわよ」

「え?あの2人もしかして……」

「さぁね…お姉ちゃんに裏切られたから」

「裏切るって人聞き悪いなぁ」



私は準備を終えて、ゆきのと家を出る

門の前には悠人と渉が迎えにきていた



「お待たせ」

「おっそいよ」

「さくらったら誰かさんのせいでぼーっとしてるもんだから」

「ゆきの!」

「へぇ~誰かさんのせいで…ねぇ」




ゆきのと渉はニヤニヤと私達を見る

私は久々に会うから緊張して目が合わせられない




「ほらっいいから行くよ」

「クスクス」

「俺ら邪魔だったかなぁ?」

「かもしれませんわね」




ゆきのと渉は前を歩いていく

その後を悠人は歩き…私はその後ろをとぼとぼと歩く




「さくら」

「え?何?」



私の顔をちらりと見る



「……元気だった?」

「うん……悠人は?」

「元気だよ」




変な会話

でもそのおかげで少しリラックスできた

悠人も緊張してたのかも


私は悠人の隣に行った




「ごめん…嘘」

「え?」

「ずっと会いたかった」



私は顔がニヤけるのがわかった

悠人も恥かしそうに赤い顔を手で隠す


シャラッ


私は手首に目がいった

あの時あげたブレスレット

桜色がキラキラと輝いていた




「悠人見て」

「あ……」



私ももらった桜色のネックレスを見せる



「「一緒だ」」




私達は同じ事を言った

またそれも嬉しくて笑ってしまった






「2人とも~イチャイチャしてないで行くよぉ」

「そんなところで年越しますの?」



笑いながら2人の元へ走った







神社に着いたのは日付が変わる15分前

カップルや家族、友達同士のグループなど沢山の人がいた

私達は階段を上り、新年を待ち侘びる列な並ぶ

前にはゆきの達がいて、隣には悠人がいる

今年も色々あったけど……最後にこんないい事があるとは思わなかった



「どうしたの?」




つい悠人に見とれてしまっていた




「今年は色々あったなぁと思って」

「ふっ…そうだね」

「来年もよろしくね」

「こちらこそ…受験もあるから忙しくなるだろうけど」

「そういえば、悠人は大学だよね?」

「あぁ、医療系……さくらは?」

「私は…」




「さくら、悠人」

「え?」


5


4


3


2


1



『ハッピーニューイヤー』





新しい年が始まった

拍手喝采となり、皆騒いでいた

すると、急に目の前が暗くなったと思ったら


ちゅっ



私は思いっきり目を見開いていた

悠人の顔が目の前にあり、見つめ合ってしまった



「ハッピーニューイヤー」

「ハッ…ピー…ニューイヤー……?」

「ははっ何固まってんの?」

「だってこんなとこで…」

「ふっごめんごめん」





本当あなたには驚かされてばかりだよ

ドキドキが全然収まらない

どんどんあなたを好きになってる

あなたもそうだったらいいのにな…

どんなことがあっても私を好きでいてくれるかな




どんなことがあってもあの時のように覚えててくれるかな






神様に

ずっと一緒に

って願った



ずっとこのままでいたい……







だから気付きたくなかった

もうすぐあなたと離れる日が来ることなんて





この気持ちが許されないなんて






知りたくなかった

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